2015/02/20 11:00
サム・スミスか、エド・シーランか…と予想されていたが、フタを空ければ、ラッパーのドレイクがぶっちぎりの首位獲得となった、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
グラミー賞関連のアーティストによるアルバムが、とにかく強い。主要3部門を受賞した、サム・スミスの『イン・ザ・ロンリー・アワー』は16万枚を突破し3位に、エド・シーランの『x(マルティプライ)』も14万枚と高セールスをマークし、続いて4位に。また、女性陣ではこの2者…というほど、昨年からシングル、アルバムチャートともにバトルを繰り広げていた、テイラー・スウィフトの『1989』と、メーガン・トレイナーの『タイトル』も、5位と6位にランクインし、絶好調だ。
また、本命であるアルバム賞を受賞した、ベックの『モーニング・フェイズ』は、先週の23位から8位へと、一気にジャンプアップしTOP10入りの返り咲きに。セールスも7万枚を突破し、初登場で記録した3位を飛び越え、リリースから1年以上が経過したいま、初のNo.1獲得なるかということも注目されている。グラミー賞のノミネート・アーティストの作品が、1枚に詰まった『グラミー・ノミニーズ』のコンピ盤も、9位に浮上し、まさにグラミー賞の効果が大きく反映された、チャート・アクションになっている。
だが、グラミー本命である今週のアルバム・チャートを制覇したのは、まったくのダークホース、ラッパー、ドレイクの新作『イフ・ユア・リーディング・ディス・イッツ・トゥ・レイト』だった。本作は、ビヨンセの5thアルバム『ビヨンセ』(2013年)のように、リリースのプロモーションも一切なく、2月12日から急遽、ダウンロードが開始された話題作。2010年のデビュー作、『サンク・ミー・レイター』から4作連続で首位獲得となったが、本作は4thアルバムとはクレジットされず、ミックスアルバム扱いになっている。
というのも、ドレイクが所属しているキャッシュ・マネー・レコードは、本作のリリースにまったく韓愈していないとのことで、正規のリリース作品として発売されたものではないとのこと。そもそも、このキャッシュマネー側と、ドレイクそしてリル・ウェイン側で金銭的な問題でのトラブルがあったようで、そういった経緯から、本作のリリースをすることで、契約満了となり、契約を解消したいという意向がみられる。そして、リリースが予定されていた新作は、自身のレコード会社から今年の秋頃リリースされるのでは、という見解に。
ビヨンセのケースもそうだったが、ドレイクの本作も、プロモーションをしなかったにもかかわらず、配信のみで初動枚数が50万枚を突破する高セールスをたたき出している。もう、大手レコード会社の手を借りなくとも、ストリーミングやSNSなどを通じて、大ヒットできる時代に移行しているのか…という、音楽業界の変化を考えさせられる結果に、こういったリリースをするアーティストが増えてくるのではないかと思う。
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