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乃木坂46、聖地・明治神宮野球場にて【真夏の全国ツアー】完遂「今年の夏、最高にキラキラしていました」

 毎年夏の恒例行事となった乃木坂46の全国ツアー【真夏の全国ツアー2024】最終公演が、9月4日に東京・明治神宮野球場で開催され、ライブレポートが到着した。

 長期にわたり日本に大きな影響をもたらした台風10号により、直前まで開催が危ぶまれた今年の神宮公演だったが、初日は快晴のもとスタート。2日目も日中に降っていた雨が奇跡的に止み、千秋楽も晴天に恵まれた中で実施された。「OVERTURE」が流れる中、スクリーンにはティアラをつけたプリンセスのドレスを纏った井上和や池田瑛紗、小川彩、遠藤さくら、賀喜遥香が映し出される。映像が終わると同時に巨大なお城のステージセットに井上がひとり登場し、「盛り上がる準備できてるのか? 神宮、いくぞーっ!」と叫ぶとライブは最新シングル「チートデイ」から勢いよくスタート。メンバーはステージや花道のみならず、巨大トロッコやフロートに乗って会場中を動き回り、大勢のファンに笑顔を向け続ける。そしてクライマックスの井上の「ごめんなさーい!」に、客席の盛り上がりは早くも最高潮に達した。続く「太陽ノック」ではアリーナ後方のサブステージで多くのメンバーがパフォーマンスする中、梅澤美波と久保史緒里がクレーンを使い、高い場所から会場を見渡しながらファンにアピール。「裸足でSummer」では遠藤が「もっともっと声出せるんじゃないですか? 神宮、駆け抜けるぞーっ!」と絶叫、曲中では観客が頭上高くタオルを掲げて一体感を作り上げる。さらに「君に叱られた」「ジコチューで行こう!」とヒットシングルが連発され、会場は熱気に包まれていった。

 最初のMCではキャプテンの梅澤が「今日は私たちのお城に遊びに来てくれてありがとうございます」と挨拶。メンバー32人がプリンセスに扮して夢の世界へ誘うことを告げると、5期生が「17分間」、4期生が「I see...」、3期生が「三番目の風」と期別楽曲を立て続けに披露する。曲中ではスクリーンに、一人ひとりの個性にちなんだ「○○プリンセス」というキャッチコピーが映し出され、ファンを魅了し続ける。特に3期生は今日でグループ加入8周年という記念すべきタイミングということもあり、曲中メンバーがひとりずつ感謝の言葉を届けると、最後に与田祐希が「これからも私たち3期生を、そして乃木坂46をよろしくお願いします!」と高らかに宣言し、観客もより一層大きなコールをステージに投げかけた。

 3曲終えると、どの期がもっともプリンセスに相応しいのかを寸劇タッチで競い合う。すると、次の曲の声援の大きさで“真の乃木坂プリンセス”を決めることが明かされ、歌詞の内容が対決の趣旨にもぴったりな「Threefold choice」を通じてさまざまな形で可愛らしさをアピール。神宮初日では5期生、2日目には4期生が“真の乃木坂プリンセス”に輝いたが、最終日は見事3期生が勝ち取って有終の美を飾った。そんなバトルを経て、最後は「Am I Loving?」でメンバー32人がそれぞれの輝きを放ちながら、互いにエールを送り合った。

 和やかなトークパートを終えると、ユニットブロックに突入する。久保や林瑠奈、奥田いろはが「設定温度」をしっとりと歌唱すると、筒井あやめを中心に伊藤理々杏、中村麗乃、吉田綾乃クリスティー、柴田柚菜が「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」を華麗なダンスを交えてエモーショナルに表現し、与田祐希、賀喜遥香、五百城茉央、小川彩という布陣でスローナンバー「ごめんね ずっと・・・」を切々と披露。さらに、懐かしい制服衣装を着た井上和&中西アルノは5期生のデビュー曲「絶望の一秒前」を、美しいハーモニーを交えながら歌い切った。

 ライブ中盤には一ノ瀬美空がさまざまな夏のイベントを妄想するVTRに続いて、浴衣姿のメンバーが「あらかじめ語られるロマンス」「ロマンティックいか焼き」「君が扇いでくれた」をメドレー形式で披露。曲中には短冊に書いた願い事を木に結んだり、祭り屋台を満喫したプロジェクションマッピングによる花火を楽しんだりという演出も用意された。その後、浴衣を脱ぎ捨てたメンバーは「自惚れビーチ」で再び熱量を高め、「ガールズルール」「ひと夏の長さより・・・」の連発で夏気分を存分に満喫した。

 ライブもいよいよ折り返し。36thシングルアンダーメンバーが「落とし物」を情熱的にパフォーマンスしたのに続いて、ダイナミックでキレのよいダンスをフィーチャーしたダンストラック、「Wilderness world」や「Actually...」といったビートの効いた楽曲を通じてグループのクールな側面を打ち出していく。そして、プロジェクションマッピングを用いてお城のステージセットをライトアップさせる演出を経て、井上の「全員声出せーっ!」を合図にパーティチューン「おひとりさま天国」で会場の盛り上がりが急加速。さらに「好きというのはロックだぜ!」「夏のFree&Easy」といったアッパーな楽曲が立て続けに披露されると、真のクライマックスへと近づいていく。

 その後、ステージ上に総勢47名におよぶオーケストラが登場し、荘厳なアレンジが施された「設定温度」を演奏する。その流れから「シンクロニシティ」に突入すると、センターの梅澤を中心にメンバーは美しいダンスと歌声でこの曲を表現。続く「僕が手を叩く方へ」では久保の呼びかけにより、オーディエンスがクラップで一体感を作り上げていった。会場が感動的な空気に包まれる中、昨年に続いて夏シングルでセンターを務める井上が「私はこのツアーで、すごく簡単なことではあるんですけど、笑って楽しむってことを目標にしていました。それが、今の私にはそれが難しいタイミングもありました。本当は去年と同じこのポジションであることがすごく怖かったです」と本音を吐露する。続けて「怖いとか言ってしまうと、言霊って言葉があるように自分がダメになってしまう気がしていたんですけど、本当に乃木坂46は温かくて、どんなときも手を差し伸べてくれる人がたくさんいて。私はそんな乃木坂46が大好きです。乃木坂46のためならなんだってできると思います。ひとりだと孤独で苦しいこともあるけど、みんなと一緒ならどこにだって行ける気がします。皆さんと過ごした今年の夏、最高に楽しかったし、最高にキラキラしていました。ありがとうございました」と告げると、「これから先もずっと乃木坂46のことが好きだって、ここにいる皆さんや配信を観ている皆さんに思ってもらえるように、精一杯頑張ります。今年の夏の思い出だったり皆さんへのありがとうの気持ち、メンバーやスタッフさんへの感謝の気持ち、いろんな思いを込めて次の曲を歌わせていただきます」と「誰かの肩」を、涙を交えながら歌唱。エンディングでは無数の花火が夜空に打ち上がり、ドラマチックな演出と井上の「1年ぶりにこの神宮に帰ってきて、私たちはまた強くなりました」という頼もしい言葉ともにライブ本編を締め括った。

 観客が”乃木坂46コール”でアンコールを求めていると、ステージに池田と小川が姿を現し、メンバーが早くステージに戻ってくるようにと一体感あるコール合戦を繰り広げる。客席がいい形で温まったところで、「僕だけの光」からアンコールがスタート。多くのメンバーがステージや花道、クレーン、大型トロッコなどを総動員して客席に笑顔を届ける中、一部メンバーがスタンド席の通路をフロートで移動したりステージバックに登場したりするサプライズもあり、たくさんの夏の思い出を作っていった。

 最後のMCでは、筒井が「あっという間に最終日まできちゃって。改めて今回のツアーを通して思ったのは、このグループは優しさと愛に溢れているグループだなと。誰かがちょっと落ち込んでいたら近くの子が励ましたりと、今日もそういう場面がたくさん見られました。私は愛って伝染していくものだと思うんです」と口にすると、与田は「さっき歌った『誰かの肩』の〈愛は代わりばんこ 何度も交代して 幸せの道 歩こう〉って歌詞が、私はすごく乃木坂46っぽいなと思っていて。毎年いろんな思いを抱えてここに立って、それが代わりばんこしてつないでいって、今日があって、それが未来につながっていくと思うと、なんていいグループなんだって。そんなグループに出会えたことが私はすごく幸せだなって思います」と感慨深げに語った。そして、最後に「乃木坂の詩」でメンバーとオーディエンスが再びひとつになり、最後にキャプテンの梅澤が「私たちはもっともっと強くならないといけないと思います」と今後へ向けた思いを告げ、「なので皆さん、これからもそばにいてください」とメッセージを送ってから【真夏の全国ツアー2024】に幕を下ろした。

 会場の照明がすべて付き、ライブはここで終了するはずだったが、メンバーを呼ぶ”乃木坂46コール”は一切鳴り止まない。しばらくするとメンバーが再登場し、予定外のダブルアンコールとして「チートデイ」を再び披露。楽曲のクライマックスでは、井上が「ごめんなさい」に代わり「ありがとうーっ!」と感謝の言葉を絶叫。楽曲が終わると井上は「皆さんの顔を見たら安心して涙が出てきちゃって。後半泣いてばかりでしたけど、本当に楽しくて楽しくて、幸せでした!」と笑みを浮かべる。最後の最後に梅澤は来たる6期生加入に触れ、「もう迎え入れる準備はできてるので、期待して待っていてください。そしてまた来年、今年よりも最高な景色を見ていきましょう!」と叫んで3時間に及ぶライブを完遂した。

TEXT:西廣智一
PHOTO:鈴木健太(KENTA Inc.)

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