2023/08/15 10:00
モーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」が通算16週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
先週のチャートで3週間ぶりに返り咲き、今週で首位獲得週を16週目に更新した「ラスト・ナイト」。16週は史上2番目に長い記録で、デュエットやフィーチャリングのないアーティスト単体の曲としては、昨年15週を記録したハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」を抜き歴代トップに立った。
()内は初めて首位を獲得した週
19週 リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」(2019年4月13日)
16週 マライア・キャリー&ボーイズIIメン「ワン・スウィート・デイ」(1995年12月2日)
16週 ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」(2017年5月27日)
16週 モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」 (2023年3月18日)
15週 ハリー・スタイルズ「アズ・イット・ワズ」(2022年4月16日)
14週 ホイットニー・ヒューストン「オールウェイズ・ラヴ・ユー」(1992年11月28日)
14週 ボーイズIIメン「メイク・ラヴ・トゥ・ユー」(1994年8月27日)
14週 ロス・デル・リオ「マカレナ」(1996年8月3日)
14週 エルトン・ジョン「キャンドル・イン・ザ・ウインド」(1997年10月11日)
14週 マライア・キャリー「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(2005年6月4日)
14週 ブラック・アイド・ピーズ「アイ・ガッタ・フィーリング」(2009年7月11日)
14週 マーク・ロンソン&ブルーノ・マーズ「アップタウン・ファンク」(2015年1月17日)
同時に、2020年代のチャートでも「アズ・イット・ワズ」を抜き現時点での最長記録を更新している。
2020年代:16週 モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」 (2023年)
2010年代:19週 リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」(2019年)
2000年代:14週 ブラック・アイド・ピーズ「アイ・ガッタ・フィーリング」(2009年)、マライア・キャリー「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(2005年)
1990年代:16週 マライア・キャリー&ボーイズⅡメン「ワン・スウィート・デイ」(1995~96年)
1980年代:10週 オリビア・ニュートン=ジョン「フィジカル」(1981~82年)
1970年代:10週 デビー・ブーン「恋するデビー」(1977年)
1960年代:9週 ザ・ビートルズ「ヘイ・ジュード」(1968年)、パーシー・フェイス・オーケストラ「夏の日の恋」(1960年)
1950年代:9週 ボビー・ダーリン「マック・ザ・ナイフ」(1959年)
「ラスト・ナイト」が1位に到達した3月18日付からの首位獲得週は以下のとおりで、3位に初登場した2月18日付から今週(8月19日付)までの約半年間、現時点ではTOP3をキープし続けている。
3月18日(1週)
4月15日~22日(2週)
5月6日~7月8日(10週)
7月22日(1週)
8月12日~19日(2週)
「ラスト・ナイト」は、今週の集計期間中(8月4日~8月10日)にエアプレイが5,960万回(11%減少)、ストリーミングが2,630万回(2%減少)、セールスは5,000(22%減少)をそれぞれ記録。エアプレイ・チャートでは4位から6位にダウンしたが、デジタル・ソング・セールス・チャートでは7位から4位、ストリーミング・ソング・チャートでも3位から1位に上昇して、通算18週目の首位を獲得した。
カントリー・ソング・チャートでは今週25週目の首位を獲得して、1958年に集計が始まった同チャートにおける4番目に長い記録を更新している。なお、歴代最長記録はビービー・レクサ&フロリダ・ジョージア・ラインの「メント・トゥ・ビー」で、2017~18年に50週という大記録を打ち立てた。
現時点では、ポップ・エアプレイ・チャートとアダルト・ポップ・エアプレイ・チャートではそれぞれ5位にランクインし、カントリー・エアプレイ・チャートで8週、今年のソング・オブ・ザ・サマー・チャートでは11週目の首位をそれぞれ獲得している。
先週2位に再浮上したルーク・コムズの「ファスト・カー」も同位をキープして、通算5週目の2位を獲得した。
「ファスト・カー」は、カントリー・エアプレイ・チャートで5週、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートで2週、それぞれ首位を獲得しているが、今週はポップ・エアプレイ・チャートでも12位から10位に上昇し、自身初のTOP10入りを果たしている。
カントリー・エアプレイ・チャートとアダルト・ポップ・エアプレイ・チャートで首位を獲得した曲が、ポップ・エアプレイ・チャートでTOP10入りしたのは、以下に続く5曲目の快挙で、男性ソロ・アーティストによるリード曲では初のタイトルとなる。
ルーク・コムズ「ファスト・カー」(2023年)
ギャビー・バレット「アイ・ホープ feat. チャーリー・プース」(2020年)
ビービー・レクサ&フロリダ・ジョージア・ライン「メント・トゥ・ビー」(2018年)
レディ・A(レディ・アンテベラム)「ニード・ユー・ナウ」(2009~10年)
フェイス・ヒル「ブリーズ」(1999~2000年)
先週4位に浮上したテイラー・スウィフトの「クルーエル・サマー」は、今週3位にワンランクアップして最高位を更新。現在開催中のツアー【The Eras Tour】の反響もあり、エアプレイは6%増加の6,810万回、セールスは85%増加の7,000、ストリーミングも14%増加の1,820万回にそれぞれ上昇して、エアプレイとセールスの両チャートで3位、ストリーミング・ソング・チャートでも5位にそれぞれ最高位を更新した。また、セールスとストリーミングはその週最も伸びた曲に贈られるSales Gainer、Streaming Gainerをそれぞれ獲得している。
レマ&セレーナ・ゴメスの「カーム・ダウン」は、先週の6位から4位に上昇(現時点での最高位は3位)。エアプレイ・チャートでは今週8,800万回(1%減少)を記録して8週目の首位を獲得し、アフロビーツ・ソング・チャートでは今週首位獲得週を史上最長の50週目に更新した。
ガンナの「FukUMean」も先週の7位から5位に再浮上して、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートではそれぞれ4週目の首位を獲得している。
オリヴィア・ロドリゴの「ヴァンパイア」は先週の9位から6位、先週TOP10入りしたデュア・リパの「ダンス・ザ・ナイト」も10位から7位にそれぞれ上昇して、ニッキー・ミナージュ&アイス・スパイスの「バービー・ワールド(with アクア)」は今週も8位をキープ。9位はマイリー・サイラスの「フラワーズ」が先週の12位から上昇して、7月29日付以来3週ぶりにTOP10にランクインした。
続いて今週10位には、シザの「スヌーズ」が先週の15位から順位を上げて自身8曲目のTOP10入りを果たしている。
7位 マルーン5「ホワット・ラヴァーズ・ドゥ feat. シザ」(2017年)
7位 「オール・ザ・スターズ with ケンドリック・ラマー」(2018年)
9位 「グッド・デイズ」(2021年)
3位 ドージャ・キャット「キス・ミー・モア feat. シザ」(2021年)
7位 「アイ・ヘイト・ユー」(2021年)
10位 「ノーバディ・ゲッツ・ミー」(2022年)
1位 「キル・ビル」(2023年)
10位 「スヌーズ」(2023年)
上記のうち、フィーチャリング・アーティスト、もしくはデュエットとして参加した以外の5曲はいずれもアルバム『SOS』から輩出されたシングルで、同じアルバムから5曲をTOP10入りさせる快挙を達成した。なお、『SOS』はアルバム・チャート“Billboard 200”で通算10週間(2022年12月~2023年3月)首位を獲得している。
「スヌーズ」のソングライター、プロデューサーとして参加したベイビーフェイスにとっては、自身が手掛けたシャーロット・デイ・ウィルソンの「Fair Trade」(2019年)をサンプリングしたドレイクの「Fair Trade feat. トラヴィス・スコット」が2021年9月に3位を記録して以来、約2年ぶりのTOP10入りで、サンプリングを除く純粋なプロデュース曲としては、2000年11月に4位を記録したピンクの「モスト・ガールズ」以来、約23年ぶりのランクインとなる。
「スヌーズ」は、今週エアプレイが6,190万回、セールスは1,000、ストリーミングは1,040万回をそれぞれ記録しているが、いずれも前週から大きく上昇はしておらず、上記9曲の動向からも全体数が低いことがわかる。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは8月18日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
2位「ファスト・カー」ルーク・コムズ
3位「クルーエル・サマー」テイラー・スウィフト
4位「カーム・ダウン」レマ&セレーナ・ゴメス
5位「FukUMean」ガンナ
6位「ヴァンパイア」オリヴィア・ロドリゴ
7位「ダンス・ザ・ナイト」デュア・リパ
8位「バービー・ワールド」ニッキー・ミナージュ&アイス・スパイス with アクア
9位「フラワーズ」マイリー・サイラス
10位「スヌーズ」シザ
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