2023/12/24
2023年12月25日付のBillboard JAPAN週間“Top Albums Sales”で、Adoの『Adoの歌ってみたアルバム』が70,067枚を売り上げ2位を獲得した。(集計期間2023年12月11日~12月17日)
『Adoの歌ってみたアルバム』はAdoの3枚目のアルバムで、Adoの自身初となるカバー・アルバム。Twitter上で”Adoに歌ってほしい楽曲”を募集する企画が行われ、そこから選ばれたボカロ曲のピノキオピー「神っぽいな」、J-POPの椎名林檎「罪と罰」をはじめとした、ボカロ曲5曲、J-POP5曲の計10曲のカバーが収録されている。
ここでは、Adoのアルバムの販売動向を、SoundScanJapanのデータを使用し調査した。
まず、今作『Adoの歌ってみたアルバム』の発売初週の実店舗での地域別販売比率を調査し、グラフ化したものが図2(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/133097/2)である。一般的なアルバムの販売比率とも比較するため、2023年に発売された全てのアルバムの販売比率も全アルバムとしてグラフに追加している。
この表を見ると、関東地方41.0%(以下かっこ内全アルバム:46.2%)、近畿地方13.6%(17.2%)という2大都市圏を含む地方が全アルバムよりかなり低くなっている。一方、甲信越地方5.1%(2.7%)、中部地方13.0%(10.9%)、東北地方7.5%(5.6%)、四国地方2.6%(1.1%)は全アルバムより高く、人気や知名度は都市集中ではなく、全国に十分に広がっている結果が出ている。
更に、販売比率を都道府県まで詳しく調査し、販売比率が全国で上位15位以内となる都道府県を調査したのが下記である。
〇『Adoの歌ってみたアルバム』販売比率上位都道府県(かっこ内は全アルバム)
1位 東京都 17.5%(31.3%)
2位 愛知県 6.9%(7.4%)
3位 神奈川県 5.6%(4.8%)
4位 大阪府 5.3%(11.6%)
5位 埼玉県 5.2%(3.9%)
6位 千葉県 4.2%(2.9%)
7位 北海道県 3.9%(4.0%)
8位 茨城県 3.6%(1.2%)
9位 兵庫県 3.4%(2.5%)
10位 栃木県 3.0%(0.8%)
11位 長野県 2.5%(1.4%)
12位 福岡県 2.5%(4.4%)
13位 静岡県 2.3%(1.9%)
14位 福島県 2.2%(1.1%)
15位 三重県 2.0%(0.8%)
これを見ると、東京都、大阪府は大きく販売比率を下げ、愛知県も若干低くなっている一方、販売比率を減らしていた関東地方である神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県と近畿地方である兵庫県は都道府県レベルでは大きく販売比率を伸ばしている。一般的なアルバムはリリース・イベント等で東京や大阪といった大都市の店舗で販売を反映し、東京都や大阪府、関東地方や近畿地方の販売比率を上げ、近郊の販売比率を下げるる傾向があるのだが、『Adoの歌ってみたアルバム』についてはそ逆に近郊の販売比率が上がっているのが興味深い。また、長野県、福島県、三重県と、リストには出てないが、和歌山県1.3%(0.4%)、高知県0.8%(0.3%)は『Adoの歌ってみたアルバム』が多く売れているという結果となった。
前2作もロング・セールとなっており、今作も長く売れ続ける作品になる可能性は高い。全国から幅広い支持を集めるAdoの今後の活躍に注視したい。
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