2011/02/02 00:00
LUTHER DICKINSONによるとNORTH MISSISSIPPI ALLSTARSの新作『KEYS TO THE KINGDOM』は、彼の人生の最悪の時期がきっかけになっているものの、「いろいろな意味で作るのがいちばん簡単だったレコード」だったという。
DICKINSONはグループの3年ぶりのスタジオ・アルバムのほとんどのマテリアルを、2009年夏に父親のJIM DICKINSON(伝説的なプロデューサーでソングライター兼アーティスト)がメンフィスの病院で死にかけているときに思いついた。「あの夏はきつかった」と同時期に妻が現在15ヶ月になる女の子を妊娠していたDICKINSONは言う。「今まででもっともきつい人生経験だった。歌は、正直言って勝手に生まれてきたんだ。僕の感情的・精神的プロセスは、彼が死んでもいないうちから打撃に対処していたんだと思う。そして、ものを作る人間として、それが自然に出てきたんだ」
「こんなに生々しくて残酷なほど誠実なレコードを作ろうと計画していたわけじゃなく、歌がどんどん出てきただけさ。素晴らしい状況だったよ。その理由はまったく素晴らしくはなかったけどね」。DICKINSONと兄弟でドラマーのCODYは2/1に発売される『KEYS TO THE KINGDOM』を父親に直接捧げるものとして、悲嘆というよりは祝祭的にしようとした。
「彼は僕たちに間違いなくそういうものを遺していた。自分の葬式で読んでもらいたい文章も書いていた。『私は死を祭り上げることを拒絶する。音楽が残っている限り、私はそこにずっといるからだ。ただ死ぬだけで、いなくなるわけではない』って。そういうことを人々がこのアルバムで感じてくれたらいいな」
リスナーはアルバム唯一のカバーであるBOB DYLANの「STUCK INSIDE OF MOBILE WITH THE MEMPHIS BLUES AGAIN」にJIM DICKINSONの片鱗を感じることだろう。「彼は話すことができなかったけど、ベッドのそばに置いたメモに書くことで僕たちとコミュニケーションしていたんだ。彼がこの曲をワンコードのヒル・カントリー風にやるアイデアを出してくれたんだ。『すごいアイデアだね。やってみるよ』と応えた。時間はかかったけど、ついにまとめ上げたよ。彼は最後までずっとクリエイティブだったんだ」
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