2013/08/21
エール、パルプ、オノ・ヨーコなどのMVを手掛けたことで知られる映像作家のマイク・ミルズが、日本人の15人に1人がかかっているともいわれる「うつ病」を密着取材したドキュメンタリー『マイク・ミルズのうつの話』が、10月に公開される。
2000年まで精神科周辺以外ではめったに聞かれなかった「うつ」という言葉。なぜ、この短期間で「うつ」は爆発的に広まったのか。その理由のひとつに製薬会社によって行われた「心の風邪をひいていませんか?」という広告キャンペーンがあると考えたマイク・ミルズは、そのを実態を探究するドキュメンタリーを制作しようと考えた。
15人に1人が「うつ病」かかっているともいわれる日本を舞台に、抗うつ剤を飲んでいること、そして日常生活をありのままに撮らせてくれることを条件に、うつ患者たちの壮絶な日常を、独特の優しく明るい目線で捉えることで、この現代を象徴する病気に対する処方箋を調合するとともに、今の日本社会の問題点も鮮やかに描き出している。
本作は、2013年10月下旬より渋谷アップリンクを始め、全国にて順次公開される。
病んでいるのではない、ふつうに生きて暮らしている
「うつ」の人たちの息づかいが聞こえてくる。
(精神科医 香山リカ)
マイク・ミルズはただのお洒落な映像作家ではなく
伝統的なアメリカのドキュメンタリーのスピリットを持っているんだ
(友人・写真家 ホンマタカシ)
「♪俺の周りは欝ばかり~」と思わず裕也さんばりに歌いたくなるぐらい、心を病んだサブカル中年が多いわけですけれど、この映画を見たら今度は「♪俺には 抗鬱剤なんかいらない~」と歌いたくなりました。ただ、それには「♪俺の周りが抗鬱剤だから~」ってことになればいいんでしょうけど、そういう状況じゃないから病むんだろうしなあ……。
(吉田豪)
普通の人々がうつから抜けようと格闘する姿を現在進行形で描いた作品は初めてではないか。マイクの反骨精神と粘り強さに、脱帽!
(「TV Bros」10年12月号掲載のコラムより抜粋)
(エディター 川勝正幸)
◎作品情報
『マイク・ミルズのうつの話』
監督:マイク・ミルズ
撮影:ジェイムズ・フローナ、D.J.ハーダー 編集:アンドリュー・ディックラー
制作:カラム・グリーン、マイク・ミルズ、保田卓夫
出演:タケトシ、ミカ、ケン、カヨコ、ダイスケ
2013年10月下旬、渋谷アップリンク他全国順次公開
関連記事
最新News
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像