2015/03/31
2015年1月期クールの連続ドラマも、そのほとんどがフィナーレを迎え、テレビ朝日『相棒season13』、日本テレビ『○○妻』は、衝撃の結末で視聴者を驚かせてくれたが、“テレビ離れ”が叫ばれる事にも慣れてきてしまった昨今。テレビドラマも視聴率は低迷を続けているが、起用されてきたドラマの主題歌たちはドラマのタイアップ効果はあったのか? なかったのか? ビルボードジャパンの総合楽曲チャート「Billboard JAPAN Hot100」でどのようなチャートアクションを見せていたのか、切り取ってみたい。
前の記事ではフジテレビ『デート~恋とはどんなものかしら~』や日本テレビ『○○妻』など月曜~水曜のドラマについて紹介。後編では木曜~日曜の主題歌たちを見てみよう。
◎【ドラマ主題歌チャートアクション総まとめ】衝撃ラストだらけの1~3月期 椎名林檎、SMAP、chayとタイアップ効果はあったのか?前編
http://bit.ly/1NtzIvV
<木曜日>
テレビ朝日『出入禁止(デキン)の女』
主題歌: lecca「live again」(チャートイン記録無)
NHK総合『風の峠~銀漢の賦』
主題歌:泉谷しげる「漢(オトコ)ありて」(チャートイン記録無)
テレビ朝日『DOCTORS 3 最強の名医』
主題歌: コブクロ「奇跡」(最高3位)
TBS『美しき罠~残花繚乱~』
主題歌: 安田レイ「恋詩」(最高22位)
フジテレビ『問題のあるレストラン』
主題歌: きゃりーぱみゅぱみゅ「もんだいガール」(最高2位)
日本テレビ『五つ星ツーリスト~最高の旅、ご案内します!!』
主題歌:MYNAME「Stop the time」(チャートイン記録無)
木曜で最も視聴率を記録したのは、テレビ朝日『DOCTORS 3 最強の名医』だ。『相棒』や『ドクターX』と並ぶテレビ朝日の人気ドラマとなり、前作を上回ることはできなかったが、今期もきっちり高視聴率をマーク。主題歌は1月4日に放送されたスペシャルドラマに続きコブクロの「奇跡」が起用。どちらも共に多くのファンを持つコンテンツとあって楽曲は最高3位を記録。コブクロもドラマだけでなく、映画にCMとタイアップが続いており、相互に良い影響を与えている。
テレビ朝日でも残念な結果となってしまったのが『出入禁止(デキン)の女』だろうか。こちらは『科捜研の女』、『京都地検の女』など数々のヒットシリーズが並ぶ木曜ミステリー枠の新作で、観月ありさの24年連続で連ドラ主演記録を達成した作品とあって話題性もあったが、視聴率は1ケタに。leccaによる主題歌「live again」は配信限定でリリースされるもチャートに入り込むことはできなかった。
今期で主題歌と最もリンクしたドラマとなるのがフジテレビ『問題のあるレストラン』だろうか。様々な“問題”を抱える女性たちがレストランを開くストーリーである本作。劇中でも転換となる場面できゃりーぱみゅぱみゅの歌う「もんだいガール」きっちり使用されており、観る者をワクワクとさせてくれた。最終回にはきゃりー本人が劇中のレストランに客として来店し、“CUPS”を披露。ドラマの終了と同タイミングでリリースされた本楽曲は最高2位を記録。先行配信が実施されていた為、デジタルポイントが割れてしまったが、うまくリンクし好結果を記録。
<金曜日>
テレビ東京『保育探偵25時~花咲慎一郎は眠れない!!~』
主題歌:fumika「ドアの向こうへ」(最高70位)
TBS『ウロボロス』
主題歌: 嵐「Sakura」(最高1位)
テレビ朝日『セカンド・ラブ』
主題歌:KAT-TUN「KISS KISS KISS」(最高1位)
※挿入歌: MISIA「白い季節」(最高31位)
テレビ東京『怪奇恋愛作戦』
主題歌:OP曲 女王蜂「ヴィーナス」(チャートイン記録無)
主題歌:ED曲 電気グルーヴ「Fallin' Down」(最高48位)
テレビ東京『山田孝之の東京都北区赤羽』
主題歌:OP曲 スチャダラパー「中庸平凡パンチ」(チャートイン記録無)
主題歌:ED曲 山田孝之「TOKYO NORTH SIDE」(チャートイン記録無)
金曜日ではテレビ東京『保育探偵25時~花咲慎一郎は眠れない!!~』が今期のワースト視聴率を記録。主題歌に起用されたfumika「ドアの向こうへ」はチャート自体に送り込むことは出来たが、最高70位に。アルバム収録曲の為、パッケージのセールスポイントが付かなかったことも大きな要因で、番組の低調が悪いわけではない。
TBS『ウロボロス』には嵐が「Sakura」を主題歌として提供。嵐がどのメンバーも出演しないドラマに主題歌だけで参加するのは今回が初めて。同じジャニーズ事務所に所属する生田斗真と、生田とはフジテレビ系『花ざかりの君たちへ』以来8年ぶりの共演となった小栗旬とキャストでも話題に。脇を固める俳優陣の緩急ある演技も見応えがあったが、視聴率2ケタを記録したのは10回中、6回。主人公2人がラストに死んでしまったことも話題に。チャート結果はもちろん1位を記録。
そして、放送が2月スタートと他ドラマに比べると1か月ほど遅れてオンエアと開始したテレビ朝日『セカンド・ラブ』。主演は亀梨和也とあって、主題歌はもちろんKAT-TUNの「KISS KISS KISS」。“夜のメロドラマ”と謳われた本作ではヒロイン深田恭子とのベッドシーンも満載。後半に回復した視聴率も残念ながら最終回では落としてしまう結果になってしまうが、亀梨ファンから終了を嘆く声も多く見られ、主題歌「KISS KISS KISS」はきっちり首位を獲得している。
<土曜日>
日本テレビ『学校のカイダン』
主題歌:B'z「有頂天」(最高1位)
※挿入歌:藤原さくら「Just one girl」(チャートイン記録無)
NHK総合『限界集落株式会社』
主題歌:湘南乃風「ロード」(チャートイン記録無)
日本テレビ『お兄ちゃん、ガチャ』
挿入歌:「お兄ちゃん、ガチャ」(チャートイン記録無)
<日曜日>
NHK総合『花燃ゆ』
主題歌:無
TBS『流星ワゴン』
主題歌:サザンオールスターズ「イヤな事だらけの世の中で」(最高15位)
土曜日では日本テレビ『学校のカイダン』の主題歌B'zの「有頂天」が首位を獲得。広瀬すすが初のドラマ主演にB'zのタイアップと話題性は抜群。早口でまくしたてる神木隆之介も好評だったが、視聴率では2ケタに到達したのが、全10回中、3回。好成績とは言えないが、ラストにはキスシーンも飛出し、ネットは騒然。まだまだドラマの影響力は大きい。
NHK総合『限界集落株式会社』は湘南乃風「ロード」を主題歌にすえたが、こちらはシングル「バブル」に収録曲の為、チャートイン記録は無。また、日本テレビ『お兄ちゃん、ガチャ』からは、一度聴いたらなかなか耳から離れない繰り返しフレーズが印象的だった挿入歌「お兄ちゃん、ガチャ」が登場。主演を務めたジャニーズJr.の岸優太と宮近海斗がエンディングでダンスと歌唱と務めていたが、リリースなどは明らかとなっておらず、チャートイン記録も無。
日曜日はTBS『流星ワゴン』の主題歌にサザンオールスターズ「イヤな事だらけの世の中で」を起用。サザンとして10年ぶりのドラマ主題歌となった本楽曲だったが、アルバム『葡萄』の収録曲であった為、セールスポイントがつかず、最高15位に。
主演を務めるキャストが主題歌も担当することは多々あるが、主題歌に起用されたアーティストを積極的にドラマに関わらせるのが上手いのがフジテレビだ。最近でも『極悪がんぼ』で主題歌「喧嘩上等」を提供した氣志團は綾小路翔が本編に登場したり、ドラマ主演の尾野真千子がミュージックビデオや、ジャケット写真でコラボレーションを実施。バンドとしても久々のヒットを記録。今期の『問題のあるレストラン』でも相乗効果で、音楽メディアにも取り上げられることとなった。どちらのドラマも視聴率だけで切り取ると、好結果とは言えないが、多面的な展開を見せてくれた部分では露出は成功している。アーティストにとっても普通の主題歌提供より嬉しい結果を残す結果となった。また、フジテレビ人気番組『テラスハウス』で一躍人気を掴んだchayは、次なるステップとしてドラマ界の重要ブランド“月9”の主題歌起用され、その期待に応える結果を打ち出した。
ネットやSNSでの実況をはじめ、ユーザーはドラマの視聴方法でも様々な楽しみ方を生み出しており、リアルタイム以外のタイムシフト視聴率も指標として取り入れることができれば、ドラマタイアップの価値も変わってくるかもしれない。
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