2014/09/05 13:10
新国立劇場2014/2015シーズンの開幕公演、ワーグナー作『パルジファル』の顔合わせとコンセプト説明が、9月4日 同劇場にて行われた。
『パルジファル』は、ワーグナーが約40年もの月日をかけて作曲した、聖槍と聖杯を巡る壮大なストーリー。斬新な舞台装置と大胆な演出で知られるハリー・クプファーが、約10年振りに新演出を手掛ける。
クプファーは、ワーグナーについて「彼は敬虔なキリスト教信者だったが、生涯において仏教についても興味を持っていた。」と切り出した。そして、本作に登場するクンドリーを例に挙げ「彼女は、キリストが十字架にかけられたことを嘲笑ったが故に、何度も呪われて辛く苦しい人生を辿っている。こういった輪廻という考え方は、仏教に基づくものであり、キリスト教では理解できないもの。ワーグナーは、キリスト教と仏教という本来、相容れない哲学をミックスし、自らの哲学を導き出した。」と話し、各役柄についての解釈や舞台装置の動きについての説明が続けられた。
本作は、なにが善で、なにが悪なのか解釈が大きく分かれる作品。クプファーは「今回の演出では、何が正しい結末かを決めることはしない。客席に対して、大きな問いかけを提示したいと思っている。」と締めくくった。飯守泰次郎オペラ芸術監督就任第一作でもある、ワーグナー『パルジファル』は、10月2日より幕を開ける。
◎舞台神聖祝祭劇『パルジファル』リヒャルト・ワーグナー作
2014年10月2日(木)、5日(日)、8日(水)、11日(土)、14日(火)
会場:新国立劇場 オペラパレス
指揮:飯守泰次郎
演出:ハリー・クプファー
More info:http://www.nntt.jac.go.jp/opera/parsifal/
撮影/提供:新国立劇場
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