2013/05/13
日本初上陸となる伝説的フェス【OZZFEST JAPAN 2013】が2013年5月11日、12日、千葉・幕張メッセにて開催された。
30年以上の時を越えてオリジナル・メンバーで再結成を果たした、同フェスの主謀者でありメタルの創世主 オジー・オズボーン率いるブラック・サバスを筆頭に、HR/HMバンドを中心とした国内外アクトが2日間に渡りパフォーマンスを行った。会場は横並びに設置された2つのステージで交互にライブが行われ、鑑賞エリアに居続ければ全アーティスト鑑賞可能、息つく暇なく音の嵐を浴び続けることが出来るスタイルだ。
フェス初日、5月11日のヘッドライナーを務めたのはもはやカテゴリー分類不可、予測不能の超絶パフォーマンスと唯一無二の存在感で全世界を震撼し続ける覆面集団 スリップノット。ステージを覆っていた白幕が落ち、白装束のメンバーが姿を現す…そんな完璧なまでのプロローグに始まり、火柱やダイヤモンド・ダストなどの特効が獰猛でカオティックな荒地と化したステージ上を非現実な空間へと昇華させていく。また、3年前に亡くなったベーシスト ポール・グレイの番号#2が大きくステージバックに浮かび上がる演出もこの上なく憎い。現地の言葉を積極的に使うMCでおなじみのコリィは、今回も「ナカユビタテローーーッ!!!」「トベッ!トベッ!」などと日本語でオーディエンスを煽る。「ピープル・イコール・シット」「スピット・イット・アウト」「レフト・ビハインド」「サイコソーシャル」などベスト盤的選曲でトータル2時間弱、単独公演に引けを取らない狂気のパフォーマンスに、モッシュピットは炎のように広がり、激しく燃え上がっていた。
そして2日目、大トリを飾ったのはもちろんブラック・サバス。モニターに「BLACK SABBATH」の文字が浮かび上がっただけでオーディエンスの大多数が沸騰寸前。それも当然、同じステージに、そして、まさか自分の視界の中に!!オジー、トニー、そしてギーザ―の3人が収まる瞬間…それはまさに奇跡以外の何物でもないだろう。やがて例のサイレンが鳴り響き「ウォー・ピッグス」のイントロがスタートすると、歓喜、拍手、絶叫、雄叫び、あらゆる感情表現がノイズとなり空中でぶつかり合い、次第に巨大なシンガロングへと変わる。オリジナル・サバスがそこに居る、なんて感動を噛みしめる余裕もなく、歌い、叫び、飛ぶ。誰もが無我夢中で、奇跡の光景から激しく流れ出る音の行水を全身で浴びていた。6月にリリースとなるニューアルバム『13』からの新曲「ゴッド・イズ・デッド?」もシンプルながらも重厚で悪魔的、「ブラック・サバス」「アイアンマン」などの流れを汲んだ、まさに初期サバスのコンセプトそのものといったナンバーだが、決して過去の焼き直しに感じない。それはきっと、彼らのコンセプト、彼らの音楽は、もはや“暗闇”“恐怖心”などいったものと同レベルの普遍性を持っているからに違いない。アンコール「パラノイド」でのオーディエンスの異様なまでの一体感に、“思わず”と言った感じで笑みがこぼれたオジーは「また来年会おう!」という言葉を残し、そのパフォーマンスとは一転、静かにステージを去っていった。
多くの音楽ファンにとって長年待ち望んでいたオズフェスの日本上陸。開催前にファンやメディアを巻き込み様々な議論が行われたのも、このフェスが多くの人にとって思い入れのある、特別な存在であったからに他ならない。サバスの再結成~オズフェスでの来日~ニューアルバムのリリースという一連の奇跡について、まずは“メタルの神様”に心より御礼申し上げたい。
◎公演情報
【Ozzfest Japan 2013】
日時:2013年5月11日(土)~12日(日)
会場:幕張メッセ 国際展示場 9、10、11ホール
More Info:
http://ozzfestjapan.com
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
1
ミセス/Jung Kook/ILLITがキリバン突破:今週のストリーミングまとめ
2
SEVENTEENが癒し&傷を表現、日本4thシングル『消費期限』コンセプトフォト
3
<インタビュー>本田康祐(OWV)×工藤大輝(Da-iCE)が新曲「Frontier」でコラボレーション、慕いあう二人が求めるグループの形
4
【ビルボード】東方神起『ZONE』がDLアルバム首位、藤井 風『Fujii Kaze Stadium Live "Feelin' Good"』は3位デビュー
5
超特急、「AwA AwA」総合首位獲得コメントが到着「8号車と一緒に掴んだ1位は、僕たちにドーパミンを感じさせてくれておりますッ」
インタビュー・タイムマシン
注目の画像