Billboard JAPAN


NEWS

2023/09/12

<ライブレポート>テラス・マーティン、オルガントリオ編成で魅せた6年ぶり来日公演

 テラス・マーティンのビルボードライブ・ツアーが、2023年9月11日の神奈川・ビルボードライブ横浜を皮切りに、大阪・東京の3会場で開催。本稿では、初日の横浜公演・1stステージの模様をお届けする。

 ジャズとヒップホップを繋ぐ現代最重要プロデューサー/マルチ・プレイヤー/シンガーのテラス・マーティン。自身の名義では約6年ぶりにビルボードライブのステージに登場した。LAのジャズ・コミュニティでカマシ・ワシントンらと育った彼は、サックス・プレイヤーとして知名度を高めていくと共にヒップホップ・プロデューサーとしても才覚を発揮。大御所スヌープ・ドッグや、ケンドリック・ラマー、トラヴィス・スコットらトップ・アーティストの作品を次々とプロデュースし時代を創り上げた。また、2023年はロバート・グラスパー、カマシ・ワシントンと〈DINNER PARTY〉名義で【Love Supreme Jazz Festival】への初来日出演や、自身のレーベル「Sounds Of Crenshaw」から6月にアルバム『Fine Tunes』7月に『Curly』、そして8月にはEP『Nova』とコンスタントにリリースし話題を集めた。

 定刻を迎えると、テラス・マーティン(Sax)、パット・ビアンキ(Organ)、トレバー・ローレンス(Dr.)の3名がオルガントリオ編成で登場。テラス・マーティンの軽快なSaxと共に「Final Thought」で幕を開けた。1曲目から3人の織りなす圧巻のグルーヴと、極太サウンドが会場中を包み込み、オーディエンスを一気に魅了した。大阪公演と東京公演がまだ残っているのでネタバレは控えるが、今回披露されたセットリストは、最新アルバム『Curly』を中心にアンセム的な曲から最新曲まで、ライブアレンジを含み惜しみなく構成される。

 音源で聞いても最高だが、なんと言ってもフロントマンとしてのテラスのSaxや、パット・ビアンキのソウルフルなオルガン、トレバー・ローレンスのパワフルなドラム、メンバーそれぞれがみせた抜群のアドリブが凄まじい。まさに極上のオルガンジャズトリオだ。3人の届ける音はつくづく虜になる納得感があり、ひたすらパッション溢れるアクトを繰り広げオーディエンスの心身を魅了していった。

 ライブ中盤では、テラスがステージから降り客席でプレイし、ビルボードライブならではの距離感でファンと積極的にコミュニケーションをとるシーンも。オーディエンスとの空間を楽しむ様子がとても印象的で、テラスの気さくな人柄に会場の熱気もさらにうなぎのぼり。どこを切り取っても音楽センスがとにかく抜群で、そこからもひたすらグルーヴィーな楽曲で畳み掛けていった。ラストは会場の熱気がピークになりバンドメンバー、オーディエンス共に思い思いに体を揺らし楽しむ様子が印象的だった。
 
 また、テラス・マーティンは、9月12日にビルボードライブ大阪、9月14日15日にビルボードライブ東京にて同公演を開催する。『Curly』のサウンドを届けるスペシャルなトリオ編成でのステージを是非ビルボードライブで体感してほしい。


Text:Rumi Miyamoto
Photo:cherry chill will.

◎公演情報
【Terrace Martin】
2023年9月11日(月)ビルボードライブ横浜 ※公演終了
2023年9月12日(火)ビルボードライブ大阪
2023年9月14日(木)15日(金)ビルボードライブ東京

テラス・マーティン その他の画像・最新情報へ

関連商品

ACCESS RANKING

アクセスランキング

  1. 1

    <ライブレポート>ano「次に会う時まで必ず生きて」――ツアー追加公演完走、音楽でたどり着いた“絶対聖域”

  2. 2

    ロゼ&ブルーノ・マーズ、11/22大阪開催【MAMA】で「APT.」世界初披露へ

  3. 3

    【先ヨミ】timelesz『because』24.9万枚で現在シングル1位独走中

  4. 4

    <インタビュー>米津玄師 新曲「Azalea」で向き合った、恋愛における“距離”――「愛情」の源にある“剥き身の生”とは

  5. 5

    【ビルボード】ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」総合首位、洋楽としては約11年半ぶりの快挙

HOT IMAGES

注目の画像