2015/08/04
8月3日、デヴィッド・T.ウォーカーがモータウンサウンドを堪能させてくれるライブ「モータウン・クラシックス」が、ビルボードライブ東京にて行われた。
2014年、デヴィッドはビルボードライブにて、ラリー・カールトンとの共演、マーヴィン・ゲイのトリビュート・ライブを見せてくれた。彼は数多の作品に参加し“モータウンサウンド”の黄金期を数々のプレイヤーとともに支えてきた一人であり、デヴィッドが演奏するギターからは、音楽や自身の辿ってきた道を優しく語りかけられるような音がする。今回の「モータウンを奏でる」というのは、その至極ということであり、だからこそこの感慨は筆舌に尽くしがたい。
観客の歓声を受けステージに立ち、少し爪弾けばすぐにデヴィッドだとわかるギターは、一瞬で甘美な世界へ導いてくれる。ジョー・サンプルの名前が出され、クルセイダーズの「Street Life」が始まると観客は湧き、ソウルフルなカッティングを見せたかと思うと、次曲「Lovin’You」でギターを撫でるようにメロウな音色を奏でる。その姿には女性はもちろん、男性の観客すらうっとりした表情を浮かべた。
そしていよいよ中盤から畳み掛けられる「モータウン」の世界に、会場の興奮は高まるばかり。あらかじめ「演奏するよ」と公言していた「Ooh Baby Baby」を含め、彼が影響を受け、自身が色を付けてきたその音楽たちを懐かしむように演奏すると、観客も体を揺らさずにはいられなくなる。バッグバンドを務めたレオン・ンドゥグ・チャンクラーにバイロン・ミラー、ジェフ・コレラはデヴィッドとすっかり気心が知れたメンバーで、皆で存分に音遊びを楽しんでいる様子が伝わってきた。バンドのメンバーを見つめるデヴィッドの顔がとても優しいので、ギターだけでなくつい表情もじっと見つめてしまう。そして、マーヴィン・ゲイからはやはり大きいインスピレーションを受け取っていたようで、マーヴィンの曲を演奏しながら嬉しそうに立ち上がって「YEAH~」と客席に向かって笑顔を見せていたのが印象的だ。
あっという間の80分間は「極上」のステージだった。丁寧で静謐ながら、自らのソウルをありあまるほどにぶつけ揚々とギターを弾く姿は、モータウンの頃も今も変わらない。観客からは名残惜しいと言わんばかりの拍手を受け、ステージを後にした。
東京公演は8月2日と3日だったが、8月6日にはビルボードライブ大阪でも公演が予定されている。ぜひデヴィッド・T.ウォーカーが作った「モータウン」の音楽を楽しんで貰いたい。
◎デヴィッド・T.ウォーカーplays 「MOTOWN CLASSICS」公演情報
ビルボードライブ東京
2015年8月2日(日)~3日(月)
ビルボードライブ大阪
2015年8月6日(木)
More Info:http://billboard-live.com
Text:神人未稀
Photo:Yuma Totsuka
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