2015/06/29
最新アルバム『WALK OF MY LIFE』を引っ提げた全国アリーナツアー【Koda Kumi 15th Anniversary Live Tour 2015 ~WALK OF MY LIFE~ supported by Mercedes-Benz】を敢行してきた倖田來未。6月27日と28日、その最終公演となるさいたまスーパーアリーナ2days公演を開催した。
<上空からベンツで登場「攻めの姿勢を忘れないのが倖田來未」を>
アルバム『WALK OF MY LIFE』発売タイミングのインタビュー(http://bit.ly/1H1DQRB)で「攻めの姿勢を忘れないのが倖田來未だと思うし、(15周年を迎えて)それは今確信に変わってる」と語っていた彼女は、その言葉をまんま体現したかのような、規格外に攻撃的なアクトを展開。全国から集まった16000人のファンの前に、なんとベンツに乗って、しかもステージ上空に浮かぶベンツのフロントに腰かけた状態で登場し、そのまま「You can keep up with me」を熱唱し、ステージに着地すると今度はランウェイに向けて発進! ボンネットの上に横たわりながら美しい生足を振り上げ、その名も「Mercedes」を歌い上げる。さらには、四方八方から超大量な紙幣が噴き上がり、客席へばらまかれるという、もう誰にも追従できない、倖田來未だからこそ成立する次元のアクトを繰り広げてみせる。
<常識離れのとんでもない演出に見劣ることのない歌とダンス>
ステージの背景には、ニューヨークタイムズスクエアの夜のようなまばゆい世界が広がり、エキシビジョンに披露中の曲のタイトルやMV、ライブ映像が映し出される。そこで彼女はキラーチューンをメドレー形式で連発。常識離れのとんでもない演出に見劣ることのない歌とダンス、これまでの自身の歴史の根本を支えてきた小さくも屈強な肉体を駆使し、その肉体をどこまでも鼓舞させるエモーションも爆発させながら、あらゆる倖田來未のパブリックイメージに引けを取らない、時には凌駕するパフォーマンスを途切れることなく披露していく。「本当の私って、、、あそこにいる私が私?」と迷いながら、最後にはその全てが本当の自分であり、その全ての自分を更新することが倖田來未にはできると気付く……といった映像描写がストーリーとして組み込まれていたのだが、それは彼女自身のパフォーマンスにおいても最初から最後まで体現されていた。
<ピアノ弾き語り、ファン密着熱唱、命懸けのフライングパフォーマンス>
金銀のドレスに身を包み、ピアノの音色だけをたよりに「hands」を歌唱した場面もあったのだが、今回のアルバム&ツアーの表題曲「WALK OF MY LIFE」ではなんと自ら白いグランドピアノでの弾き語りを披露。その後には「私の隣に招待します」と、広大な客席の中からひとりだけ女の子をステージに招き、大胆なスリットの入ったスパンコールのドレス姿の倖田來未が、彼女のリクエスト曲「Always」をソファで密着した状態のまま披露してくれるプレゼントも用意。さらには、天井から吊るされた布に身を包み、命綱なしで自由自在なフライングパフォーマンスまで披露、今回は水しぶきを上げながら回転していくというシルク・ドゥ・ソレイユ級のエンターテインメントを体一つで繰り広げてみせる。ちなみに、倖田來未は高所恐怖症。それでも、誰かの心を動かす為なら本来出来ないことも何とかしてしまう、命も懸けてしまうこの姿勢には毎度驚かされる。
<「悲しみながら 喜びながら 進むべき道は ひとつだから」>
また、バンドを従えたロックモードのブロックでは、自らドラムを叩き、ギターも弾いて、キワドイ黒いボンテージ風衣装で歌い踊り、これ以上何にチャレンジすればいいのかと思わせるほど、あらゆる演奏やパフォーマンスを自らやってのけ、7月22日リリースのコレクションアルバム『SUMMER of LOVE』から新曲「HURRICANE」も先行披露。アンコールでは巨大なカプセルから登場し、トロッコで客席を回りながら、ファンに手を振りながら、ボールを投げ入れながら「Lady Go!」「WIND」「I'll be there」「Butterfly」「LALALALALA」「Poppin’Love Cocktail feat. TEEDA」といったクライマックスに相応しいナンバーを片っ端から披露してしまう。
そして彼女は最後に語り出す。「これだけたくさんのアーティストさんがいて「他のアーティストさんにはないものって何なんだ?」って見つけるのに必死だったんですよ。それで、当時はセクシーな恰好で歌っていらっしゃる方がいなかったから、「自分はこれだ!」っていう風に思って今の倖田來未があるんですけど、やっぱりそれをやりだした頃はいろいろ言われたりして、「これ、間違ってんのかな?」って思うこともいっぱいあったんですけど、でもこうやって待っててくれたファンの方たちがいたりね、友達だったり、近くにいるスタッフたちが支えてくれたおかげでね、自分らしく私はこの15年をやってこれたんだと思っております。
みんなもきっと周りからいろいろ言われるかもしれんけど、人生は自分のもんですから。周りがどう言おうと自分が「こうや!」と思ったことをやり通してほしいなと思うし、やり切った方が人生の一番最後に「私、楽しかったな」「やりきったな」って言えるかなって。「自分らしく生きたいな」って思って、笑いながら人生生きてほしいなってすごく思う。そういう意味では、今回のアルバムを通して、このライブを通して、みんなにも忘れかけた夢とか希望とか勇気みたいなものをもう一度ね、周りの目を気にせず、思い出してほしい。そんなことを思いながら今回のライブはやらせて頂きました。
「あんとき、くぅの曲で勇気付けられた」そんな風に思ってもらえるような音楽をもっともっと私も作っていかないといけないし、「倖田來未のことを好きでいてよかったな」って思ってもらえるようなアーティストで居続けないといけないと思うし、後々「あ、倖田來未についてきてよかったな」って思ってもらえるように格好良いアーティストで居続けたいなって思っております。みんなのそばでもっともっと歌っていきたいなって思っております。本当に恵まれた幸せ者の倖田來未なので、結婚したり、子供が出来たり、いろいろ環境は変わりましたけれど、こうやってみんなの笑顔を見れること、すごく嬉しく思っております。またライブでお会いできる日を楽しみにしてます。
おっきい夢を持った皆さんに、最後にこの曲を歌いたいと思います。聴いてください、「walk」」。人生初のワンマンライブから今日までライブの最後を飾ってきた名曲、何度も自分とそのファンの心を前に向かわせてきた人生の歌を、時に涙ぐみながら「また歩き出す また唄いだす」と、真っ直ぐに前だけを見つめながら「悲しみながら 喜びながら 進むべき道は ひとつだから」と、全身全霊で歌いきる。そして、天井から伸びる一本の布に足をかけ、そのままの状態で上空に上っていき、布にくるまった次の瞬間、まるでサナギからかえった蝶のように空を舞う彼女。その命懸けのパフォーマンスの美しさには、倖田來未が倖田來未らしくあろうとした意思そのものを感じた。
私は私らしく、あなたはあなたらしく
自分を信じて
WALK OF MY LIFE
WALK OF YOUR LIFE
そんな人生の集大成のようなツアーを形にしてみせた倖田來未だが、彼女のストーリーはここからが面白い。前述したインタビューで「今の倖田來未がどれだけ海外で通用するのか確かめに行きたい」と言っていた通り、7月に海外公演を敢行。8月には自身プロデュースのライブイベント【a-nation island ~Koda Kumi 15th Anniversary Premium Live ~】を国立代々木競技場第一体育館にて開催と、攻撃の手を一切緩めることのない倖田來未に振り落とされず、そのストーリーに注目してほしい。
取材&テキスト:平賀哲雄
◎ツアー【Koda Kumi Asia Live 2015】
07月11日(土)台湾/台北・SHOWBOX文創立方
07月12日(日)台湾/台北・SHOWBOX文創立方
07月18日(土)シンガポール/SCAPE The Ground Theatre
◎イベント【a-nation island ~Koda Kumi 15th Anniversary Premium Live ~】
08月02日(日)国立代々木競技場第一体育館
出演:倖田來未、Sean Paul、AK-69、Blistah、DJ HASEBE、TEEDA、Zeebra、SHOW、LISA、KM-MARKIT
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