2024/05/27
テイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が5週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
1位に初登場した2024年5月4日付から今週(6月1日付)まで、5週目の首位を獲得した『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』。初登場から5週連続で首位を獲得したのは、2023年3月18日~6月3日付まで12週間という大記録を達成したモーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(今週3位)以来の最長記録となる。
今週の集計期間(2024年5月17日~5月23日)には、ストリーミングが166,500(23%減少)、セールスが210,000(413%増加)、トラックによるユニットは1,500(17%減少)をそれぞれ記録して、累計378,000ユニット(45%増加)を獲得。アルバムの週間再生回数は、2億1,690万回を記録した。セールス、ストリーミングいずれも今週のトップ・アルバムで、登場5週目の週間ユニットとしては2016年1月9日付でアデルの『25』が1,160,000を記録して以来の最高値を更新している。
テイラー・スウィフトは、今週でBillboard 200での首位獲得総週を74週目に更新して、ソロ・アーティストとしては故エルヴィス・プレスリーのもつ67週をさらに引き離し、史上最長記録を塗り替えた。首位獲得総数としては、ジェイ・Zのもつ14作に並び、ザ・ビートルズ(19作)に続く史上2番目、ソロ・アーティストとしては同率のトップに立っている。
今週セールスが急増したのは、既存のものに加え6種類のデジタル・アルバム(ダウンロード)がリリースされたからで、週間セールス210,000枚のうち77,000枚がデジタル・アルバムによる売り上げだった。全てのバージョンを総合したデジタル・アルバムのみの売上枚数の比率は、前週の6,000枚から1,184%も増加している。
新しくリリースされたデジタル・アルバムは、「フーズ・アフレイド・オブ・リトル・オールド・ミー?」、「カサンドラ」、「ザ・ブラック・ドッグ」のメモ音源が収録されたバージョンが3種類、【The Eras Tour】のパリ公演で披露した「loml」、「マイ・ボーイ・オンリー・ブレイクス・ヒズ・フェイヴァリット・トイズ」、「ジ・アルケミー」&「トレチャラス」マッシュアップのライブ音源を収録したバージョンが3種類あり、現時点では公式ウェブサイトでアメリカのユーザーのみ購入できる。
それから、5月9日にリリースされた「バット・ダディ・アイ・ラヴ・ヒム」のアコースティック・バージョンを追加収録したCDの新バージョンも今週の売上に反映していて、CDのみの売上枚数も前週の18,000枚から564%増加の121,000枚に大きく数字を伸ばした。アナログ盤のみの売上は前週の17,000枚から29%減少の12,000枚に下降しているが、5週目としては好記録を維持している。
CDの新バージョンは、5月9日に発売日を明確にせず7.99ドルで24時間限定で予約のみ受け付けていたが、今週の集計期間中に出荷されたことで売り上げに反映した。米ビルボード・チャートでは、公式ウェブサイトやAmazonなどのインターネット経由の小売店で販売されたフィジカル・アルバムの売上は、予約者に出荷された週に反映されるルールがある。
それから、5月14日から16日に25ドルで販売されたサイン入りエディションが1種類、5月7日から8日に各17.99ドルで販売されたブランドグッズを封入したデラックス・エディションが4種類、それぞれリリースされたことも今週の売上増加に貢献している。前述の新バージョン同様に、こちらも当初は出荷日を明確にしないで販売された。
続いて今週2位にはビリー・アイリッシュの3rdアルバム『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』が初登場して、1stアルバム『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』(2019年 / 1位)、2ndアルバム『ハピアー・ザン・エヴァー』(2021年 / 1位)に続く3作目のTOP10入りを果たしている。
『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』は、初週セールスが191,000、ストリーミングが166,500(全10曲で1億9,393万回)、トラックによるユニットは1,500をそれぞれ記録して、累計339,000ユニットを獲得した。
週間ユニットは、『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』が初週(2019年4月13日付)で記録した313,000を上回り、週間セールスもそのデビュー作が同日記録した170,000枚を上回り、いずれも自己最高記録を更新している。また、今週売り上げた191,000枚のうち90,000枚を占めたアナログ盤の週間セールスも、自身の最高売上枚数を更新した。
高セールスを記録したアナログ盤は、カラー・バリエーションの異なる小売店限定のものを含んだ全9種類が販売されていて、そのうちの1種類は公式ウェブサイトでのみ販売されたサイン入りのバージョンがある。
CDは、公式ウェブサイトでのみ販売されたサイン入りのバージョンを含む4種類、カセットテープが1種類、デジタル・アルバムは、通常盤と各10曲を収録したスタンダード・バージョン、スピードアップ・バージョン、スロー&リバーブ・バージョンのデラックス・エディションの3種類があり、通常盤は6.99ドル、デラックス・エディションは9.99ドルで販売されている。
『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』は、4月8日に発売が告知された後、インタビューや番組の出演等で詳細を予告し、翌5月17日にリリースされた。発売直前の5月15日には、米ニューヨーク州ブルックリンにあるバークレイズ・センターで、翌16日には米カリフォルニア州ロサンゼルスにあるキア・フォーラムでそれぞれ視聴イベント開催し、アメリカの100以上の映画館でも同イベントを上映した。
また、4月29日には本作をひっさげたワールド・ツアーが発表されていて、同ツアーは9月29日に開幕し、2025年7月までの開催が予定されている。
『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』からの先行シングルはリリースされていなかったが、発売同日の5月17日には収録曲「ランチ」のミュージック・ビデオが公開されている。
今週は、1位の『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が378,000ユニット、2位の『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』が339,000ユニットをそれぞれ獲得して、1位と2位がいずれも30万ユニットを突破した。1位と2位の週間ユニットが30万を上回ったのは、ドレイクの『ヴューズ』(1位)が1,040,000、ビヨンセの『レモネード』(2位)が321,000を記録した2016年5月21日付以来、約8年ぶりとなる。
前述のとおり、3位はモーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(75,000ユニット / 1%減少)が同位をキープ。先週2位に初登場したガンナの『One of Wun』(56,000ユニット / 38%減少)は4位に、フューチャー&メトロ・ブーミンの『ウィー・ドント・トラスト・ユー』(48,000ユニット / 10%減少)も4位から5位にダウンした。
モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(45,000ユニット / 2%増加)は5位から6位、ノア・カーンの『スティック・シーズン』(38,000ユニット / 4%減少)は6位から7位のワンランクダウンして、ザック・ブライアンの『ザック・ブライアン』(38,000ユニット / 1%増加)は同位をキープ。シザの『SOS』(37,000ユニット / 3%減少)は7位から9位、ベンソン・ブーンの『ファイアワークス&ローラーブレーズ』(33,000ユニット / 6%減少)も9位から10位に順位を下げた。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月31日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』テイラー・スウィフト
2位『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』ビリー・アイリッシュ
3位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
4位『One of Wun』ガンナ
5位『ウィー・ドント・トラスト・ユー』フューチャー&メトロ・ブーミン
6位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
7位『スティック・シーズン』ノア・カーン
8位『ザック・ブライアン』ザック・ブライアン
9位『SOS』シザ
10位『ファイアワークス& ローラーブレーズ』ベンソン・ブーン
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