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2024/06/28

<ライブレポート>NewJeansが醸し出す一体感に東京ドーム全体が沸いた【Bunnies Camp 2024】 松田聖子やVaundyカバーも話題に

 6月26日、東京ドームでNewJeansのファンミーティング【NewJeans Bunnies Camp 2024 Tokyo Dome】の初日公演が行われた。今回の公演はグループにとって初の来日単独公演であり、海外アーティストとしてはデビューから最短期間での東京ドーム公演となる。2日間にわたって開催された同公演のチケットは瞬く間にソールドアウトし、計91,200人を動員と、群雄割拠のK-POPシーンの中でも群を抜く日本国内での人気の高さを証明した。

 K-POPアーティストのファンミーティングと言えば、ファンとの交流を重視するためにライブと同じくらいゲームコーナーやトークに重点を置くことも少なくないが、この日の公演ではそうした企画的な側面はほとんどなく、過去のEPやシングル群(『New Jeans』『OMG』『Get Up』『How Sweet』)の全楽曲に加えて、リリースされたばかりの日本デビュー作品『Supernatural』の2曲が披露されるという、あくまで音楽でファン(Bunnies)を楽しませようという姿勢を押し出した構成。それは、オープニング・アクトを務めた250(イオゴン)による、NewJeansの楽曲のリミックスを中心にしつつもアンビエントなムードに重きを置いた、神秘的とも言えるDJセットにも反映されていた。

 開演前の時点で会場には強い期待感が満ちていたが、実際にメンバーがステージに登場すると、もはや屋根を突き破るのではないかと思うくらいに壮絶な熱狂がスタジアムを覆う。だが、そんな光景を前にNewJeansは微塵も緊張を感じさせず、バックバンド(磯貝一樹(Guitar, from SANABAGUN.)、新井和輝(Bass, from King Gnu)、大樋祐大(Keyboard, from SANABAGUN.)、Soy(Drum))による生演奏と自身のパフォーマンスによって原曲が持つエネルギーを何倍にも増幅させながら、「Attention」や「Cookie」といった代表曲でさらに観客を盛り上げていく。本公演に際しては足の怪我を抱えるHYEINの状況が心配されていたが、負傷をまったく感じさせない鮮やかでクールなパフォーマンスによって力強く復活を印象付けていた。

 「Hype Boy」や「Super Shy」といった人気曲はもちろんだが、この日の大きなハイライトとなっていたのが、各メンバーによるソロ・パフォーマンス・タイム。DANIELLEとHANNIによる仲睦まじいパフォーマンスが印象的なユニット曲(未発表曲「Hold It Down」)や、HAERINによる鮮烈なソロ・ダンス・パフォーマンス、美しいR&Bテイストのオリジナル楽曲「Butterflies (With U)」を初公開したDANIELLEと、新鮮なアプローチでメンバーの魅力が次々と表現されていく。その中でも大きな反響を呼んだのが、Vaundy「踊り子」(MINJI)、竹内まりや「プラスティック・ラブ」(HYEIN)、松田聖子「青い珊瑚礁」(HANNI)と、新旧の日本のポップミュージックを代表する名曲のカバーだ。それも、ただ楽曲を歌うだけではなく、クールな表情をキープしていた前半から一転して、決意の表情とともに抱えていたバッグを放り投げて走り出す「踊り子」のパフォーマンスのように、それぞれの楽曲の世界観とメンバーの個性が融合したユニークな空間が描かれていく。NewJeansといえば、所属レーベルの代表でもあるミン・ヒジンが中心となって描く、メンバーを起点とした美しくも儚い世界観がその魅力の一つだが、その美学はここでも見事に貫かれていた。

 また、今回のファンミーティングでは両日にゲスト・アーティストの登場が告知されており、この日の公演ではYOASOBIが登場(2日目のゲストはRina Sawayama)。それも、いわゆるオープニング・アクトとしてではなく、しっかりとファンミーティングの一部として組み込まれており、「Right Now」ではまるで“6人目のNewJeans”のようにikuraが合流し、全員が一体となったフォーメーションで観客を驚かせ、YOASOBIの楽曲である「Biri-Biri」では、グループのスタイルとも好相性の可愛らしいメロディとソリッドなドラムンベースのビートを見事に乗りこなしてみせた。

 (残念ながらNewJeansのメンバーは参加しなかったが)YOASOBIによるBillboard JAPAN年間No.1ヒット曲「アイドル」のパフォーマンスが壮絶な盛り上がりへと会場を導くと、そのエネルギーを受け継いだかのように、NewJeansもアップビートな「ETA」でさらにライブのピークを更新する(〈What’s your ETA?〉のパートでは会場は割れんばかりの合唱が巻き起こった)。この頃にはバンドのグルーヴ感と、メンバーの可愛らしくも力強い歌声や鮮やかなダンスが完全に一体となっており、NewJeansらしい独特な高揚感が会場全体を満たしていた(あまりにもグルーヴと会場の熱狂が強すぎて、トロッコ移動とともに披露された「OMG」でも、リラックスとは無縁の異様な興奮に満ちていたのが微笑ましい)。実は、個人的にはグループの音楽性と数万人規模の会場の相性は、必ずしも良いわけではないのではないかと懸念していたのだが、この日のNewJeansは完全にスタジアムを掌握しており、今後の海外の大規模フェスティバルでの活躍にも強く期待できるように感じられた。

 心地良いグルーヴと鮮やかなダンスによって、見事に大団円を描いてみせた「Ditto」で本編を締めくくったNewJeansは、アンコールの熱烈な声援に応えて、(オープニング映像など様々な場面でも使われていた)最後の楽曲として「ASAP」を披露。大量の紙吹雪が舞う中で、堂々と今回のファンミーティングを終えてみせた。結成から約2年とは到底思えないライブ自体の圧倒的な充足感はもちろん、公演終了後にはカバーを中心にSNSでも凄まじい反響が巻き起こっており、今回の公演をきっかけにグループの熱狂がさらに拡大していくことは間違いないだろう。

Text by ノイ村
(C) 2024 ADOR. All Rights Reserved.

◎セットリスト
【NewJeans Bunnies Camp 2024 Tokyo Dome】
※6月26日(水)公演
~Opening DJ~
1. Attention
2. Cookie
~Special Stage Intro~
3. Hold It Down(HANNI & DANIELLE)※未発表曲
4. Heel Dance(HAERIN)※ダンス
5. Hype Boy
6. Hurt (250 Remix)
7. New Jeans
8. Super Shy
9. Get Up (VCR)
10. Cool With You
11. 踊り子(MINJI)※Vaundy カバー
12. プラスティック・ラブ(HYEIN)※竹内まりやカバー
13. Butterflies (With U)(DANIELLE)※初公開の自作曲
14. 青い珊瑚礁(HANNI)※松田聖子カバー
15. Bubble Gum
16. Right Now
17. Biri-Biri ※YOASOBIコラボ
18. アイドル ※YOASOBIのみ
~DJ~
19. ETA
20. How Sweet
21. Supernatural
22. OMG
23. Ditto
<Encore>
24. ASAP

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