2013/05/17
大ヒットを記録したマイケル・ジャクソン『THIS IS IT』にも大フィーチャーされ、数々の大物アーティストたちとの共演してきた大注目のギタリスト、オリアンティが5月13日、14日の2日間六本木・ビルボードライブ東京で来日公演を開催した。
まず彼女のギター&ヴォーカルにベーシストとドラマーを加えただけのトリオという編成が潔い。これは裏を返せば、彼女の表現者としての自信の表れでもある。そして、期待どおりその自信を証明するサウンドを聴かせてくれた。
彼女はこれまでにスティーヴ・ヴァイ、サンタナ、プリンス、マイケル・ジャクソン、アリス・クーパーなど錚々たる大御所との共演を果たしてきたが、その理由はスーパー・テクニックやルックスだけではない。生で観ればその理由が分かる。それは、彼女がミュージシャンの間だけではなく、リスナーに対しても世代を超えてアピールする“華”を持っていること。皆、この“華”が手に入らなくて悩んだり苦労したりするのに、まだ28歳という若さで彼女はそれを備えている。そしてギターという楽器を、音楽というものの本質を、深いレベルで理解している素晴らしいアーティストだ。
機材はポールリード・スミスのギターとEVHのアンプ。そして足元にはコンパクト・エフェクター3台(チューナー→赤い個体:おそらくブースターかオーバードライヴ→ワウペダル)の直列繋ぎ。このシンプルなシステムから骨太なギター・サウンドを生み出す。ソロで頻繁にワウを使用する以外は、手元のボリューム操作だけで音量と歪みをコントロールする本格派である。1曲だけ披露したボトルネックがウエストコースト系の響きではなく南部っぽい雰囲気を持っていたのも印象的だった。
演奏したのはヒット・アルバム『BELIEVE』からの曲が大半。全体的には曲ありきのギターというスタンスをとっていたものの、歌いながらのバッキングでもさりげなくものすごいストレッチ・コードを押さえていたりして、まったく恐るべし・・・。とは言え、スティーヴ・ヴァイと共作したインスト「HIGHLY STRUNG」やアンコールで披露したジミ・ヘンドリックスの「VOODOO CHILE」ではこれでもかと弾きまくり、ギター・マニアたちを納得させてくれた。ぜひ、5年後、10年後と末永く観たい聴きたいアーティストである。
また、彼女は本日5月17日にビルボードライブ大阪で公演を行う。
Text:近藤正義
Photo:Masanori Naruse
◎公演情報
5月17日 ビルボードライブ大阪
1stステージ 開場17:30 開演18:30
2ndステージ 開場20:30 開演21:30
info:http://www.billboard-live.com/
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