2013/06/14
今年で5回目を迎えた【Hostess Club Weekender】が、6月8、9日の2日間に渡って恵比寿ガーデンホールにて開催された。
一日目、トップバターを託されたのは、インディアンズ。ステージ中央にスポットライトを浴び現れた彼は「ニュー」からラストの「ディス・モーメント」までの間に、彼の美しき歌声とシンセイザーを巧みに操り、センセーショナルで壮大な世界観を、いともたやすく、たった一人で創り上げてしまう圧巻のアクトで幕をあける。
次に登場したインクのエイジド兄弟も負けじと、兄、アンドリューが奏でるファンクでソウルフルなギターに、弟のダニエルが、幻想的でエレクトリックなシンセの音色を交錯させ、次世代のR&Bの形を予感させてくれるようなサウンドをオーディエンスに届けてくれた。
3番手でステージインしたUKバンド、ジーズ・ニュー・ピューリタンズ。スペシャルゲストSalyuとのセッションは、緊張感と高揚感が入り混じるステージで、終始会場を魅了し続けた。
ノルウエー出身バンド、チーム・ミーは、色とりどりのバルーンが飛び交う中、ステージ上ではフロアタムが鳴り響く「アップ・アゲインスト・ザ・ウォール」を披露。彼らの生みだす、会場を巻き込むほどのグル―ヴは、まるでお祭りにでも参加しているかのような、エキセントリックな幸福感を味あわせてくれる素晴らしいステージであった。
一日目のトリを飾ったのはムーム。神秘的な歌声、生楽器の巧みな演奏と妖艶なエレクトロ音で、ベースとなるカントリーサウンドを上手に包み込むノスタルジックな世界観を演出し、1日目をしっかりと締めくくった。
二日目、6月9日、ロックの日は初日とは打って変わり、新鋭から大御所まで、英国ロックバンドたちが大集結。最初に登場したブリティッシュ・シー・パワーが二日目の口火を切る。ヴィオラとピアノの音色が心地良く漂う「ウィービング・フラッグス」をヴォーカルのヤンがワイルド、かつセクシーに歌い上げ、会場をUKサウンドで染め上げた。
2番手で登場したのは、現在プライマルスクリームのギタリストとしても活躍するバーリーがフロントマンを務めるリトル・バーリー。小細工など必要ないと言わんばかりに、3ピースとは思えない破壊力と彼らの卓越した技術光るソロパートが湧いた「プレシャス・プレジャー」。複雑に絡み合う3人の絶対的ユニゾンは、会場中を歓喜で包み込んだ。
UKロックバンドが2日目を形作っていく中、唯一、サンディエゴ発のウェーヴスがその雰囲気を一閃する。「イディオット」の豪快なメタルパンクで観客を攻め立てたかと思えば、ソニックユースの「100%」のカバーでアメリカングランジロックの、重厚感のある、シリアスな音を最大限まで引き出す、強烈なインパクトを放った。
そんな一変した空気を引き戻すかのようにエディターズがステージイン。相も変わらず、完璧なまでの王道UKロックをベースに、サイケサウンドを絶妙にブレンドした「パピヨン」は新たなUKロックの片鱗を見せるアクトとなった。
そして大トリとして登場したのは4年ぶりの来日となったトラヴィスだ。王道ブリティッシュロックを体現し続ける彼らの1曲目は、8月に発売予定の新作『ウェア・ユー・スタンド』からのナンバー「マザー」。会場に詰めかけたトラヴィスファンの度肝を抜いた。そこからは、従来の名曲や新アルバムのナンバーを上手く折り込みながら、徐々に会場のボルテージを上げていく。そして「クローサー」の大合唱から本編ラストの「ターン」が終わるころには、溢れ出すシンガロングが会場を覆い尽くしていた。
アンコールで登場した彼らは、アコギを抱えたヴォーカル、フランをメンバーが取り囲むようにし生歌、生音の「フラワーズ・イン・ザ・ウィンドウ」をオーディエンスとともに大合唱。ラストは「ホワイ・ダズ・イット・オールウェイズ・レイン・オン・ミー?」で2日間に渡った【Hostess Club Weekender】の幕を閉じた。
そして、11月30日、12月1日に6回目となる【Hostess Club Weekender】の開催も決定、ディアハンター、ニュートラル・ミルク・ホテルらが出演アーティストとしてラインナップされている。
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