2025/01/10 18:00
元気をもらうためにGARNiDELiAのライブに行こうと思うリスナーは少なくないだろう。この安心感が愛おしい。天真爛漫なボーカルのMARiAと、そんな彼女を後ろから見守るコンポーザーのtoku。音楽のみならず、二人の人柄に惹かれて、また彼らのステージへと足を踏み入れる。
2024年のデビュー10周年を記念したワールドツアー【GARNiDELiA 10th anniversary stellacage tour 2024 -Link The World-】。中華圏を中心に、約30都市を駆け巡り、揺らぐことのない“強さ”をまとったGARNiDELiAが、ツアーファイナルとして2024年12月27日、東京・EX THEATER ROPPONGIに降り立った。
ダークチェンジしたステージで、後光が差すかのようにスポットライトを背負いMARiAが「TEN」を歌い始める。ライブは、10年間の光と影を内包した力感あふれる演出からスタート。前半は、躍動感のあるEDMチューンを中心に構成されていた印象を受けた。激しく行き交う照明、バックダンサー二人とMARiAのダンスのユニゾンが相まって、本格的なダンスショーのような展開に、息をのむ瞬間の連続だ。「Diamond」では3人がサウンドに合わせて一糸乱れぬ動きを披露する。その緻密な振り付けは、楽曲のきらびやかな世界観と完全に一致していて、視線を釘付けにして離さない。心の奥まで確実に届く歌声が絡み合い、視覚と聴覚の両方を通じて実体のない音楽の感情がダイレクトに伝わってくる「Poppin' Trip」。歌にとどまらず、多面的な角度から自分自身の最大の美しさを鋭利的に魅せることのできるMARiAの努力の結晶が表れている。歌とダンスがセットの「見る音楽」はそこにあった。
圧倒的な声量が響き渡るデジタルロックチューン「Gravity」、その直後の「人魚姫」では、その名の通り、人魚を思わせるMARiAのモーションが目に飛び込む。ビルドアップがボルテージを急激に引き上げる「BAD BOY」で再び、フロア全体が踊りに没頭。大きな波を作るかのごとく揺れるダイナミックなステージ。今日に至るまでのGARNiDELiAの形成には、紛れもなくダンス・パフォーマンスが欠かせなかったことを、改めて強く実感するブロックだった。
tokuの軽快なピアノソロから童謡の「ねこふんじゃった」が流れると、言わずもがな「猫の城」へ。楽曲に込められた激しさ、切なさ、そして甘さが、この日はひときわ鮮烈に浮かび上がっていて、そこから10年間の目まぐるしい感情の軌跡が鮮明に焼き付けられているように感じられたのも忘れられない。湧き上がる客席の声、フロアの熱が急上昇した「Lamb.」「幻愛遊戯」の先。バラードナンバー「Love Life Logic」「タカラモノ」につながる「ワスレナグサ」は実に約6年ぶりのライブ披露となるナンバー。過去の瑞々しい輝きはそのままに、積み重ねてきた歴史も曲に上書きされていく。今だからこそ、奏でることのできる歌。なんて美しいことだろうか。
TVアニメ『Übel Blatt~ユーベルブラット~』のオープニング主題歌「罪人」が、フルバージョンで初披露されたこの夜。ライブで育つ曲への喜びを語ったMARiAの言葉が、これから始まる「罪人」の進化の一端を感じさせた。tokuが作詞した「Lucifer」から「BLAZING」への流れはシームレス。「オオカミ少女」「G.R.N.D」でも見せた二人の落ち着きと自信に満ちた表情は、世界を渡り歩いた1年の成果そのものとして映る。
この10年間でGARNiDELiAの活動が中華圏へと爆発的に広がるきっかけを作った代表曲「極楽浄土」からアンコール。デビュー10周年に行きつくまでの現実的な難しさと、そこに行きついたことへの誇りを語るtoku。MARiAは、中華圏と日本の行き来のなかで、二つの“故郷”を感じていると触れつつ、みんなが安心して帰って来られる場所を守り続けることを力強く誓った。そして、変わらない想いを歌った「Reason」。その美しさに疑いの余地はなかったが、当時よりも想いが濃厚なのは確かで、生々しく心に響いた。
「私たちとしては、GARNiDELiAという場所が、みんなにとって、いつでも安心して帰って来られるような場所でありたいなと思うんです!」MARiAの言葉を受けて、また心に小さな火が灯る。ステージを作り上げる楽曲とダンス・パフォーマンス。そのすべてを貫く一本筋の通った力強さと温かさ。それが、GARNiDELiAの音楽を、絶大な安心感のあるものにしている。
2025年には、約3年ぶりとなるMARiAのソロライブツアー【MARiA MUSIC LAND tour 2025】に、2月にリリース予定のオールタイム・ベストアルバム『GRND THE BEST PROGRESS』を携えたツアー【GARNiDELiA stellacage tour 2025 [PROGRESS]】の開催が予定されている。その足は止まらない。2025年の飛躍への期待が胸いっぱいに広がるフィナーレだった。
Text by 小町碧音
◎公演情報
【GARNiDELiA 10th anniversary stellacage tour 2024 -Link The World-】
2024年12月27日(金)東京・EX THEATER ROPPONGI
<セットリスト>
01. TEN
02. Diamond
03. Poppin' Trip
04. Gravity
05. 人魚姫
06. BAD BOY
07. 猫の城
08. Lamb.
09. 幻愛遊戯
10. Love Life Logic
11. タカラモノ
12. ワスレナグサ
13. 罪人
14. Real
15. Lucifer
16. BLAZING
17. オオカミ少女
18. G.R.N.D
Encore
01. 極楽浄土[Live Ver.]
02. Reason
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