2023/02/20
シザの『SOS』が通算9週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
『SOS』は、今週の集計期間中(2023年2月10日~2023年2月16日) アルバム・ストリーミングが92,000(7%減少)、アルバム・セールスが500(1%減少)、トラックによるユニットも500(2%増加)をそれぞれ記録し、累計93,000ユニットを獲得した。アルバムの週間ストリーミングは1億2,673万回を記録している。
Billboard 200で女性アーティストのアルバムが9週以上首位を獲得したのは、2015年12月12日~2016年3月12日付まで10週(非連続)を記録した、アデルの『25』以来約7年ぶりで、過去10年間では2014年~15年に11週(非連続)を記録したテイラー・スウィフトの『1989』を含む3作しかない。
R&B/ヒップホップ・アルバムにカテゴライズされる作品としては、2016年5月から10月まで非連続で13週を記録したドレイクの『ヴューズ』以来約7年ぶりの記録で、女性アーティストによるR&B/ヒップホップ・アルバム、R&Bアルバムが9週以上首位を獲得したのは、1991年に11週を記録したマライア・キャリーの『マライア』以来約32年ぶりの快挙を達成。また、男性アーティストを含むR&Bアルバムとしては、2004年に同9週を記録したアッシャーの『コンフェッションズ』と記録を並べている(ジャンルの定義はR&B/ヒップホップ・アルバム・チャート、R&Bアルバム・チャートにランクインした作品とする)。
なお、R&Bアーティストの故ホイットニー・ヒューストンが主演を務めた映画『ボディガード』のサウンドトラックは、1992~93年に通算20週(非連続)首位を獲得している。本作には、ホイットニー単独の楽曲が6曲、他のアーティストによる楽曲が6曲収録されていた。
チャートに戻り、今週2位にはパラモアの新作『ディス・イズ・ホワイ』が初登場。本作は、2017年5月にリリースした前作『アフター・ラフター』以来約6年ぶり、6枚目のスタジオ・アルバムで、Billboard 200では以下に続く4作目のTOP10入りを果たした。
2位『ブラン・ニュー・アイズ』(2009年)
1位『パラモア』(2013年)
6位『アフター・ラフター』(2017年)
2位『ディス・イズ・ホワイ』(2023年)
『ディス・イズ・ホワイ』の初動ユニットは64,000で、その内訳アルバム・セールスが47,000、アルバム・ストリーミングが17,000 (2,130万回)、トラックによるユニットは残りのわずかだった。本作からは、リード・シングルの「ディス・イズ・ホワイ」がオルタナティブ・エアプレイ・チャートで首位を獲得し、アルバムのプロモーションに繋げている。なお、同チャートでは過去11曲がランクインしているが、首位を獲得したのは「ディス・イズ・ホワイ」が初のタイトルとなる。
オルタナティブ・アルバムにカテゴライズされる作品としては、2022年4月16日付で1位に初登場したレッド・ホット・チリ・ペッパーズの『アンリミテッド・ラヴ』以来、過去1年間での最高位を獲得している(オルタナティブ・アルバムの定義はオルタナティブ・アルバム・チャートにランクイン、またはその対象となる作品とする)。
3位は、先週2位に浮上したテイラー・スウィフト『ミッドナイツ』(60,000ユニット / 3%減少)が再びランクダウンし、4位はモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(44,000ユニット / 4%減少)が同位をキープした。『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』は今週でTOP10の滞在週を107週目に更新し、『ウエスト・サイド物語』を上回り歴代3位に浮上した。
Billboard 200(1956年3月24日~)TOP10ランクイン総週記録
(年)は初めてTOP10入りした年
173週 サウンドトラック『マイ・フェア・レディ』(1956年)
109週 サウンドトラック『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年)
107週 モーガン・ウォレン『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(2021年)
106週 サウンドトラック『ウエスト・サイド物語』(1962年)
105週 オリジナル・キャスト・サウンドトラック『サウンド・オブ・ミュージック』(1960年)
90週 サウンドトラック『南太平洋』(1958年)
87週 オリジナル・キャスト・サウンドトラック『キャメロット』(1961年)
87週 サウンドトラック『オクラホマ!』(1956年)
85週 ピーター・ポール&マリー『ピーター・ポール&マリー』(1962年)
5位はバッド・バニーの『Un Verano Sin Ti』(44,000ユニット / 4%減少)が先週の7位から再浮上し、6位はメトロ・ブーミンの『Heroes & Villains』(43,000ユニット / 5%減少)が先週の5位からダウン。6位はドレイク&21 サヴェージの『ハー・ロス』(40,000ユニット / 7%減少)が先週の7位からワンランクアップした。
続いて8位にはリアーナの『アンチ』が先週の50位からジャンプアップし、2016年以来約7年ぶりのTOP10入りを果たしている。今週急上昇したのは、2月12日に開催された【第57回NFLスーパーボウル】のハーフタイム・ショーに出演した反響によるもので、アルバムの週間ユニットは前週から166%増加の36,000に急増している。本作からは、ソング・チャート“Hot 100”で1位をマークした「ワーク feat. ドレイク」、「キス・イット・ベター」と「ポーズ」の一部が披露されている。
『アンチ』がリリースされたのは2016年1月28日で、同年2月20日付と4月2日付の2週首位をマークした。最後にTOP10入りしたのは同年10月16日付で記録した9位で、以降TOP10圏外にランクインした通算記録は、女性R&B/ヒップホップ、R&Bアーティスト最多となる355週をマークしている。
以下、9位はハリー・スタイルズの『ハリーズ・ハウス』(33,000ユニット / 13%減少)が同位をキープし、10位はTOMORROW X TOGETHERの『The Name Chapter: TEMPTATION』(32,000ユニット / 33%減少)が先週の3位からランクダウンした。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは2月24日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『SOS』シザ
2位『ディス・イズ・ホワイ』パラモア
3位『ミッドナイツ』テイラー・スウィフト
4位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
5位『Un Verano Sin Ti』バッド・バニー
6位『Heroes & Villains』メトロ・ブーミン
7位『ハー・ロス』ドレイク&21サヴェージ
8位『アンチ』リアーナ
9位『ハリーズ・ハウス』ハリー・スタイルズ
10位『The Name Chapter: TEMPTATION』TOMORROW X TOGETHER
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