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2023/05/12

<イベントレポート>ビートルズ/ローリング・ストーンズなど、ロックレジェンドたちの未公開写真NFTを販売する『Legends Of Rock』がサービスイン

 ビートルズ、ローリング・ストーンズ、クイーン、デヴィッド・ボウイ、レッド・ツェッペリン、エルトン・ジョンといったロックレジェンドたちの貴重な未公開写真のスライドNFT、現物ポジフィルムを所有できるオンラインゲームがスタート。Animoca Brandsが支援するMADworldは、世界のトップミュージシャンの写真を保有するストックフォトGlobe Photosとの戦略的パートナーソップによる初の公式キャンペーン『Legends Of Rock』を5月18日にサービスインする。

 この『Legends Of Rock』に出品される写真は、門外不出の1,000枚のビンテージフォトのコレクション。Globe Photosによる鑑定が付いている。Globe PhotosのCEO、クラウス・モラーは、「ポジフィルムのほとんどは、半世紀以上にわたって古い倉庫の棚の中に隠れていましたが、Web3の力で、これらの音楽史に残る伝説に、新しい命を吹き込んでくれました」と語る。

 Web3プロジェクト『Legends Of Rock』に参加するには、キャンペーンサイトでチケットを購入し、「Rockbox」というゲームをプレイ。ユーザーは1%の確率で写真スライドNFTと、オリジナルのポジフィルムを手に入れる権利を獲得できるという。ユーザーはゲームをプレイする度にレベルが上昇し、チャンスが拡大。プレイ数が100回に達すると自動的に写真スライドNFT1枚を獲得できる、当選保証機能も備わっているという。

 ローンチに先駆けて、4月19日にはオークションイベント【Legends Of Rock Auction 2023】が東京・銀座のShinwa Auctionで開催。選りすぐりの10点のスライドが、現地入札とオンラインによってオークションにかけられた。その結果、1972年にレッド・ツェッペリンが日本ツアーからイギリスのヒースロー空港に到着した際に撮られた記念写真が最高値の110万円で落札。次点のデヴィッド・ボウイの『ジギー・スターダスト』時代の写真が95万円、クイーンの「I Want To Break Free」のビデオ撮影時の4人のメンバーの集合写真が85万円、エルトン・ジョンが自身のステージ衣装に囲まれた撮影された1枚が80万円と続き、時間を追うごとに、会場はどんどん熱気に包まれた。

 オークションの前には、ゲームのデモストレーションも行われ、各代表が挨拶。MADworld Hong Kong LimitedのCEOであるロバート・トランは、「これらのスライドの一つをNFTとして所有することで、コレクターはこの文化的遺産を共有し、音楽の一部を次世代に伝えるために保存することができます」と語った。

 同プロジェクトのサポーターを務めるラジオパーソナリティのクリス・ペプラーは、Animoca Brandsのファウンダーである谷元樹氏とは20年以上の付き合いがあり、ロックレジェンドたちの写真をNFTとして所有することの意味合いについて、以下のようにコメント。


──本プロジェクトにどのように関わっているか改めてご教示ください。

アニモカブランズのファウンダー谷さんと昔からの友人でかれこれ20年以上のお付き合いがありました。

そうしたご縁もあり、今回の『Legends Of Rock』プロジェクトのサポーターに入る機会をいただきました。

また私自身も、仕事として国内外の音楽シーンに35年以上関わっており、『Legends Of Rock』に登場するロックスターのライブを数多く観てきた経験も持っています。

レッドツェップリンやデヴィッド・ボウイのライブだったり、あとはローリングストーンズやレッドツェップリンのインタビューを担当させていただいたりと、レジェンド達の動向もリアルタイムに追っていたんですよ。

──本プロジェクトの取り組みについて率直にどのように思われるか。

日本はweb3やNFTが話題になってはいるものの、他国と比べれば様子見しているような印象を受けています。そんななか、今回の『Legends Of Rock』でフィジカルのアイテムを所有するというのは、非常にわかりやすいですし、NFTに詳しくない人にとっても、ひとつの取っ掛かりになるのではと思っています。

あとは、20世紀のカルチャー遺産という部分では「Vinyl」(レコード)もありますが、そういったフィルムというのは1世紀経ってくると、前世紀から価値として残るものは非常に限られるわけで、その有限なものに対してNFTをつけていくのは、とても理に適っていると感じています。

──ロックレジェンドたちの写真をNFTとして所有することの意味合い、得られるものとはどういったものとお考えでしょうか。

『Legends Of Rock』は20世紀型のフィジカルな“1点モノ”の未公開写真と、デジタルアセットの両方をコレクションできるのが、今までにない喜びや楽しさが得られるのではないでしょうか。

レコードに関しても、これからもっと価値が上がってくると思いますし、二つと無いフィジカルなものの希少価値も高騰するでしょう。それは嗜好品としてだけではなく、財産としてコレクションできるバリューもあるのが『Legends Of Rock』だと考えています。

秘蔵の未公開写真を手に取ると、まさに時代の切り取りというか、二度と戻ってこない60年代~70年代の雰囲気や感覚、スピリットみたいなものも宿っていると思うんです。

そういう意味では、歴史的価値も非常に高いと感じていますね。

──こうした新しい取り組みが、音楽業界や音楽ファンにどのような影響があることを期待しますか。

日本はまだこれからだという気はしていますが、『Legends Of Rock』や今回のオークションが、NFTに対する啓蒙やイントロダクションの役割を果たすのではと思います。

ブロックチェーン技術を使えば、確固たるバリューは築けるわけですが、どうしても日本人は実態のないものに関しては慎重になりがちなので、『Legends Of Rock』がNFTに興味を持つひとつのきっかけにはなればいいのかなと感じています。

また、僕自身が音楽シーンを見ているなかで、これからいろんなアーティストやバンドがNFTに入ってくると予想していますね。

とりわけ、音楽ビジネスにおいてはマーチャンダイジングの収益性が高まっており、バンドやマネジメント事務所にとっても、NFTは魅力的な分野になっています。

──NFT化されるフォトをご覧になって特に気に入っているものや注目したいものなどありますか。

もちろん、どれも魅力的に映っていますが、僕としてはレッドツェップリンが一番好きですね。
レッドツェップリンのメンバーの中で唯一会っていないのはジョンボーナムだけで。

あとは記者会見やイベントの司会、インタビューの現場などで全員とお会いしていて、今でも鮮明に覚えているくらい、レッドツェップリンに思い入れやこだわりがあるんですよ。

──最後に本企画を通じて音楽ファンへ向けてメッセージをお願いします。

『Legends Of Rock』をきっかけに、NFTがもっと広まってくると思いますし、クラシックロックと最先端のデジタルアセットの融合は非常に面白く可能性がある。

web3におけるバリューやアセットマネジメントにも楽しむヒントがあると思うので、いろんな角度から『Legends Of Rock』に注目してほしいですね。

Text by 村上ひさし


◎イベント情報
【Legends Of Rock Auction 2023】
2023年4月19日(水)東京・銀座Shinwa Auction

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