Billboard JAPAN


NEWS

2023/04/28

作曲AI「FIMMIGRM(TM)」によるコライトワークショップイベントレポートが到着

 作曲AI『FIMMIGRM(TM)(フィミグラム)』を活用したワークショップ【Eggs Presents FIMMIGRM - AI Music Lab. -】が、3月4日にレコチョクにて開催された。

 FIMMIGRM(TM)はagehaspringsの代表を務める音楽プロデューサー玉井健二がプロデュースした作曲AI。卓越したヒットソングのトラックを分析・学習させた「AIトラックジェネレーター」を介してAIが自動で作曲し、ハイクオリティなオリジナル曲をメロディの類似なく作成することができる。

 イベントの冒頭では株式会社エッグス 代表取締役社長の柴崎栄太郎氏、株式会社TMIK CTO / PARTY 執行役員 Tech leadの梶原洋平氏、株式会社TMIK COOの齊藤悠貴氏、リアルサウンドテック 編集長の中村拓海氏が登壇し、ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーがMCとして進行。各登壇者の自己紹介を挟み、柴崎氏が「インディーズアーティストの創作を支援するEggsにとっても画期的なサービス」とFIMMIGRM™を紹介したあと、梶原氏が同サービスの操作方法を解説した。

 梶原氏は「agehaspringsの作家も、とんでもない量のメロディストックを抱えていて、急に楽曲が必要になった時は、そこから引き出してくることもある」と明かしたほか、過去に自身がメジャーレーベルからデビューした際に「タイアップ案件が急に入ってきて『3日後までに50曲作って』と言われたときにすごくしんどかった経験もある」と、現在につながるアーティスト時代の苦悩を語った。

 もちろん、そんな梶原氏の当時の悩みはFIMMIGRM(TM)を使えば解決可能。生成後にダウンロードできる素材はWAV形式(メロあり・メロなし)とMIDI形式の3つだが、生成時に“ジャンル”で「Simple」を選択しておけば、複雑ではないシンプルなメロをいくつも自動作曲することができるからだ。これをもとに膨らませていけば、ゼロから大量のデモを作る必要はなくなる。吉田氏は梶原氏のこの説明に「シンプルにいえば、音楽のガチャのようなものですね!しかも他の人と被らない=コモンがないタイプの」とわかりやすい例を添えてリアクションした。

 そんなさまざまな機能を使って制限時間3時間で15~60秒の楽曲を制作する、というワークショップがスタート。参加したアーティストは米澤森人、DADA GAUGUIN、灰かぶり、Night to Lie、Suhm、kijin、Kangaroockの7組。それぞれラッパー、シンガー、バンドマンなど活動形態も多様で、持ち込み機材もギターやサンプラー、キーボードのほか、エフェクターやアンプシミュレーターなど多岐にわたった。

 実際の制作風景も、小さいデスクに各自の機材が最小限に展開されるだけで、ほぼほぼラップトップとDAWで作業が進んでいく。歌などのレコーディングが必要なアーティストのみ席を離れて録音する場面もあったが、一部参加者はラップをその場で録って完結。FIMMIGRM(TM)を使った作曲はいかに敷居が低いかを象徴するかのようなワンシーンだった。

 後半はアーティストによる楽曲発表の時間が設けられ、7組のアーティストが本AIを使った作品を披露した。柴崎氏は「今回はみなさんに学びがあったのなら嬉しいが、それ以上に我々がフィードバックをうけて勉強させていただいたと思います。AIで楽曲を作る未来が来たとしても、それを作り手のインスピレーションが超えていく、切磋琢磨していくというのが音楽カルチャーのすごいところだなと感じました。音楽家の地位を向上させるというFIMMIGRM(TM)の見立ては正しいのだと改めて実感したし、我々もみなさんをサポートできるように今後も頑張っていきたいです」と熱く語った。

 梶原氏は「見ていると結構早めに仕上げている方も多かった。よく『AIは音楽家の仕事を奪う』なんて言われるんですが、音楽の進化って基本的にツールの進化に紐づいているので、ピアノができて楽譜ができて、レコードができてサンプラーができて、MIDIがあってシンセサイザーができてという歴史がある。ツールが制約を生んで、制約のなかで生まれた音楽が新たな時代を生むわけです。世の中の音楽が好きな人たちが、ピアノやギターを弾けなくてもよりかっこいいものを作れると楽しい世界になるし、弾ける人たちがもっとかっこいい音楽を作れる世界になると良いなと思う」と、興奮気味に話してくれた。

 また、吉田氏は「最近のAIのトレンドとして一番効率の良い使い方は“副操縦士的に使う”ということ。そういった意味で今回は楽曲制作をする側ーー機長としてのレベルの高さも感じた。チョップや逆再生など、確かにそういう使い方もあるのか」と、驚きを隠せない様子だった。FIMMIGRM(TM)は今後もさまざまなアップデートをしながら、作曲家の地位をより向上させるサービスとしてアップデートを続けていく予定だ。今回のワークショップイベント開催をきっかけに、現在EggsではFIMMIGRM(TM)の半年間無料クーポンプレゼントキャンペーンを5月31日まで期間限定で実施。特設ページではアーティスト7組による完成楽曲が公開されている。


◎イベント情報
【Eggs Presents FIMMIGRM - AI Music Lab. -】
2023年3月4日(土)
レコチョク
https://eggs.mu/music/project/fimmigrm

 

ACCESS RANKING

アクセスランキング

  1. 1

    <ライブレポート>ano「次に会う時まで必ず生きて」――ツアー追加公演完走、音楽でたどり着いた“絶対聖域”

  2. 2

    ロゼ&ブルーノ・マーズ、11/22大阪開催【MAMA】で「APT.」世界初披露へ

  3. 3

    【先ヨミ】timelesz『because』24.9万枚で現在シングル1位独走中

  4. 4

    【先ヨミ・デジタル】JIN『Happy』がDLアルバム首位走行中 NEXZ/Aile The Shotaが後を追う

  5. 5

    <インタビュー>米津玄師 新曲「Azalea」で向き合った、恋愛における“距離”――「愛情」の源にある“剥き身の生”とは

HOT IMAGES

注目の画像