2024/11/14 12:30
今年、開局35周年を迎えたFM802が、在阪のコンサートプロモーター・GREENSとタッグを組み、11月5日、Zepp Namba にて【FM802 35th Anniversary“Be FUNKY!!”&GREENS present JOY NT CIRCLE】を開催、当日のライブレポートが到着した。
アニバーサリーイヤーを飾る同公演は、これまでありそうでなかった、互いにリスペクトし合うアーティストの組み合わせを実現するオムニバスイベントで、阿部真央とアイナ・ジ・エンドがマッチング。FM802のDJ、田中乃絵によるMCのもと、相思相愛の2人が初対バンを果たした貴重な一夜を紹介する。
まずは田中が登壇し、イベントの説明をしつつ“今夜だけの特別なこともあるんじゃないかな~!?”と期待を高めると、バンドと、妹・REIKAも含むダンサーの計8人を引き連れるアイナのライブで幕を開ける。
1曲目の「ZOKINGDOG」から、ワンワンダンスのコールで観客を巻き込み、会場のボルテージはいっきに上昇。さらに「NaNa」、「Frail」と続け、ハスキーな低音もファルセットも自在に放って独特のあやしげなムードに。キレあるダンスも目に焼きつける。そして「私にとって阿部真央さんは恋愛の教科書」「通学時間にはいつも阿部真央さんがいました」と口にすると、高校時代にカラオケでよく歌ったという阿部の「I wanna see you」をカバー。ガーリーなボーカルでハートを飛ばせば、フロアには“かわいい!”の声が上がる。かと思えば、「家庭教師」で妖艶な一面を見せ、次は「Love Sick」など、11月27日リリースの3rdアルバム『RUBY POP』に収録するナンバーを3連続で。アッパーに歌声で突き刺したり、光を背負ってやさしい歌を届けたり、さわやかな耳心地でワイパーを発生させたり……。「RUBY POP」の到着が待ち遠しくなるばかりだ。
すると「2018年かな。阿部真央さんにラブレターを書いたんですよ。いつか一緒に音楽がやりたいですって」と明かし、「私の曲にはいろんな顔があります。情念深い曲とか、かわいい曲とか。そうやって音楽はいろんな顔を持っていていいんだよって教えてくれたのが、阿部真央さんでした。そんな尊敬する阿部真央さんに、好きって言われた曲があります。私が人生で初めて作った歌……」と、今度はスローな「きえないで」をセレクトする。はかない声は徐々に熱を帯びて強い祈りへと変化するよう。曲後にはじわじわと拍手が広がるが、ラストはライブの定番「サボテンガール」でポップかつご機嫌に。バンドの勢いあるプレイにのってアイナも舞台上を行き来し、手を振ってファンサービス。全員をとりこにして「(阿部のライブも)全力で楽しもうぜ!」と阿部にバトンをつないだ。
転換後、アイナのライブを見た田中が、「真央さんは「きえないで」の歌詞を絶賛されていまして。味のないたらこパスタ……こんな詞かける~?って、以前おっしゃってたんです」と裏話もはさみ、本人・阿部が登場。「最高でしたね、アイナちゃんのライブ。「きえないで」も私のために……ンフフ。泣いちゃいました」と愛を爆発させたうえ、どうしても! と予定外の「きえないで」をアカペラでひと節披露し、渦巻く感動とともにスタートを切る。
豊かな声量の咆哮で始まる「デッドライン」で不敵に走り出すと、ヘビーな「Hands and Dance」から、2009年にFM802 のヘビーローテーションとなった「ふりぃ」、さらに「19歳の唄」の懐かしい2曲へ。“オイ、オイ!”のコールが起き、拳も突き上がって客席は沸騰。だが、 MCとなればいつものように笑い多めで、再度アイナの話になると「出会って6年ぐらい経つのに(苗字を省いて)真央さんって呼んでくれないんだよね、LINE もだよ(笑)「とぶっちゃける。また「私が恋愛のバイブルというのはいささか不安ではございます。ぜひとも軌道修正してもらいたい(笑)」と次々軽やかにトークを展開するが、そこに続くのは「貴方の恋人になりたいのです」と「Keep Your Fire Burning」。エモーショナルな響きが胸を締めつけ、浮遊感も漂うおだやかなサウンドは包容力も十分だ。
そして後半戦は、最新アルバム『NOW』から「Somebody Else Now」と「進むために」を披露したあとにダンスチューン「immorality」でエレクトロなアクセント。「踊ってくれ、大阪!」と全力で煽り、本人も天を仰いで気分も良さげ。そこに「モットー。」、「ロンリー 」と並べて弾み、伸びやかに突き抜ければ、人々の手が頭上でヒラヒラと舞う。と、ここでバンドを送り出して1人になると、「(アイナは)ソロアーティストとしてこれからどんどん芳醇になっていくとともに、私もそうですけど、ソロならではの悩みもあるだろうなとか思うんです」と、同じソロアーティストの先輩としてアイナを気づかう。加えて「非常に繊細でやさしくて。こんなに防御がなくて大丈夫かな?って思うくらい」と自身の目に映るアイナ像を語り、「これからもアイナ・ジ・エンドを、そしてちょこっと阿部真央をよろしくお願いします(笑)」とたっぷりの思いやりとユーモアを言葉にして、最終は代表曲「ストーカーの唄~3丁目、貴方の家~」。観客と心を通わせる弾き語りにクラップも大きくなり、彼女の真骨頂を見せて全 12 曲を終えた。
しかし、冒頭の田中のヒントどおり、今夜だけのお楽しみはまだまだこれから。先に阿部がステージに姿を現すと、アイナを呼び込んで延長戦へ。アイナは「人のライブを見て久しぶりにへこみました……かっこ良すぎて」と話すと、阿部が「こちらのセリフです!」と互いをたたえ合い、さらに阿部は「めちゃかっこいい!」とワンワンダンスも。また「神々しく見えました。私もいつか尊敬されるような女性ボーカルになりたいって心から思いました」とアイナが言うと、「もうなってます。本当に天使だね。天使み、つよつよなんだよ」と阿部が返し、イチャイチャはなかなか止まらないが、お互いが一つずつ相手の曲を選んでいよいよセッションへ。
まず阿部が「残って」をチョイスしたことを発表すると、会場には悲鳴にも近い歓声が。アイナも「この曲、知ってる人の方が少ないくらい」と話し、緊張感も漂う静けさのなかで2人が熱くせつなく歌声を響かせれば、思わずだれもが立ち尽くす。オーラスは、再度バンドを迎えると、アイナが歌詞が大好きで受験の時にずっと聴いていたという阿部の曲「伝えたいこと」。軽快なロックに 2人のパワフルなボーカルでのせる前向きなメッセージは、大観衆の背中を押して晴れやかにゴールにたどり着き、最後はビッグスマイルで手をつないで高く掲げ、約3時間におよぶ阿部とアイナによる初の対バンライブは大成功で幕を閉じた。
なお、本イベントの一部は11月14日にFM802『EVENING TAP』にて放送予定となっている。
TEXT:服田昌子
写真提供:FM802
PHOTO:ハヤシマコ
◎公演情報
【FM802 35th Anniversary“Be FUNKY!!”&GREENS present JOY NT CIRCLE】
2024年11月5日(火)大阪・Zepp Namba(OSAKA)
出演:アイナ・ジ・エンド/阿部真央
MC:田中乃絵(FM802)
◎番組情報
FM802『EVENING TAP』
毎週月曜日~木曜日 18:00-21:00
https://funky802.com/et/
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