2023/05/10
Saucy Dogが【Saucy Dog HALL TOUR 2023“in your life”】を開催した。全公演ソールドアウトしている今回のツアー、5月1日に東京ガーデンシアターにて行われた公演をレポートする。
開演時刻を過ぎ、SEが鳴り響くステージにメンバーが一人ひとり登場。石原慎也(Vo./Gt.)、秋澤和貴(Ba.)、せとゆいか(De./Cho.)の3人でドラムセットの前でグータッチをして気合いを入れると、ライブは「スタンド・バイ・ミー」でスタートした。シンプルな照明でじっくりと演奏に聴き入ることができ、ライブバンドとしての底力を存分に味わうことができた。曲終わりに石原が「Saucy Dog HALL TOUR 2023“in your life”!元気に帰ってまいりました!信じて待っててくれてありがとう!よろしくねー!」と挨拶し、「煙」へ繋げる。歌い出しはボーカルと最低限のギターサウンドで切なく、サビは疾走感のあるバンドサウンドでエモーショナルに届けた。清涼感のあるメロディに合わせてリスナーがクラップを鳴らした「シーグラス」、秋澤とせとのコーラスも響いたアッパーなナンバー「雀ノ欠伸」を続けて披露し会場を盛り上げた後、MCセクションへ。
「Saucy Dogは2021年12月にもガーデンシアターでワンマンをやらせてもらったんですが、それから約1年半で2days開催できるようになりました。めちゃめちゃ成長していると感じられて嬉しいです。みんなのおかげです、どうもありがとう!」とせとが感謝の言葉を述べた。そして石原が「俺たちのバンドをより多くの人に知ってもらうきっかけになった曲」と言って披露したのは「シンデレラボーイ」。これまでのライブでは中盤~後半に歌っていた印象だったので、早めの段階でこの曲を持ってきたのは意外だった。彼らが本曲以外にも数々の名曲を生み出していることは周知の事実ではあるが、「後半に届けたい良い曲がまだまだある」という自信の現れにも感じられた。
「BLUE」と「東京」を挟んだ後は、ワンマン恒例のアコースティックセクションへと展開。「コロナ期間は声出しありのライブを経験できていなかったので、みんなの声が聞けることがすごく嬉しい」と話した後、せとがボーカルを担当する「ころもがえ」「いつもの帰り道」を披露。せとがタンバリンを叩いたり石原がコーラスを入れたりするパートもあり、アコースティックならではの音色と温かみを感じることができた。「film」では、石原のウォームな歌声が切ないラブソングの世界観をさらに際立たせていたのも印象深い。
後半戦はラストスパートに向けて演出も華やかさを増し、さらに盛り上がりを見せていく。レーザーのような照明とパワフルな演奏で魅せた「メトロノウム」や「雷に打たれて」では秋澤が動き回ったりリスナーが手を挙げたりと、それぞれが今という瞬間を噛み締めながら楽しんでいた。「立ち止まらなくていい、自分を信じていい」と石原が語って始まった「現在を生きるのだ。」と、亡き祖父母を想って作られた大事な曲だという「紫苑」は、ゲストにストリングスとキーボードのメンバーを迎えたスペシャルパフォーマンスで演奏された。壮大かつドラマチックな演奏は会場いっぱいに響き、リスナーの目と耳を釘付けにしたことだろう。そしてラスト2曲は最新曲「怪物たちよ」と「優しさに溢れた世界で」で締めくくり、本編を終えた。リスナーの心に寄り添い続けてきたサウシーらしい、幸福感で満ちた空間だった。
鳴り止まないリスナーからの「アンコール!」に応えて再びステージに登場した彼らが届けたのは、「Be yourself」。中盤では秋澤がフロアにマイクを向け、リスナーのシンガロングとクラップ、せとのドラムで歌われるパートも。サウシーからの「自分らしく生きていい」という優しくも心強いメッセージを受け取り、本公演は幕を閉じた。
Text:伊藤美咲
Photo:白石達也
◎公演情報
【Saucy Dog HALL TOUR 2023“in your life”】
2023年5月1日(月)
東京・東京ガーデンシアター
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像