2015/09/06 12:00
映画『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』で長編映画初出演でありながら主役に抜擢されたギャレット・ウェアリングとフランソワ・ジラール監督が来日し、インタビューに応じた。
本作は、過酷な生活環境で育った主人公ステットが、母親の死をきっかけに少年合唱団と出会い、厳しい指導者のもと運命を切り開いていくストーリー。ステット役は約1000人の中からオーディションで選ばれたが、実はギャレットとは別の少年に決まりかけていたという。ところがジラール監督だけがどうしても納得できず、タイトなスケジュールの中オーディションが続行された。監督は「撮影スケジュールはもう決まっていましたから、(主役が決まらない場合)作品を公開できなくなるという可能性もあり、大きな賭けでした」と明かし、その後出会ったギャレットについて「少ないセリフの中で孤独を表現する力量、そして強さと核を感じた」と続けた。一方、ステットとは一体どんな少年なのかギャレットに聞いてみると「あんまり多く(の才能)を持っているわけではないけれど、自分の持つ才能を非常に大事にしている少年」と答え、作品について「大きな試練に立ち向かいつつ、これからの人生に希望がもてるというストーリー。そんな少年を演じることができて、とても良かった」と笑顔を見せた。
本作では、全米でも有数の合唱グループであるアメリカ少年合唱団(ABS)が参加しており、ギャレット自身が歌うシーンも度々登場する。出演に際し合唱の経験がなかったギャレットは、ABSと共に繰り返しトレーニングを行い、音楽監督のフェルナンド・マルヴァー=ルイスから歌の基礎についての指導も受けた。ギャレットは「全部ぶっつけ本番だったよ。というのは冗談で、とにかく練習しまくりました(笑)。でも、おかげで、この作品に出演していなければ知らなかった新しい世界を学ぶことができました」と、撮影の苦労を明かした。そしてプライベートで聴く音楽については「僕は、飽きるまで何度も同じ曲を聴くタイプ。最近はオーストラリアのシーアが好きで、特に「シャンデリア」がお気に入りです」と教えてくれた。
今回、監督を務めたフランソワ・ジラールは映画『レッド・バイオリン』米アカデミー賞(R)最優秀作曲賞で知られる他、オペラを演出するなど、様々な音楽作品を手掛けている。監督は「言葉は、様々な解釈によって誤解されるなど、全ての人に同じように伝えることができません。一方で、音楽は人の心に直接訴えかける力があります。そういう意味で、僕はものづくりにおいて言葉よりも、音楽を信頼しています」と、音楽の持つ力について述べ、ギャレットについては「この才能をどんどん育てていってほしいし、彼には輝かしいキャリアが待っていると思います」と期待を寄せた。自分の才能を信じて夢に突き進む少年の姿を描いた映画『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』は、9月11日よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー。
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