2014/08/12 18:30
映画『蜩ノ記』の完成報告会見が12日、東京都内で行われ、出演者の役所広司、岡田准一、堀北真希、原田美枝子、小泉堯史監督、原作者の葉室麟氏が登壇した。
本作は、葉室氏の直木賞受賞作を映画化。“生きる時間を区切られてしまったとき、残された人生をどう生きるか”というテーマの下、夫婦の愛、家族の愛、初めての恋、そして師弟の愛などを描く。
十年後の切腹という過酷な運命を背負いつつ、武士としての気高い生き方を貫く戸田秋谷を演じた役所は「このタイミングで小泉監督が手掛ける秋谷という役に出会えるとは。年を取って本当に良かった」と感慨深げにあいさつした。
秋谷を監視するために派遣されたものの、やがて秋谷の人間性に引かれていく檀野庄三郎を演じた岡田も「役所さんと師匠と弟子のような関係を築きながら臨めた2カ月で、とても幸せだった」と振り返り、「個人的には、この作品を経験した前と後では自分の役者人生に大きな違いがあると思っている」と明かした。
また役所は、本作が初共演となった岡田について「本当に歌って踊って跳ねたりしている人には見えない。最近の若者にはない硬質なものを感じた」と印象を語り、「居合の型をやるシーンでは、身体能力が本当に素晴らしかった。映画の中では僕が先生だけど、(普段は)岡田くんを見習うばかり」と絶賛した。
さらに役所は、撮影後はよく一緒に宿の風呂に入ったことも明かし「『この筋肉を鍛えるにはどうしたらいいの?』とかいろいろ聞いた。これからも肉体的な運動などいろいろと教わりたい」と笑わせた。
一方、岡田は役所について「本当に憧れの俳優さん。現場でもインタビューというか、どうやってお芝居に長年取り組まれているのか、時代劇で心掛けていることなどのお話を伺った。『心得は何ですか?』と聞いたら『破れかぶれ』、『なるようになる』と。僕はこの現場に入ったときにすごく考え過ぎてガチガチで挑んでいたので、すてきな言葉だなと撮影後にあらためて気付いた」と語った。
映画は10月4日から全国東宝系で公開。
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