2023/06/09
2023年上半期Billboard JAPANストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”で、Official髭男dismの「Subtitle」が首位を獲得した。
「Subtitle」は、ドラマ『silent』の主題歌として書き下ろされ、2022年10月12日に配信開始。10月19日公開の当チャートで2位に初登場し、翌週には首位を獲得した。その後も順調に数字を積み重ね、25週連続と約6か月にわたって首位の座を守って、上半期の累計再生回数は287,706,788回を記録。同曲は5月にBillboard JAPANチャートにおける史上最速ストリーミング累計4億回再生を突破しており、チャートイン31週目での記録到達は、これまでBTS「Dynamite」が保持していた最速記録を10週以上更新している。
続く2位は、TVアニメ『チェンソーマン』のオープニング・テーマとして書き下ろされた米津玄師「KICK BACK」。アニメ初回放送と同日の2022年10月12日に配信開始、10月19日公開の当チャートで初登場首位を獲得し、上半期の累計再生回数は193,429,943回を記録した。なお、同曲は総合アニメソング・チャート “Hot Animation”において首位を獲得している。
「KICK BACK」のように、アニメ作品とのタイアップが作用してヒットを生むケースも顕著で、TVアニメ『【推しの子】』のオープニング・テーマであるYOASOBI「アイドル」が4位、映画『ONE PIECE FILM RED』の主題歌であるAdo「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」が7位、TVアニメ『SPY×FAMILY』のオープニング・テーマであるOfficial髭男dism「ミックスナッツ」が8位、映画『THE FIRST SLAM DUNK』のエンディング・テーマである10-FEET「第ゼロ感」が9位をマークと、トップ10内の半数を占めた。
なかでも、比較的最近リリースされた「アイドル」は、アニメの放送開始日である2023年4月12日に配信開始され、4月19日の当チャートで初登場首位を獲得。以降、自身初の週間2,500万回超えを記録し、当チャートにおける歴代2位の数字をたたき出し、2023年リリース楽曲としては初、さらに史上最速のチャートイン5週目で累計再生数1億回超えを達成するなど、短いスパンで数々の記録を打ち立てている。
そんななか、昨年末の『第73回NHK紅白歌合戦』で披露されたことで再注目を集めたVaundy「怪獣の花唄」が3位にチャートイン。1stアルバム『strobo』からの先行シングルとして2020年5月に配信開始した本曲は、紅白放送後の2023年1月11日公開の当チャートで3位に浮上。その後も根強く数字を積み重ねて、上半期の累計再生回数は177,096,272回を記録した。自身初のストリーミング累計3億回再生を突破した同曲は、首位獲得こそないものの、現在も123週連続でトップ100圏内を走り続けている。なお、Vaundyは、上半期ストリーミング・ソング・チャート内のトップ100以内に計8曲を送り込んだ。
そのほか、2022年の年間Billboard JAPANストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”で首位を獲得したTani Yuuki「W/X/Y」は高水準を維持して5位、なとり「Overdose」が6位をマークし、TikTokやYouTubeといったプラットフォームでバズを生む次世代アーティストも次々と頭角を現している。
近年リリースされた楽曲が多数チャートインする一方で、過去の楽曲がリバイバル・ヒットしたケースにも注目したい。今回、25位にチャートインしている宇多田ヒカル「First Love」は、1999年にリリースされた1stアルバムの表題曲で、2022年11月24日に配信開始したNetflixシリーズのオリジナル・ドラマ『First Love 初恋』によって再び注目を集めた。12月7日に18位で251週ぶりのチャートインを果たし、さらにはドルビーアトモス版の配信、7インチアナログ盤の発売といった話題性も相まって、12月21日には3位まで順位を上げた。
結果として、ドラマ、アニメ、映画といったタイアップ楽曲が多くみられるものの、チャートインのトリガーは社会的ヒットを記録した映像作品の話題性のみではない。その楽曲自体が長きにわたって聴かれ続けていることが、それぞれの累計再生回数から見えてくる。
Text by Yuma Sakata
【2023年上半期Billboard JAPAN Streaming Songs】トップ20
1位「Subtitle」Official髭男dism(287,706,788回再生)
2位「KICK BACK」米津玄師(193,429,943回再生)
3位「怪獣の花唄」Vaundy(177,096,272回再生)
4位「アイドル」YOASOBI(154,890,460回再生)
5位「W/X/Y」Tani Yuuki(151,369,968回再生)
6位「Overdose」なとり(143,067,237回再生)
7位「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」Ado(142,622,636回再生)
8位「ミックスナッツ」Official髭男dism(135,905,913回再生)
9位「第ゼロ感」10-FEET(134,735,726回再生)
10位「ダンスホール」Mrs. GREEN APPLE(129,806,943回再生)
11位「アイラブユー」back number(128,774,206回再生)
12位「シンデレラボーイ」Saucy Dog(123,149,325回再生)
13位「Ditto」NewJeans(115,687,163回再生)
14位「祝福」YOASOBI(108,839,105回再生)
15位「Habit」SEKAI NO OWARI(108,721,891回再生)
16位「水平線」back number(107,720,062回再生)
17位「ベテルギウス」優里(103,258,713回再生)
18位「Soranji」Mrs. GREEN APPLE(102,426,955回再生)
19位「私は最強 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」Ado(97,526,010回再生)
20位「ドライフラワー」優里(96,795,579回再生)
集計期間:2022年11月28日~ 2023年5月28日
※()内の数字は集計期間中のストリーミング再生回数となります。
※総合ソング・チャート“Hot 100”のストリーミング指標と動画再生指標およびストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”では、一部サービスにおけるデータを無料ストリーミングと有料ストリーミングで分けて集計し、それぞれ異なる係数を乗じているため、再生回数の合算によるランキングとは異なる場合があります。
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