2024/09/27
辻井伸行が、ドイツ・グラモフォンからのデビューアルバムとなる『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第29番《ハンマークラヴィーア》、遥かなる恋人に』が、2024年11月29日に全世界でデジタル配信されることが決定した。
今年4月、日本人ピアニストとしては初めて、世界最古のクラシックレーベル、ドイツ・グラモフォン(DG)との専属契約を発表した辻井。
DGでのキャリアのスタートとなる今作には、べートーヴェン作曲の「ピアノ・ソナタ 第29番《ハンマークラヴィーア》と、リスト編曲による連作歌曲集「遥かなる恋人に」が収録される。
「ハンマークラヴィーア」は、辻井が2009年のヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝した際に披露した作品で、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲中、技術的にも、頭を使う点でも、そしてその規模からしても演奏者にとって最も難しい作品の一つ。
全ての楽譜を暗譜して演奏する盲目の辻井にとって「ハンマークラヴィーア」は、すべてのピアニスト同様、弾きこなすのが実に難解な作品だったという。辻井は「長尺な曲なので、集中力を維持するのが大変でした」、「レコーディングの準備には多くの時間を費やしました。特に苦労したのは第3楽章です。音楽を自分のものにすることも含め、演奏すればするほどその深さを感じるようになりました。ベートーヴェンの境遇は、僕自身の経験と重なる部分があります。彼は聴力を失いながらも、このソナタのような素晴らしく、かつ難解な作品を残しました。だからこそ、私はベートーヴェンへの敬意を持って取り組んだのです」と語る。
もう1曲は、リストが1816年にソロピアノのために編曲した連作歌曲集「遥かなる恋人に」。レコーディングに備え、辻井は6曲の詩を音楽同様、深く掘り下げた。「詩に心打たれたのです。この表現力豊かな歌曲集と《ハンマークラヴィーア》は良い相乗効果を生むに違いないと思ったのです」と辻井は語っている。
また、ドイツ・グラモフォン社長のクレメンス・トラウトマンは、「Nobuは、コンサートの舞台に立つ時と同じ高い集中力と、ポジティブな心構えでセッションに臨みました」、「対照的なふたつの作品を、それにふさわしいかたちで演奏したいという彼の強い意志と熱意は、チーム全員に感銘を与えました。彼のすばらしい解釈を世界中のリスナーにお届けできることを嬉しく思います」とコメントしている。
なお『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第29番《ハンマークラヴィーア》、遥かなる恋人に』の国内盤CDも同タイミングで発売されることが決定。CDでの販売は世界に先駆け、日本先行発売される。国内盤CDは、高音質MQA-UHQ仕様の通常盤に加え、辻井の最新映像を収録したDVDが封入された初回限定盤の2形態で発売。全世界でのフィジカルリリースは2025年3月21日となる予定だ。
◎リリース情報
アルバム『べートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第29番《ハンマークラヴィーア》、遥かなる恋人に』
2024/11/29 DIGITAL RELEASE
2024/11/29 日本先行RELEASE
<限定盤(MQA-UHQ+DVD)>UCCG-40132 3,900円(tax in.)
<通常盤(MQA-UHQ)>UCCG-45109 3,300円(tax in.)
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