2015/05/08 15:00
avex初のアイドル専門レーベル iDOL Streetの第1弾グループにして、同レーベルのトップランカーであるSUPER☆GiRLSの全メンバーを個別にインタビューしていくこの連載も6回目。今回は昨年加入した新メンバーの1人で最年少の内村莉彩だ。
仙台を代表するアイドルグループ Party Rocketsから電撃移籍した渡邉幸愛と、生粋のドルヲタとして加入前からアイストファンの間で有名人になっていた浅川梨奈。強烈なキャラクターに挟まれる形で加入した当時13歳の少女は、周囲との距離感がつかめず、前に出られない自身の性格にも引きずられて考えこむ時期が続いていたという。
そんな彼女がメンバーと打ち解け、「大人になった」と笑顔になるまでの間には、どのような苦悩や経験があったのか。そしてナポレオンの名言に学び、今も週5でレッスンに通う彼女は、アイドルとしてファンに何を伝えていきたいのか。「ステージは夢を見せる場所」と胸を張る脅威の14歳。多くのアイドルファンに見つけて欲しい逸材が、ここにもいました。
<ナポレオンのリーダー論が好き “人はその制服どおりの人間になる”>
--最年長の志村さんと最年少の内村さんは8歳差。個々の活動も目立ってきたスパガの中で、内村さんはどのような立ち位置なのでしょうか。
内村莉彩:なかなかつかめない部分はありましたね。スパガに入った当初はメンバーやスタッフさんとの距離感がつかめなくて、物事に対して否定から入ったり、反抗的な態度になってしまったりと、周囲に迷惑をかけましたし……。でも、日を重ねるごとにメンバーとの距離感はわかってきましたし、自分の立ち位置や意志みたいな物が見えてくるようになってきましたね。
--その意志というのは?
内村莉彩:例えば話し合いをする時って、まとめ役がいますよね? 私は仕切れと言われれば仕切ることができるんですけど、もっと上手くやれる人がいるなら一歩引こうと思っちゃうタイプなんですよ。その代わり、周囲に目を向けてひっそりしてるというか(笑)。前に出ていけない性格は今後の課題だと思っているんですけど、だからといってガツガツいくだけではないんじゃないかとも思っています。そういう得手不得手が個性なんだと思いますので、誰もが無理してガツガツいく必要もないのかなって。
--参考にしている人や目標は?
内村莉彩:あんまり居ないんですけど……、名言とかをよく見てます(笑)。ナポレオンのリーダー論が好きで、“人はその制服どおりの人間になる”って言葉を見て「その通りだな!」って。例えば最初は頼りないキャプテンだったとしても、周囲から言われ続けることで自覚やプレッシャーを感じながら成長して、本当のキャプテンになっていく、とか。私はこの1年で、周囲から「幼くなった」ってよく言われるんですよ、「ウッチー、最近子どもっぽくなったよね?」って。それも私がスパガで“最年少”という制服を背負ってきたからこそなのかなって。
<想像の中で創り上げるのが本当に好き 「漫画もちょっと苦手なんです」>
--な、なるほど……。そういえば内村さんは趣味が読書で、乙一、山田悠介、湊かなえといった作家を好んでいるそうですね。
内村莉彩:グロテスクな内容が好きで……(笑)。ハッピーエンドって現実にあるじゃないですか? 私は夢を見たくて、現実じゃないものを体験するというか、非現実に行きたいんです! そうやって想像するのが好きなので、実写化されると苦手になっちゃうんですよ(笑)。想像の中で創り上げるのが本当に好きなので、漫画もちょっと苦手なんです。
--漫画が?
内村莉彩:絵が描いてあるからです! 自分の中で想像して創り上げるのが好きだから、そこに答えがあるのがダメなんです。自分の中でその人柄から顔つきまで創り上げていくから、絵で決められちゃうと「違うんだよなー……」ってなっちゃうんですよ!(笑)
--先ほどセンターの話が出てきましたが、ご自身がスパガでセンターになりたいと思いますか?
内村莉彩:機会があるならなりたいですし、そうなれるようにやっています! でも、他のメンバーがセンターになってスパガが良くなるのであれば、私が無理矢理なる必要はないと思います。もちろん自分が目立つことは大切ですけど、今はスパガとしてやっていますし、スパガが売れることが最優先だと思っているので、スパガが一番良く見えるフォーメーション、センターを決めるべきだと思います。
--では、今スパガが売れるためにセンターになるべき存在は誰だと思いますか?
内村莉彩:ん~……、やっぱりあみたさんか幸愛だと思うんですけど、あみたさんはずっとセンターを担当しているので存在感がありますよね。でも新しく変わっていく中で、幸愛がセンターになってみたらどうなるのか。どれが正しいかはわからないですけど、やってみなきゃわからないから難しいですよね。
<強烈な2人に挟まれる中で 「どうして私が選ばれたんだろう?」>
--今のSUPER☆GiRLSは挑戦が必要な時期だと思いますか?
内村莉彩:第2章になって1年やってきての現状が今ですから、それがダメなら試行錯誤していくべきだと思います。
--今のチームに足りない物があるとしたら?
内村莉彩:必死感と、受け入れるということ。例えば新たな企画を提案された時、否定から入るメンバーが多いんですよ。そこで一度受け入れれば楽になるのに……というか、やってみなきゃわからないのに、自分の価値観やこれまでの経験だけで判断しちゃうから、こじれて前に進まないのかなって。
生まれも育ちも年齢も全然違うから、考え方はみんな違う。だからこそ一度受け入れて、その中での疑問や不安があれば解消していくことの方が重要だと思うんですよ! 否定から入るのではなく受け入れる。それが足りない部分なのかなって。
--昨年、Party Rocketsの元リーダーが移籍する形で加入した幸愛さんと、古くからアイストヲタとして有名な存在だった浅川さんに挟まれる形で加入した当時の心境は?
内村莉彩:キャラが確立している2人の間での不安、「どうして私が選ばれたんだろう?」「私って何なんだろう?」ってズルズル引きずっていた時期はありますね。性格上、周囲に相談することができなかったんですけど、それこそ受け入れる他なくて、キャラが確立してないなら今後はどうしていくべきか。それを受け入れて考えるようになってからは少し楽になりましたね。周囲とも少しずつ話すようになりましたし、メンバーと打ち解けることができて、色んな経験をしていくことで大人になっていったんだと思うんですよ。
--僕は今年1月にあったスパガのワンマンで、内村さんの印象がガラリと変わりました。ライブ中にステージ下でスチール撮影をしていたのですが、内村さんはどれだけレンズを向けていても、絶対にこちらに目線を寄せてこないですよね?
内村莉彩:見ないです!
--しかもその目が凄く良くて、アイドルらしい可愛らしさがありながら、瞳の奥が燃えたぎっていたように見えて。
内村莉彩:ありがとうございます! ステージは夢を見せる場所だと思っているので、カメラに目線を送ることでファンの方に現実を見せたくないんですよ。ムービーカメラに手を振ったりしなきゃいけない時もあると思うんですけど、「あ、カメラがあるからスマイルしてるのか」って現実感が増すのが嫌なんです。私は単純に楽しいし、お客さんに歌を、歌詞を届けたいので。
<今も週5でレッスンする理由 「片時も目を離して欲しくない」>
--ファンに夢の時間を楽しんで欲しい?
内村莉彩:はい。現実って大変なことも多いと思うので、ファンの方がその瞬間だけでも夢を見て楽しめる、その楽しみのために日々をがんばろうと思えるような世界にしたくて、ライブに臨んでますね。片時も目を離して欲しくないくらいの勢いです!
--ステージ上では、創り上げたアイドルを体現するような感覚?
内村莉彩:歌っている時は歌詞に入り込みます。ただ、完璧にアイドルすぎても遠い存在になってしまいますし、たまに垣間見れる素の部分が嬉しいって感覚は私にもあるので、MCでは自分を見せた方が良いのかなって。私は思いつきでできるタイプじゃないので、考えて考えてじゃないとできないんですよ。だからアドリブがきかないんです(笑)。
--レッスンもけっこうやってますよね? 内村さんのSNSを見ていても、1人で練習していることが多いような。
内村莉彩:週5で練習してます!
--昔、宮崎に住んでいた頃、片道5時間をかけてレッスンに通ってたっていうのは?
内村莉彩:行ってました! しかも予約制のバスで通っていたので、けっこう大変でした(笑)。でも、とにかくがむしゃらにやるしかなかったので苦痛じゃなかったですし、むしろ自分が成長していくことが楽しかったです。
--凄いな……。そんな内村さんの理想というのは?
内村莉彩:アイドルって必ずしも歌やダンスができなければいけない訳ではないと思うんですけど、できた方がよりお客さんに伝えられる。例えばダンスも振付師の方が考える世界観があってその動きになっている訳だから、完璧に踊りこなせないとその世界観を伝えられないと思うんですよ。それに成長を見せていくことで「あ、がんばってるんだな。自分もがんばろう!」って思ってもらえる存在になれると思うので、理想は常に成長し続ける人でありたいです。些細な成長でも続けられたらいいなって!
撮影:杉岡祐樹
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