2014/09/02 12:30
「When you want to say BREAKOUT!」
誰もがワクワクするフレーズに導かれ、コリーン(50代になった今もとってもチャーミング!)が満面の笑みで声を張り上げると、会場とステージはひとつになって、空気が急速に最高潮に。観客もバンドも一緒に“BREAKOUT !”と合唱。
とにかく理屈抜きで楽しい。そしてオシャレ。何度も来日し、何度も観ているはずなのに、まったくマンネリ化していない。マンネリどころか、どんどんフレッシュさを増していくスウィング・アウト・シスターの来日公演が9月1日、六本木ビルボードライブ東京で開催された。過ぎ行く夏を惜しみ、残暑の名残を肌で感じながら、2人のライヴを楽しむ夕べ。これは最高にシックで心地好い、過ぎ行く夏の大人の楽しみ方に違いない!
84年に英国のマンチェスターでスタートしたスウィング・アウト・シスター。結成当初は3人組だったが89年から2人に。実に今年は結成30周年(!)を迎えるベテランながら、常に音楽のトレンドを取り込み、キュートでヴィヴィッドなポップ・ミュージックを聴かせてくれる。
86年に冒頭の「ブレイクアウト」や「トワイライト・ワールド」がヒットし、一躍トップの座に。ポップ&シックなブルー・アイド・ソウルをベースにジャズやファンク、そしてラテンのスパイスを絶妙に効かせたキャッチーで洗練された曲の数々は、いつ聴いても気分を軽くしてれるし、思わず口ずさんでしまうメロディのオン・パレード。まさに、世紀を跨いでオシャレでハッピーな音楽を全世界に発信して来たポップ・デュオなのだ。そんな2人が、今回も僕たちの目の前で飛び切り新鮮なステージを展開しているのだから、日本のファンは本当にラッキーだ。
2人のバックをガッチリ支える5人のバンドも気心の知れたメンバーだから、安定感抜群。もしも、彼女や彼氏と2人で観に来たのなら、心底楽しめることを保証しよう。絶対にあなたたちの仲は今よりも親密に、そして“大人な”関係になれるはずだ。
毎回の“お楽しみ”の1つであるカヴァーの選曲も今回は意表をつくような展開があるから、2人のステージはいつだって目が離せない。また、必ず聴かせてくれるバラードもしっとりしていて、こんな季節には少し感傷的な気分に。シャンパンの泡のような儚さを感じながら、来年まで夏にさようなら…といった気持ちにさせてくれるから不思議だ。
もはや、音楽好きの人たちにとっては、日常生活のサウンドトラックと言っても過言でないほど、2人の音楽はみんなの毎日に浸透しているし、偶然ラジオで耳にしたメロディが実は彼女たちの曲だった…なんて体験をしている人も多いはず。
さあ、今宵はそれを確かめに2人のライヴに繰り出そう!モヤモヤした気分を“ブレイクアウト”するためにも。
PHOTO: Yuma Totsuka
◎Swing Out Sister JAPAN Tour
2014年9月1日(月)~3日(水) ビルボードライブ東京
2014年9月5日(金)~6日(土)&8日(月) ビルボードライブ大阪
Info: http://www.billboard-live.com/
2014年9月10日(水) EX THEATER ROPPONGI
Info: http://www.tv-asahi.co.jp/ex-theater/
TEXT: 安斎明定(あんざい・あきさだ)
編集者/ライター
東京生まれ、東京育ちの音楽フリーク。残暑を癒しながら秋の気配を感じる今は、南イタリアの赤ワイン『フィキモリ』を少し冷やして。
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