HYDEが、6月17日にZepp Haneda（TOKYO）で【HYDE LIVE 2023】を開催した。

　2022年、GASTUNK、Dragon Ash、THE ORAL CIGARETTESなどと激戦を繰り広げた【HYDE LIVE 2022 RUMBLE FISH】から、【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022】、【SUMMER SONIC 2022】への出演、【HYDE LIVE 2022】と怒涛の1年を駆け抜けたHYDE。年末にはYOSHIKI（X JAPAN）、SUGIZO（LUNA SEA、X JAPAN）、MIYAVIと共にTHE LAST ROCKSTARSを結成し、国内外でライヴを展開するなど、常にアーティストとしての進化を求めている。前回のツアー終幕から僅か9か月で開催される今回のツアー【HYDE LIVE 2023】は、コロナという規制がなくなって以来、初のワンマンライヴだ。

　開演時間は17:06となっており、ステージ上のスクリーンにはカウンターが映し出されている。「666」という数字に強い拘りを持って活動してきたHYDE。これまでも6分スタートとすることが多く、6:66の表示で開演することで知られている。やがて17:06（16:66）を迎えると、神輿に担がれた玉座に腰を下ろし、黒いスーツに仮面を被ったHYDEが登場。烈しいサウンドによる「LET IT OUT」で序盤から観客の心を鷲掴みにしていく。「待ってたぜ！　Are you ready TOKYO!?」と問いかけると、神々しいその姿に観客は叫び声を上げる。神輿から降りてステージ前方に移動し、前日6月16日に配信リリースされたばかりの新曲「TAKING THEM DOWN」をドロップ。凄まじいブレイクダウンの間奏を迎える頃には、1階スタンディングでモッシュやダイブが次々と起こっている。久しぶりに見る光景を目の当たりにしたHYDEは「3年ぶりの借りを返してもらうぜ！」とボルテージを上げていく。

　今回のツアーでは、バンドメンバーがツインギターとなり、新たに下手ギターが参加。HYDEは「優しく虐めてください」と紹介する。そして、上手ギター、ベース、キーボード、ドラムはHYDEソロではお馴染みのメンバーたち。HYDEバンドがツインギターになったことで、より音の深みが増している。また、前回は近未来都市「NEO TOKYO」をはじめ、映像を巧みに使った演出が多く見られたが、今回はバンドサウンドに全集中させた気迫ある演出となっていた。

　仮面を剥いだHYDEは巨大なパワーアンプの上に横たわり、「PANDORA」や「SICK」をパフォーマンス。「WHO'S GONNA SAVE US」を投下すると、ステージ中央に立ち、舐め回すようにフロア全体を見渡していく。息つく暇もなく楽曲が展開されていき、シャウトと共にスモークが一気に吹き上がった「ON MY OWN」へ。「どうしたの、すし詰め状態になっちゃって」と少し小悪魔な感じで話し出したHYDE。絶えず聞こえてくる黄色い声に対して、HYDEはたっぷり時間をかけて耳を傾けてから「みんな元気だね。楽しくなってきた！」と一言。そして「2019年のANTI FINALから3年半、長かった。人と人がいがみ合うのが怖かった。でも、俺たちは成功を一つ一つ積み重ねてきたから、ライヴができるようになった。みんなよくやったよ、この状況を俺たちが取り戻したんだぜ！」と熱いMCに。コロナ禍の3年間、HYDEはルールを徹底的に守りながら、状況に応じてライヴの楽しみ方を提示してきた。ファンと共に、こういう結果に結びついたことは感慨深いものがある。やがて、バンドメンバーが徐々にボリュームを上げて「MAD QUALIA」がスタート。HYDEはステージを駆け巡り、観客席へダイブしたりとパフォーマンスを繰り広げていく。＜devil side＞と観客に歌わせたVAMPS曲の「DEVIL SIDE」も本日一番の盛り上がりを見せた。

　一旦HYDEがステージから姿を消し、しばらくすると、2階席に移動したHYDEにスポットライトが当たった。柵にもたれかかり、ペットボトルの水を1階スタンディングにぶちまける。「3,2,1でジャンプするよ」と促し、始まったのは「ANOTHER MOMENT」だ。2階席では、床に寝そべりながら、そして観客席に座りながら歌うなど、暴れまくるHYDE。観客は至近距離のHYDEに興奮を抑えきれずにいた。

　全力疾走で駆け抜けてきたHYDEは少し息を吸って「6or9」を披露することを告知。未発表曲ではあるが、度々ライヴで披露されてきた楽曲だ。以前、HYDEのツイートでは「ライヴまだ声出せないしモッシュ出来ないから新曲の『6or9』はタオル回しますかね」と、“観客の声があってこそ完成する楽曲”であることが仄めかされていた。「下手くそだったら演奏終わりね」とHYDEが叫ぶと、観客はタオルを力いっぱいに振り回し、息の合ったコールアンドレスポンスを展開。さらに、前回よりブラッシュアップされたアレンジで、楽曲は遂に完成したと感じた。

　一度メンバー全員が退場した後、かどが再び現れてドラムソロを叩き始めた。そこに合わせてhicoが旋律を奏でていく。HYDEは、ステージ脇からチラッと観客の様子を伺いながら、静かに登場。自身がデザインを考案したというツアーグッズのベースボールシャツに身を包んでおり、間から覗いている蛇のタトゥーも色気を放っている。そして「全員一緒にいこうぜ！」と勢いよく「AHEAD」がスタート。3年の鬱憤を晴らすかのように強い雄叫びを上げていく。続いて「ヘビーな曲に仕上がりました」と語った、未発表新曲「I GOT 666（仮）」が披露された。改めて「666」という数字をタイトルに込めているということは、メッセージ性が強い楽曲に違いない。

　移動可能なバンドメンバー台を前方ぎりぎりまで寄せ、ラスト「MIDNIGHT CELEBRATION II」へ。「明日のことは考えてないからね」という言葉通り、シャウト全開で突っ走るHYDE。シンバルを担いで、獅子奮迅のごとくドラムセットを破壊していき、パフォーマンスに一瞬も気を抜かない。バンドアンサンブルの余韻が鳴り響く中、隅から隅まで全員に投げキッスをして、HYDEはステージを去った。

　なお、【HYDE LIVE 2023】は全国7都市全20公演で、追加公演となるツアーファイナル【HYDE LIVE 2023 Presented by Rakuten NFT】は幕張メッセで開催されることも決定した。さらに、VRを使用した大規模なライヴ映像同時視聴イベントや、衣装展示、オリジナルグッズ販売などが実施されるオリジナルテーマパーク【HYDEPARK 2023】も同時に開催中。HYDEの快進撃は始まったばかりだ。

Text by Tatsuya Tanami

◎公演情報
【HYDE LIVE 2023】
2023年6月24日（土）神奈川・KT Zepp Yokohama　SOLD OUT
2023年6月25日（日）神奈川・KT Zepp Yokohama　SOLD OUT
2023年7月1日（土）福岡・Zepp Fukuoka　SOLD OUT
2023年7月2日（日）福岡・Zepp Fukuoka　SOLD OUT
2023年7月5日（水）大阪・Zepp Osaka Bayside
2023年7月6日（木）大阪・Zepp Osaka Bayside
2023年7月8日（土）大阪・Zepp Osaka Bayside　SOLD OUT
2023年7月9日（日）大阪・Zepp Osaka Bayside
2023年7月19日（水）愛知・Zepp Nagoya
2023年7月20日（木）愛知・Zepp Nagoya
2023年7月22日（土）愛知・Zepp Nagoya　SOLD OUT
2023年7月23日（日）愛知・Zepp Nagoya　SOLD OUT
2023年8月5日（土）宮城・仙台PIT　SOLD OUT
2023年8月6日（日）宮城・仙台PIT　SOLD OUT
チケット一般発売中

【HYDE LIVE 2023 Presented by Rakuten NFT】
2023年9月9日（土）千葉・幕張メッセ 幕張イベントホール
2023年9月10日（日）千葉・幕張メッセ 幕張イベントホール
楽天チケット最速先行抽選
抽選申込受付期間：
2023年6月27日（火）12:00～2023年7月9日（日）23:59

◎イベント情報
【HYDEPARK 2023】
2023年7月7日（金）大阪・Zepp Osaka Bayside
2023年7月21日（金）愛知・Zepp Nagoya
入場チケット：4,500円（税込 / 整理番号付 / ドリンク代別）
レイトショー（VR視聴限定）：1,980円（税込 / 整理番号付 / ドリンク代別）