2023/11/04 12:00
【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】(WIM)の日本版実施に伴い展開されている、独自の観点から“音楽業界における女性”にフォーカスしたインタビュー連載『わたしたちと音楽』。Vol.28となる今回は、昨年、歌手デビュー25周年を迎えた坂本美雨が登場した。
父である坂本龍一を通じた多様な人々との出会いによって、幼い頃にフラットな価値観を得たという坂本。9歳の頃にアメリカに移住すると、「アメリカに引っ越してから太ってしまい、部活も始めて筋肉も付いて逞しくなって、目も悪かったのでメガネもかけていました。一方で、兄は色白で華奢で綺麗な顔立ちをしていて……だからよく親戚たちから無邪気に比べられていたんですね」と打ち明けた。「当時は、ルッキズムなんて言葉もない時代ですから。アジア人というマイノリティとして……というよりも、自分の容姿のコンプレックスに悩まされた思春期でした」と振り返った。
そういった経験もあり、現在母親である彼女は女の子を育てる上で“容姿を絶対に馬鹿にしない”よう気を付けているそうだ。そして「いろいろな価値観の大人の中で育てること」を大切にしていると言う。「社会的にうまくやれていないような人でも、何か一つのことが飛び抜けて才能があるようなところをたくさん見てきました。まず、うちの父がそうでしたし(笑)。それが人間っぽいと思うし、完璧な人なんていない。振り返ってみると、私がそう考えるようになったのには幼少期の環境が影響していると思うんです」と説明した。
また、女性であることの音楽活動への影響については、「歌手なので、持ち前の声をどう使っていくか、という意味では女性であることは影響していると思います。声は自分のアイデンティティでもあるし、それで社会の役に立ちたい。だからこそ、歌うことだけでなくラジオも続けているんです」と語った。
インタビュー全文は特集ページにて公開中だ。また、【ビルボード・ジャパン・ウィメン・イン・ミュージック】の特設サイトでは、これまでのインタビューやプレイリストなどをまとめて見ることができる。
2007年からアメリカで開催されている【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】は、音楽業界に貢献した女性を表彰するアワードで、2023年版は3月に実施された。日本では、インタビューやライブ、トークイベントといった複数のコンテンツから成るプロジェクトとして2022年秋にローンチした。
Photo:前康輔
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