2025年の年間Billboard JAPAN UGCソングチャート“Top User Generated Songs”で、DECO*27「モニタリング」が1位に輝いた。

　本チャートは「踊ってみた」動画など、YouTubeで公開されているユーザー生成コンテンツ（UGC）のみを集計したチャートだ。昨年11月22日に公開された「モニタリング」は、今年1月中旬からじわじわと注目を集め、2月5日公開チャートで1位を獲得後、集計期間中に計26回トップに立った。左目に眼帯を付けた印象的なサムネイルを使って、キャラクターを使ったカバー動画がたくさんあがっており、ローレン・イロアスの「歌ってみた」は1520万回、ましろは515万回、まふまふは250万回以上再生数されている。9月5日に公開された初音ミクをフィーチャーした“Best Friend Remix”は2,330万回も再生されており、1年を通して本曲に触れるユーザーが多いことが想像できる。

　上半期3位から年間2位へと順位を上げたのは弌誠「モエチャッカファイア」。両手の人差し指と親指でハートマークを作ったサムネイル、ミュージック・ビデオのイラストを真似るようにメイド服で低音ボイスの早口ヴァースを口パクし、どこか冷めた印象で萌え萌えハートなどをする動画がヒットし、こちらもたくさんの投稿がされた。

　3位はCreepy Nuts「オトノケ」、4位のロゼ＆ブルーノ・マーズ「APT.」も楽曲ヒットに加え、UGCらしさが爆発。アニメ『ダンダダン』のオープニング曲である前者は、R-指定の難易度の高いラップ、小刻みなビートに合わせた切り替えにユーザーのセンスが光る。世界的にヒットした「APT.」は、代名詞でもあるピンクの背景と雷を使って、MVを真似たり、動物がロゼとブルーノに扮したりしている投稿が相次いだ。高速な前者に比べ、後者は比較的単調なリズムなため、「踊ってみた」に挑戦しやすい点もユーザーの二次創作を後押ししたとも考えられる。

　5位のKanaria「KING」は5年前の2020年8月、6位のGiga「Beyond the way」は2023年12月公開と、集計期間より前に発表されたロングヒット曲だ。続くサカナクション「怪獣」も「歌ってみた」動画の再生回数が多い。ブレスのタイミングが非常に難しいながら、“歌いがいのある”楽曲として、ユーザーたちの興味を惹きつけた。『紅白歌合戦』での演奏後にどんな広がりを見せるか、その動向にも注目したい。そして、今年9月発表曲の米津玄師「IRIS OUT」が早くもトップ20入り。その勢いの高さが見て取れる。

　トップ20のうち、公式ミュージック・ビデオで本人が顔出ししているものは、「オトノケ」、「APT.」、「怪獣」、CUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか？」、Mrs. GREEN APPLE「ライラック」の5つ。ボカロやアニメ関連動画も多くありながら、乗りやすいメロディー、歌ってみたいと思わせるような難易度の高い楽曲が上位にいることから、今後もジャンルを横断するバラエティ豊かな楽曲がヒットしていくことだろう。

Text by Mariko Ikitake
※「VOCALOID(ボーカロイド)」および「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標です。

◎DECO*27
皆さんにたくさん楽しんでいただけて嬉しいです。
ありがとうございます!
ミクも僕も大変喜んでおります。

【Billboard JAPAN Top User Generated Songs of the Year 2025】トップ20
1位「モニタリング」DECO*27
2位「モエチャッカファイア」弌誠
3位「オトノケ」Creepy Nuts
4位「APT.」ロゼ＆ブルーノ・マーズ
5位「KING」Kanaria
6位「Beyond the way」Giga
7位「怪獣」サカナクション
8位「S.C.R.E.A.M (feat. RainyBlueBell)」DYES IWASAKI
9位「神っぽいな」ピノキオピー
10位「かわいいだけじゃだめですか？」CUTIE STREET
11位「ライラック」Mrs. GREEN APPLE
12位「Bunny Girl」AKASAKI
13位「UNDEAD」YOASOBI
14位「きょういくばんぐみのテーマ」やみの おねえさん
15位「やきいもグーチーパー」いっちー&なる（ボンボンアカデミー）
16位「Overdose」なとり
17位「ヴァンパイア」DECO*27
18位「アイドル」YOASOBI
19位「IRIS OUT」米津玄師
20位「酔いどれ知らず」Kanaria

集計期間：2024年11月25日（月）～2025年11月23日（日）