2023/12/11 18:00
2023年3月より15都市を巡回してきたTOMORROW X TOGETHER(TXT)のワールドツアーは、12月2日・3日にソウル・コチョクスカイドーム(GOCHEOK SKY DOME)で開催した【TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR<ACT : SWEET MIRAGE>FINARE】で幕を閉じた。ここでは1日目の模様をレポートする。
「Section 1 英雄の旅路」と題してイントロダクションとなる物語と映像が流れた後、いよいよ本編がスタートした。ストリングスの美しい調べに導かれるようにゆっくりとステージに現れたTXTの5人は、まずは挨拶代わりに「Blue Hour」を披露。「元気だった?」、「お久しぶりです!」、「みんな、楽しむ準備はできた?」とメンバーらが客席に声をかけると、あちこちから歓声がわき上がる。
祝祭ムードあふれる「Can’t We Just Leave The Monster Alive?」を歌い終えた彼らは、たくさんのMOA(TXTのファンネーム)を目の前にしてとても嬉しそうだ。「とても会いたかったです!」(BEOMGYU)、「コチョクスカイドームを満杯にするなんて…。この夢を叶えてくれたMOAのみなさん、本当にありがとうございます!」(TAEHYUN)と喜びをかみしめながら、ステージは次のナンバーへ。
リズムに乗りながらジャケットを脱ぎ捨て、スポーティーな衣装になった5人は、バスケットボールを手に取りながら軽やかに踊る「Drama」、華やかなファンクチューンの「No Rules」、初期の人気曲「Cat & Dog」と、スムーズに進行していく。
そしてファンとともにライトスティックを上下左右に揺らして一体感を楽しみ、すっかり和やかなムードになると、「この瞬間が永遠に続くようにTXTと一緒に…逃げちゃおうか?」(TAEHYUN)との言葉を合図に「9 and Three Quarters(Run Away)」が始まった。同曲でのスタイリッシュな振り付けで観客を魅了したかと思えば、今度はHUENINGKAIのソロパフォーマンスに。ファンタジー仕立ての演出を取り入れた彼の舞いから、場面は汽車の中に集まったメンバーらの姿に切り替わり、間髪を入れずに「We Lost The Summer」と「Can’t You See Me?」でクールな表情で歌い踊る流れは、ライブというよりはドラマを観ているような気分にさせる。このようなところがTXTならではの魅力のひとつと言えるだろう。
第2章となる「Section 2 甘い蜃気楼」が幕を開け、「0X1=LOVESONG(I Know I Love You)」での華やかなステージングで楽しませた5人は、トロッコに乗り込み、サブステージに移動して「LO$ER=LO▽ER」と「Dear Sputnik」を、そしてメインステージに戻って「Magic」を熱唱。MOAの笑顔をより近くで見られるからだろうか、いつも以上に楽しそうな様子が印象的だった。
ダークでミステリアスな映像とメンバーの美しいダンスの余韻を残してスタートしたのは「Opening Sequence」。一連のパフォーマンスを終えた後のトークタイムでは、今回のハイライトのひとつである魔法パフォーマンスを披露したHUENINGKAIが、「久しぶりにやってミスするかと思ったけど、練習してみたら身体が覚えていた」と満足げ。さらにTAEHYUNは「『0X1=LOVESONG(I Know I Love You)』は聴くたびに名曲だと思う」と余裕を見せ、YEONJUNは「久しぶりのソロダンスだったので少し緊張しましたが、良かったでしょ?」と胸を張るなど、5人全員が納得のいくものだったようだ。
バラード調の美しいナンバー「Anti-Romantic」で第2セクションは穏やかに終了。すると次の章「Section 3 終末の影」は不穏なムードで始まった。「Good Boy Gone Bad」、「Tinnitus (Wanna be a rock)」、「Devil by the Window」と続くエッジの利いたナンバーで物語のテーマをより鮮明にするあたりに、TXTの確かな実力を感じたのは私だけではないだろう。
先ほどまでのムードとは打って変わり、今度はポジティブなオーラを放つ楽曲をやろうと再びステージに立った彼らは、軽やかなラブソング「Angel Or Devil」と「Happily Ever After」でMOAとの距離を縮めていく。場内をさらに熱くさせるべく、今度はYEONJUNが事前に振り付けの指導をした「Happy Fools」がスタート。巨大なドームにいるすべての人の動きがそろうと一体感は最高潮に達した。
本公演もいよいよ終盤に。トークタイムでは各メンバーが今回のツアーを振り返った。
「3月に開催したソウルでの初公演を思い出します。そのときはこれが夢か現実か分からなかったけど、フィナーレをより多くのMOAと楽しめて光栄でした」(BEOMGYU)
「みなさんのおかげで、より大きい会場でより多くのMOAと一緒にライブをすることができました。MOAのみなさん、世界のすべての感謝の言葉をMOAMOA(集めて集めて)誠にありがとうございます!」(TAEHYUN)
「たまに疲れて諦めたくなる瞬間も、いつも応援してくれるMOAのみなさんを見ると、あらためて“僕たち5人は強くならないといけない”と思います。今日もそう思える1日になりました」(YEONJUN)
「今回のツアーで伝わったMOAのみなさんの愛、絶対忘れません!」(HUENINGKAI)
「ツアーを通じてMOAのみなさんに“TXTってこんなに成長したよ!”と思ってもらいたかったんです。今日のライブいかがでしたか? (大きな歓声を受けて)ありがとうございます!」(SOOBIN)
感謝の言葉を述べた5人は、ファンキーなギターカッティングに誘われるように「Sugar Rush Ride」でパフォーマンスを始め、「怖くても現実から目を背けたくはない」、「甘かったけれど無責任な楽園よ、さようなら」というメッセージが映し出された後、ラテンのテイストを取り入れた「Farewell, Neverland」を披露。前回のツアーよりも成長した姿をアピールして本編を締めくくった。
「Section 4 夢を思い出す」と題された最後の章は、3作目となるフルアルバム『The Name Chapter: FREEFALL』のリードトラック「Chasing That Feeling」と同作に収められたギターポップ「Skipping Stones」、ファンソングの「MOA Diary(Dubaddu Wari Wari)」と、生のライブで聴きたいナンバーばかり。
「これからも見守ってください!」(SOOBIN)、「本当に幸せでした!」(HUENINGKAI)、「BTSが公演を行ったこの会場でやりたいという夢を叶えられて嬉しいです」(BEOMGYU)、「今日あらためて奇跡を経験して本当に感謝しています」(YEONJUN)、「ソウルで始まったのでソウルで終わる、それがパーフェクトな巡回ではないかと。挨拶が遅れました。ただいま!」(TAEHYUN)。
ステージの途中でこのように語った5人は、客席に手を振りながら「Our Summer」を歌い、「TXTは永遠にかっこいいステージを見せますので期待してください。愛してます!」(HUENINGKAI)、「忘れられない日になりそうです」(BEOMGYU)といった言葉も添えた。そして幸福感あふれるアコースティックポップ「Blue Spring」で公演はエンディングを迎えた。
【TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR<ACT : SWEET MIRAGE>FINALE】は、「TXTのライブはMOAとともに仕上げるもの」とSOOBINが強調していた通りの内容になった。本ツアーの最初のソウル公演を観たファンのひとりは「甘い蜃気楼だった」と回想したそうだが、フィナーレ公演も同じように最初から最後まで“甘い蜃気楼”だったように思う。これからもMOAとタッグを組んでK-POPの未来を作っていってほしい——。そんな期待も抱かずにはいられない約3時間のステージだった。
Text by まつもとたくお
◎公演情報
【TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR<ACT : SWEET MIRAGE>FINARE】
2023年12月2日(土)、12月3日(日)
韓国ソウル・コチョクスカイドーム(GOCHEOK SKY DOME)
※「LO$ER=LO▽ER」の「▽」は白抜きハートマークが正式表記
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