今週の米ビルボード・アルバム・チャートは、レディー・ガガのニュー・アルバム『メイヘム』が1位に初登場。7位には、BLACKPINKのジェニーによるソロ・デビュー・アルバム『ルビー』がランクインした。

　『メイヘム』は、2020年5月にリリースされた前作『クロマティカ』から約5年ぶり、7枚目のスタジオ・アルバムで、アルバム・チャート“Billboard 200”では以下に続く7作目の首位獲得、通算11作目のTOP10入りを果たした。

・『ザ・フェイム』（2008年／最高2位）
・『ザ・モンスター』（2009年／最高5位）※リイシュー・アルバム
・『ザ・リミックス』（2010年／最高6位）※リミックス・アルバム
・『ボーン・ディス・ウェイ』（2011年／最高1位）
・『アートポップ』（2013年／最高1位）
・『チーク・トゥ・チーク with トニー・ベネット』（2014年／最高1位）
・『ジョアン』（2016年／最高1位）
・『アリー/スター誕生』（2018年／最高1位）※サウンドトラック
・『クロマティカ』（2020年／最高1位）
・『ラヴ・フォー・セール with トニー・ベネット』（2021年／最高8位）
・『メイヘム』（2025年／最高1位）

　『メイヘム』の初動ユニットは219,000で、その内訳はアルバム・セールスが136,000、ストリーミングによるアルバム・ユニット（SEA）が80,500、トラックによるアルバム・ユニット（TEA）は2,500だった。

　女性アーティストの週間ユニット数としては、2024年9月7日付でサブリナ・カーペンターの『ショート・アンド・スウィート』が打ち出した362,000以来、過去6か月間の最高記録で、2025年では現時点での最高記録となる。

　初週のストリーミング再生回数は1億314万回を記録して、ストリーミング・アルバム・チャートでも1位に初登場。週間再生回数の自己最高記録も更新した。また、今週の最高売上枚数を記録して、アルバム・セールス・チャートでも1位に初登場している。

　『メイヘム』は、2025年1月27日にリリースの告知と予約が始まり、3月7日にリリースされた。アルバムのリリースまでには、以下の3曲がソング・チャート“Hot 100”でTOP40入りしている。

※（）は現時点での最高位
・「ディジーズ」（2024年11月／最高27位）
・「ダイ・ウィズ・ア・スマイル with ブルーノ・マーズ」（2025年1月／最高1位）
・「アブラカダブラ」（2025年2月／最高13位）

　また、アルバムのリリースまでには以下のメディア、イベント等で様々なプロモーションがされている（現地時間）。

・2025年1月30日：LA山火事チャリティー・コンサート【FireAid】出演
・2025年2月2日：【第67回グラミー賞授賞式】出演、パフォーマンス
・2025年2月13日：人気YouTubeシリーズ『Hot Ones』出演
・2025年2月16日：米NBC『サタデー・ナイト・ライブ』50周年記念コンサート出演
・2025年2月19日：米バニティ・フェアのウソ発見器テスト動画シリーズ『Vanity Fair』出演
・2025年3月5日：Apple Musicのゼイン・ロウによるインタビュー出演
・2025年3月6日：Spotify主催【Little Monsters Press Conference】出演
・2025年3月8日：米NBC『サタデー・ナイト・ライブ』で「アブラカダブラ」と「キラー」をパフォーマンス

　今後の主要ライブのスケジュールは、以下の通りとなっている。

・2025年4月11日、18日：【コーチェラ2025】ヘッドライナーでの出演
・2025年4月26日、27日：メキシコ・シティ公演
・2025年5月3日：リオデジャネイロでの無料コンサート【Mayhem on the Beach】出演
・2025年5月18日、19日、21日、24日：シンガポール公演

　高セールスを記録した『メイヘム』は、サイン付き、ボーナス・トラックの「キャント・ストップ・ザ・ハイ」を収録したもの、「キル・フォー・ラヴ」を収録したTarget限定版を含むアナログ盤が14種類、サイン付き、「キル・フォー・ラヴ」を収録したTarget限定版、「キャント・ストップ・ザ・ハイ」を収録した公式サイト限定版を含むCDが4種類、CDとTシャツ、ポスターを封入したデラックス・ボックス・セット、カセットテープ、デジタル・ダウンロード、チャートインした上記3曲のミュージック・ビデオを収録した iTunes限定版がそれぞれリリースされている。

　初週の週間セールス136,000のうち、74,000がアナログ盤による売上枚数で、レディー・ガガにとって自己最高の週間LPセールスを記録した。

　先週1位に返り咲いたケンドリック・ラマーの『GNX』は、今週2位にランクダウン。週間ユニットは前週から10％減少の81,000に下降した。

　先週2位にランクインしていたドレイクとパーティネクストドアのジョイント・アルバム『$ome $exy $ongs 4 U』（79,000ユニット／前週比13％減少）は、今週3位にワンランクダウンして、シザの『SOS』（69,000ユニット／前週比7％減少）は4位をキープ。テイト・マクレーの『ソー・クロース・トゥー・ワット』（63,000ユニット／前週比27％減少）は3位から5位、サブリナ・カーペンターの『ショート・アンド・スウィート』（61,000ユニット／前週比5％減少）は5位から6位に順位を下げた。

　続いて今週7位には、BLACKPINKのジェニーによるソロ・デビュー・アルバム『ルビー』が初登場。初動ユニットは56,000で、その内訳はアルバム・セールスが26,500（アルバム・セールス・チャートで2位に初登場）、ストリーミングによるアルバム・ユニット（SEA）が29,000（3,993万回）、トラックによるアルバム・ユニット（TEA）は500だった。

　『ルビー』からは、「Mantra」、「Love Hangover feat. ドミニク・ファイク」、「ExtraL feat. ドーチー」の3曲がソング・チャート“Hot 100”にランクインして、アルバムの話題性を高めている。

　『ルビー』は、全9曲を収録したデジタル・ダウンロードがリリースされた後、全15曲収録のデジタル・ダウンロードとストリーミング、フィジカルがそれぞれリリースされた。9曲を収録した通常版と15曲を収録したフィジカル・アルバムに参加したゲストは「Jane」のFKJのみだが、15曲を収録したデジタル・ダウンロードとストリーミングには、上記2組の他、デュア・リパやチャイルディッシュ・ガンビーノ、カリ・ウチス等の人気アーティストがクレジットされている。

　『ルビー』は、エフェメラ（一部ランダム）を含む4種類のCD、CDやグッズが封入された5種類のデラックス・ボックス・セット、9曲収録の通常版と15曲収録のデラックス版によるデジタル・ダウンロードがリリースされたことで、売上を増加させた。

　ジェニーがメンバーとして所属するBLACKPINKとしては、これまで『The Album』（2020年／最高2位）、『BORN PINK』（2022年／最高1位）の2作がTOP10入りしていて、ソロとしては2024年12月21日付で3位にデビューしたロゼのソロ・デビュー・アルバム『ロージー』、先週（2025年3月15日付）で同7位にデビューしたリサの『オルター・エゴ』に続く3組目のランクインとなる。

　以下、バッド・バニーの『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』（52,000ユニット／前週比8％減少）は先週の6位から今週8位に順位を下げて、モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』（43,000ユニット／前週比3％増加）は9位をキープ。チャペル・ローンの『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』（42,000ユニット／前週比1％減少）は8位から10位にランクダウンした。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは3月21日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『メイヘム』レディー・ガガ
2位『GNX』ケンドリック・ラマー
3位『$ome $exy $ongs 4 U』ドレイク＆パーティネクストドア
4位『SOS』シザ
5位『ソー・クロース・トゥー・ワット』テイト・マクレー
6位『ショート・アンド・スウィート』サブリナ・カーペンター
7位『ルビー』ジェニー
8位『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』バッド・バニー
9位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
10位『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』チャペル・ローン