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2023/05/17

<ライブレポート>ゴホウビ、我が家に帰ったような暖かさに包まれたワンマンライブ 「これからもほっと一息つけるような音楽を」

 今年1月にメジャーデビューした4人組バンド・ゴホウビが5月11日、ワンマンライブ【Home Sweet Home!! Vol.1】を東京・渋谷WWWにて開催した。この日はデビュー後初となるワンマンライブで、声出し解禁後としても初。コール&レスポンスなどを通してファンと交流し、賑やかなライブが繰り広げられた。

 1曲目は“おかえり”と“ただいま”を繰り返す「おかえり」でスタート。ゆったりとしたリズムのなか、まるで家に帰ったかのような安心感のある始まりで開演した。そして高らかなシンバルの連打によって、いよいよ空気が動き出す。疾走感あふれる演奏の上で鳴り響くピアノのお洒落なコード感が心地よい「ゴキゲンなLOVER」は、ゴホウビの豊穣な音楽性が光る一曲。開演早々その彼らの音楽世界が、会場中に一気に広がったのを感じた。

 ゴホウビの音楽は、405(Ba.)、むんちゃ(Dr./Cho.)にサポートメンバーを迎えた3人に加えて、cody(Vo./Gt.)とスージー(Vo./Key.)による男女混声ツインボーカルが乗っかることで成立する。このバックの盤石の演奏力と極上のハーモニーこそがゴホウビの強みだ。この2つの軸によって、さまざまなジャンルの音楽を横断しつつも、それらをすべてゴホウビの音楽としてまとめ上げている。

 その後、codyが「みんな楽しむ準備はできてますか? 最高の夜にしよう!」と客席に向かって叫ぶと、オーディエンスも「イエー!」と大声で応える。そこから「次の恋が見つかるまで」「友達だったよね」「ターミナル」とアップテンポな楽曲を立て続けに披露し、序盤を勢いよく駆け抜けた。

 ここでスージーがライブタイトルの意味を明かした。「“Home Sweet Home”というのは、“やっぱり我が家が一番じゃ”という意味なんよ。それじゃけん今日は行き慣れた友達の家に遊びに来とるような感覚で、心持ちゆったりと聴いてもらえたら嬉しい」と方言を交えたアットホームな口ぶりで客席に伝える。そのテーマ性が強く表れたのが、次のアコースティックコーナーだ。演奏陣が楽器を持ち変えて、温かみのある生楽器へとシフト。会場の空気も一変した。そして「kissしよ」にてコール&レスポンスを敢行。codyが「アイラブユー」と歌うと客席から「アイラブユー!」と応えるという、ハートフルなやり取りが行われた。アコースティックな演奏によるゆるやかなムードと、和やかな雰囲気が会場に広がり、まさにスイートな時間が流れる。しっとりとしたバラード調の「好きなんだろ」を披露し終えると、元のスタイルに戻って「ラーメン」へと繋いだ。

 静まった会場の中で、codyが「ゆったりとした曲が続いたので、ここからはテンポを上げて皆さんと一つになりたい」と言う。大きな拍手が起き、間髪入れずに「一糸まとわぬアイを見せてよ」を歌い始めた。この曲はテレビドラマ『全ラ飯』(関西テレビ)のオープニング曲として起用されており、ゴホウビの豊かな音楽性を感じ取れる一曲。モータウンを彷彿とさせる底抜けに明るいサウンドは、聴いていると自然と笑顔になってしまう。ファンキーなリズムについ身体が動いてしまうダンサブルなナンバーの「SABISHINBO STREET」では、演奏陣の熱いソロプレイに心を掴まれた。“ゴホウビエクササイズ”と称した曲に合わせて腕を動かすコーナーが用意されている「ラムネ」では、会場中が文字通り一つになった。スピード感のあるパワフルな演奏がクールな「NO RAIN, NO RAINBOW」には、ロック的な熱いメンタリティも感じた。こうしたバラエティ豊かな楽曲の中に、ゴホウビの多様な側面を確認できた。

 ここでcodyが「今日は来てくれて本当にありがとう」と感謝を伝えた。そして続ける。「俺たちは誰かの心に寄り添える音楽というのをテーマに掲げてきた」「あなたの心が落ち着くような、ほっと一息つけるような音楽を一生懸命これからも作っていきたい」。披露したのは「好きな服」。自分自身の“好き”を貫くことを肯定してあげるこの曲を、力強いボーカル表現で歌い上げ、本編は終了した。アンコールは「ラブ≠∞」にて再スタート。物販紹介のコーナーではメンバー同士の軽快なトークが繰り広げられ、何度も笑いが起きた。ラストは「LIFE」を披露。最後は「明日から行ってらっしゃい!」と告げ、拍手喝采のうちに公演は幕を閉じた。“おかえり”から“行ってらっしゃい”まで、まさに家に帰ったような一夜であった。

 ゴホウビのライブを観ていると、疲れた心が癒される感覚がある。癒しと笑いが適度に織り交ぜられており、会場は愛であふれていて、時間がたつのをつい忘れてしまうような幸せな空間が広がっている。11月にはすでにワンマンライブが開催されることも決まっているというゴホウビ。彼らは日常に疲れた人々を癒す“ご褒美”として、今後も求められていくだろう。

Text:荻原梓
Photo:鈴木友莉


◎公演情報
【Home Sweet Home!! Vol.1】
2023年5月11日(木)
東京・渋谷WWW

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