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2015/08/14

Album Review: 全米No.1ソング含むザ・ウィークエンドの2ndアルバム『ビューティ・ビハインド・ザ・マッドネス』がついにリリース

 ザ・ウィークエンドの飛躍が止まらない。アリアナ・グランデとのデュエット曲「ラヴ・ミー・ハーダー」からはじまり、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の挿入歌「アーンド・イット」、「ザ・ヒルズ」、そして8月の1週目、初の首位獲得を果たした「キャント・フィール・マイ・フェイス」。昨年末からこの夏にかけてのたった半年で、4曲が続けざまにTOP10入りし、R&Bシーンにとどまらず、ミュージック・シーン全体におけるトップ・シンガーへ駆け上がった、ザ・ウィークエンド。

 その「キャント・フィール・マイ・フェイス」のNo.1獲得を受けて、才気が一気に高まりをみせる中、まさに絶好のタイミングでリリースされる2ndアルバム『ビューティ・ビハインド・ザ・マッドネス』、先日全14曲のトラックリストが解禁された。

 サントラ盤から「アーンド・イット」も収録されるという嬉しいボーナスに、エド・シーランやラナ・デル・レイといった、いまを時めくゲストから、ファンクを地でゆく実力派のラビリンス、アトランタ出身の注目ラッパー、ヤング・サグといった、バラエティに富んだゲスト陣も、ザ・ウィークエンドが厳選した、らしいメンツ。

 自身がトータル・プロデュースをつとめ、「キャント・フィール・マイ・フェイス」や「ラヴ・ミー・ハーダー」で相性の良さをアプローチしたマックス・マーティンをはじめ、グラミー最優秀アルバム賞にノミネートしたマイク・ディーン、「トリロジー」で共演を果たしたイランジェロなど、バックを支える面々も豪華かつ、サウンドセンスに長けたプロデューサーがクレジットされていて、この条件だけでもすでに期待大といっていいほど。

 高評価が絶えないデビュー盤『キッスランド』から2年ぶりのリリースとなる本作。この短期間で、ザ・ウィークエンドにこんなにも巨大な舞台が用意されることになるとは、正直思っていなかった。世界を代表するシンガーになったのも、ブラック・ミュージックに特化し過ぎず、ポップ・フィールドへも足を踏み入れたことだろう。それが「ラヴ・ミー・ハーダー」や、現在No.1ソングとして格付けされている「キャント・フィール・マイ・フェイス」といった成功例で、本作ではその延長線沿いにある、馴染みやすいサウンドも、期待できそうだ。

 とはいえ、現在のブラック・ミュージックを支えるイノベイター的存在としての、威厳もある。ソウルフルでエロティック、熱っぽさを秘めた静動柔軟なヴォーカルは、ますます磨きがかかったといったところだし、25歳とは思えないこの貫禄が、すでに2ndアルバムで醸し出されている。浮遊感漂うムーディーなサウンドから、ファンク、ヒップ・ホップと、黒いベースが根底にあるのは当然のこと、そこにどういった新しいサウンドを取り入れているのかは、お聴きいただいてのお楽しみ。

 まさしく脂の乗り切ったというしかない、ザ・ウィークエンドの新作『ビューティ・ビハインド・ザ・マッドネス』は、8月28日にリリース。おそらく、先行シングルの「キャント・フィール・マイ・フェイス」に続いて、アルバムチャートでもNo.1デビューを果たすのは、間違いなさそうだ。

Text: 本家 一成

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