2014/09/18
創立50周年の東京バレエ団が、2001年に初演したワシーリエフ版「ドン・キ」を再演。振付家でボリショイ・バレエ伝説のダンサーでもあったウラジーミル・ワシーリエフが12年振りに来日し、ダンサー達と共に連日熱のこもったリハーサルを重ねている。
舞台はスペイン、バルセロナ。騎士道物語の読み過ぎで自分の妄想に陥ってしまったドン・キホーテ、おつきのおっちょこちょいな“太鼓腹”サンチョ・パンサ。ドン・キホーテにお姫様だと勘違いされるチャーミングな町娘キトリと、町中の人気者でキトリの恋人バジルを中心に物語は進む。バジルとの仲を邪魔するキトリの父親や、求婚者の金持ちガマーシュ役はクセのあるコミカルな役柄で物語をひっぱっていく。“カッコイイ男”代名詞の闘牛士が仲間を引き連れ、ジプシーが情熱と陰を表現。ロマン有り笑い有り騒ぎ有りのドタバタ群像劇は、沢山の魅力的なキャラクターが次々に登場し、最初から最後まで私たちの目をご機嫌にしてくれる。
東京バレエ団のプロ意識について絶大な信頼を寄せるワシーリエフが、リハーサルの中で檄を飛ばすのは、「動きのひとつひとつに意味がわかるように!」「音に合わせてキスして!」「喜びが溢れているように!」など、もっぱら演技に関することだ。「主要人物がどんなに良く踊っても、それはあるべき成功の半分でしか在りません。この舞台の全員が自分の人生を生きていることがとても重要です」。ワシーリエフの指導を吸収したダンサー達が、それぞれのキャラクターをどう表現するのか。舞台の端から端まで楽しめる舞台になりそうだ。
今回の舞台では、2001年初演時にキトリを演じたプリマ斎藤友佳里が、ワシーリエフの指名によりアシスタントとして指導。斎藤はワシーリエフの指導について「今、ロシアでもワシーリエフのように体当りなリハーサルをしてくれる教師はあまりおらず、ロシアのダンサーたちは彼の指導を夢見ている状態。でも東京バレエ団ではそれが叶います」「私はダンサー達、子供達に、この在るべき“本当の”リハーサルを1分1秒でも多く体験して欲しい。本当に幸せなことです」「彼とのエネルギッシュな空間にいることによって、みんな目が輝き出してきた」と熱を込めて語り、東京バレエ団の伝統の継承と、更なる飛躍を感じさせた。
公演は9月19日から21日まで、五反田ゆうぽうとホールにて。ボリショイ・バレエから来日するスタシュケヴィチ・ロパーティンペアが19日と21日、上野・柄本ペアは20日に出演する。text:yokano photo:Shinji Hosono
◎公演概要 東京バレエ団『ドン・キホーテ』
振付:ウラジーミル・ワシーリエフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
会場:ゆうぽうとホール(東京・五反田)
2014年9月19日(金) 19:00開演
2014年9月21日(日) 14:00開演
キトリ:アナスタシア・スタシュケヴィチ
バジル:ヴャチェスラフ・ロパーティン
2014年9月20日(土) 14:00開演
キトリ:上野水香
バジル:柄本弾
Mofe info:http://goo.gl/86a0mb
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