2013/12/16
音楽と共にその人生を切り開き、著名な海外アーティストとのコラボレーション等も繰り広げてきた(http://bit.ly/18oU0rX)滴草由実。12月18日 4年ぶりの新アルバム『A woman's heart』をリリースするのだが、何故これだけの歳月を要したのか。本人が赤裸々に語ってくれた。
<1回、声が出なくなっちゃったので……>
約4年前、それまでの発声法をゼロに戻さなければいけない事態を強いられた彼女。その理由は「1回、声が出なくなっちゃったので……。声の新しい出し方をいろいろと試して、自分らしい歌い方に戻るまでは修行みたいな日々でしたね。プライドも何もかもぶち壊さないと前に進めない状況だったので、自分の中の固定概念やイメージも全部取っ払わなくちゃいけなくて。葛藤していました」。シンガーにとって歌声は命そのもの。それを失い、甦らせる為に要する精神力は計り知れないが、何故に彼女は歌うことを諦めず、4年前より深みのある美声を手に入れることができたのか。
<私が生きる理由は音楽だって思ったから>
「一度、歌う体力もないぐらいガリガリになっちゃって(笑)。それでボイストレーナーの先生に食事や体力作りも含めて見てもらって、ランニングもするようになったんですけど、Billboard-LIVE付近を走ることもあるんですよ。夜はライブしているのが見えるじゃないですか。そのときは本当にステージが程遠い存在だったので……Billboard-LIVEを眺めて「絶対あそこに行く」って涙浮かべがらモチベーションを上げていましたね。やっぱり「自分は生きてても仕方ない」って思っていた若い頃、音楽に救われたところがあったから。私が生きる理由は音楽だって思ったから、そこに行くしかなくて。人前でもう一度歌えるレベルになるしかなかった」
<先生と一緒にいっぱい泣きました(笑)>
そうして彼女は再び戻ってくる。「表現したいようにポンって声が出せたとき、本当に嬉しかったし、本当に気持ち良かったし、また歌うことが好きになれたし、それを実感できたときっていうのは「しあわせ!」みたいな。それでコツコツと作っていた曲を今年ハードロックカフェ東京で披露させてもたったんですけど、何年ぶりかのライブで不安もある中、いざ歌ったら「気持ち良い!」みたいな。終演後、ボイストレーナーの先生と一緒にいっぱい泣きました(笑)。あと、音楽業界が大変な最中に、個性とか、自分の新しい世界観を詰め込んだアルバムを出させてもらえるのも嬉しい。感謝しかないです」
<普通の良い曲より「こんな音楽もありますよ」と提案できるもの>
なお、新アルバム『A woman's heart』は、滴草由実にとってはもちろん、今のシーンにおいても稀有な作品となった。「疲れずに心地良く聴いてもらえるアルバムにしたくて、歌詞もメロディーもサウンドもそこをすごく重視しました。あとは、どうせ作るなら無難な“普通の良い曲”より“今、無いもの”を作りたいなって。こっちから「こんな音楽もありますよ」って提案できるような作品を聴いてもらったほうが、聴くほうも面白いだろうし、発見できるだろうし、「あ、こういう音楽もあるんじゃん!」って楽しさを知ってもらえるかなと思って」。
滴草由実は、4年の歳月をかけてシンガーとしてはもちろん、音楽家としての感性も研ぎ澄まし、リスタートと同時に音楽シーン/リスナーへの提案とも言える、新しい音楽を今作に詰め込んだ。「枠っていうのは、もう要らない。もっとワクワクするもの。だから今作には、今までになかった挑発的な曲だったり、映画音楽みたいな「I don't cry」があったり、面白い音楽ばかり―――」 苦悩の日々をすべて音楽への愛情に変換。彼女にもう恐れるものはない。
取材&テキスト:平賀哲雄
◎アルバム『A woman's heart』
2013/12/18 RELEASE
VNCM-9020 3,150円(tax in.)
収録曲:
01.I don't Love You
02.A woman's heart
03.Why?
04.Y.O.L.O
05.~change~ interlude
06.feel
07.The End
08.I don't cry
09.Dreaming
10.アルバム
11.Love Tactics
12.Move it
13.約束
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