2024/05/17
ビルボードライブとNTT DOCOMO Studio & Liveが共同開催する新企画【Live Heatseekers】が始動。その第一弾として、チョーキューメイによるビルボードライブ横浜での公演が行われた。
この企画は、急上昇中のネクストブレイク楽曲が分かるチャート“Billboard JAPAN Heatseekers Songs”から、まさに今ネクストステップへと駆け上がろうとしている注目アーティストが出演するというもの。2020年に結成されたチョーキューメイは、1stフルアルバム収録曲「貴方の恋人になりたい」がTikTokを中心にバイラルヒットを記録。日本のみならずアジア規模にまでリスナー層を広げ、同チャートでは通算5回の首位を獲得した。今回5月11日に開催された初のビルボードライブ公演で4人は、独創的にして質の高いアンサンブル、そして、色彩豊かな感情を描き出す歌をしっかりと体現してみせた。本稿では、バンドにとって初の1日2回公演のうち、1stステージの模様をレポートする。
空閑興一郎(Dr.)、藤井ごん(Ba.)、れんぴ(E.Pf.)、麗(Vo. / Gt. / Vn.)の順番にビルボードライブ横浜のステージに登場したチョーキューメイ。オープニングは「湖が見えた!」。ジャズとポップスとロックが共存するアンサンブル、切なさと愛らしさを含んだ歌声が気持ちよく広がっていく。さらにカラフルに変化していく展開が楽しい「Cold Sleep」、麗がギターを弾き、起伏に富んだメロディと<離れ離れになる前に/ここから逃げ出すのだ>というラインが共鳴した「眠れる姫」、そして、大切な人との出会い、“ともに生きていこう”という決意を歌ったエモーショナルな楽曲「promise you」へ。ライブの冒頭からバンドとしての個性をダイレクトに描き、会場全体をチョーキューメイの世界観で包み込んでみせた。
「チョーキューメイです! ビルボードライブに出演するのは初めてで、ワクワクしてきました。私、れんぴ、ごんは横浜になじみがあって。空閑はなじみがないみたいなので、横浜を教えるいい機会になりそうです(笑)」というリラックスしたMCの後は、さらに多彩な音楽性を体感できる場面が続いた。
ゆったりとスウィングするサウンド、ラップやファルセットを交えた歌声が心地いい「だって」の後に披露されたのは、ファンの間でも人気が高い「心を照らせ!」。ジャズ・ファンク的なアレンジとダイナミックなボーカル、〈心を照らす/君は誰より/綺麗だ〉という肯定感に溢れたリリックが高らかに響き渡る。間奏パートでは麗がバイオリンを演奏。客席から大きな拍手が送られた。さらに、この日の為に用意されたオリジナル・カクテルの名前も「心を照らせ!」。梅酒、オレンジ、パインなどを合わせた爽やかな飲み口で、多くのオーディエンスがライブとともに楽しんでいたようだった。
そして「貴方の恋人になりたい」へ。2023年に“Billboard JAPAN Heatseekers Songs”で通算5回の1位を記録したこの曲は、バンドの知名度を大きく上げたラブリーな片想いソングだ。4つ打ちのリズムに合わせて手拍子が発生。繊細なファルセットで奏でられる<恋に落ちている>のリフレイン、エンディングでいきなりラテン風のサウンドに移行するアレンジも楽しい。
柔らかい浮遊感を描き出すピアノのフレーズからはじまったのは「snowspring」(TVアニメ『ゆびさきと恋々』エンディングテーマ)。ふんわりとした雰囲気のメロディラインと“君”への真っ直ぐで愛らしい恋心を映し出すリリックを含め、チョーキューメイのポップな側面をたっぷりと感じることができた。
個人的にもっとも印象的だったのは「リンカーネーション」だった。力強い6/8拍子のなかで奏でられるのは、濃密にしてしなやかな感情を放つボーカルと<離れないで 願いを叶えるから そばにいたい>という切実な願い。この曲の間奏でも麗はバイオリンを演奏し、歌詞に込めた思いをさらに増幅させていく。歌を支えながら、楽曲のダイナミズムを的確に表現する演奏も素晴らしい。
「昨日の夜に新しいアー写(アーティスト写真)を公開させていただきました。これからも新しい情報がどんどん出ていくので、ぜひチェックしてください!」(麗)というMCからライブは後半へ。シンセの高速パッセージ、4つ打ちキック&裏打ちハイハットを軸にしたビート、タイトなベースラインが一つになったダンストラック「sister」。疾走するリズムとともに思春期の少女の憂いにも似た思いを描いた「She Side Blue」、そして、〈ねぇ 悲しみさえも/照らす光になりたい〉という歌詞を手渡すように歌った「PRIDE」で大きな感動を生み出してみせた。
アイリッシュな雰囲気のバイオリン、アジア的エキゾチズムを感じさせる歌声が溶け合う「白い坂道をくぐったら」で本編は終了。アンコールでは麗が「『3月の花嫁』と『故のLOVE』と新曲の3択です。どれがいいですか?」と観客に質問し、多数決の結果、新曲の「美しさより」(6月26日発売のニューアルバム『銀河ムチェック』に収録予定)を披露。繊細な浮遊感をたたえた音像、ドリーミーな揺れを感じさせる歌声からは、このバンドの新たな表情が伝わってきた。
高い音楽性と演奏力に裏打ちされたバンドサウンド、ビビッドな感情を核にした歌。チョーキューメイの魅力をたっぷりと体感できる充実のステージだった。なお、本公演の2ndステージは配信も行われており、5月18日までアーカイブが視聴可能となる。この後4人は【森、道、市場2024】、【hoshioto‘24】などのフェスに出演し、6月から7月にかけてニューアルバム『銀河ムチェック』のリリース・ツアーを開催。ニューアルバムを含め、今後のチョーキューメイの活動にもぜひ注目してほしい。
Text by 森朋之
Photos by 岩田 慶(fort)
◎配信情報
【チョーキューメイ Live Heatseekers Vol.1 supported by NTT DOCOMO Studio & Live】
販売期間:~5/18(土)18:00
視聴可能期間:~5/18(土)23:59
販売価格:¥1,500(tax in.)
チケット購入URL:https://l-tike.com/liveheatseekers/
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