2023/02/13 20:33
清水翔太が審査委員長を務めたオーディション番組『ONE in a Billion』にて結成された8人組ダンスボーカルグループ、ZILLIONが初のワンマンライブ【ZILLION SHOWCASE LIVE “BILLION”】を開催した。2月10日にKT Zepp Yokohamaにて行われた本公演について、オフィシャル・レポートをお届けする。
<オフィシャル・レポート>
平均年齢19歳の8人組ダンスボーカルグループ、ZILLIONが2月10日にKT Zepp Yokohamaにて、初のワンマンライブ【ZILLION SHOWCASE LIVE "BILLION"】を開催した。
ZILLIONは清水翔太が審査委員長を務めたオーディション番組『ONE in a Billion』で、応募総数5,000人以上の中から選ばれた、男女8人組ダンスボーカルグループ。約1年間にわたる審査とトレーニングを経て、2021年12月に最終オーディションの課題曲「Timeless」でプレデビュー。
これまでにシングル4曲とEP1枚をデジタルリリースしながら、本デビューを目指して活動を続けてきた彼らがZILLIONとして初めて人前でパフォーマンスをしたのは、2022年2月にZepp HANEDAで行われた清水翔太のワンマンライブ。オープニングアクトとして出演した“Zepp”に自力で立ちたいという目標を掲げて活動してきた彼らにとって、Zeppでの単独公演は念願のステージであり、会場にはオーディションから見守ってきたファンが集結し、メンバーカラーのペンライトを手に熱い声援を送った。
開演時間になると、ステージ全面を覆う紗幕にデジタルタイマーが映し出され、60秒のカウントダウンを始めるとともに場内がゆっくりと暗くなっていき、高揚感あふれるブレイクビーツに乗せて、メンバーが車や自転車でライブ会場に集合する映像からスタートした。続いて、サーチライトが交錯するなかで紗幕が落ち、グループ名を模した電飾看板とともに横一列になったメンバーがステージに登場。モータウンサウンドをモチーフにしたレトロなソウルポップ「STEP」で派手に華やかにショウの幕を開けた。
笑顔やグッドポーズのフリが印象的なオープニングナンバーでフロアをポジティブなムードで満すと、Z世代らしくSNSがもたらすジレンマをユニークにコミカルに表現したナンバーを連発。速いパッセージの歌謡ソウル「やめとこっか」ではスマホの画面をスワイプし、エイティーズのフレーバーを加味したオントレンドなシンセポップ「NO盛れ NO LIFE」ではクラップを誘発し、1曲の中で8人編成から5人編成となるフォーメーションも展開。アウトロでのメンバー一人ひとりによるあいさつを経て、ケイジのビートボックスをフィーチャー。フリースタイルで繰り出される低音の効いたビートボックスをバックに、カシンとワタルがジャンルの異なるダンスをソロで踊り、男性メンバー3人によるオリジナルの90's R&Bナンバー「Login」ではオーディエンスの心と体をメロウに揺らし、グループの多面性をアピールして観客を盛り上げた。
1月25日にリリースしたばかりのPre-4thシングル「Cool or Cute」では、再び8人編成となり、2チームに分かれて、二面性を視覚化させたダンスバトルを展開。ワタルがカオラをお姫様抱っこしてスピンするなど、次々とフォーマーションが変化していくダイナミックなパフォーマンスを繰り広げ、初めて見た人でも一瞬で惹きつけられるようなステージを見せてくれた。
そして、ABEMAの恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。』に2期連続で参加し、人気を集めているルナが一人だけステージに残り、「歌うことがものすごく好きで、私にとって歌はとってもとっても大切なものです。口下手で自分の感情を人に伝えるのがとっても苦手なんですけど、そんな口下手な私が、唯一自分の感情を表現できるのが歌なんです。私の人生の中では必要不可欠な存在です」と独白。ソロによるバラード「“すき”の気持ち」で切ない恋心を表情豊かに歌い上げると、フロアは彼女のメンバーカラーであるピンクのペンライト一色となった。
さらに、タイラ、カオラ、モカ、リオンがステージに上がると、女性メンバー5人による未発表の新曲「振り向いてほしい」では、スタンドマイクで一人ずつ丁寧に優しく歌い継ぎ、それぞれの声の個性を際立たせるとともに、フューチャーベースに変化する間奏ではしなやかでセクシーなダンスを表現。さらに、一転して、8人体制による攻撃的なオルタナティヴR&B「冗談じゃないわ」では、逆境を乗り越えて、本当の自分で勝負する強い姿勢を打ち出すなど、新世代パフォーマンスグループとしての高いポテンシャルを証明して見せた。
メンバー全員が揃ったMCではリーダーのリオンが「プレデビューして1年間、ケンカももちろんありましたけど、楽しく8人でステージに立てているのは嬉しい」と語ると、タイラが「もともとは年齢や性別、環境も全く違う8人が集まっていて。個性的でバラバラな私たちが一つになるのは難しいことなんですけど、パフォーマンスするときは必ず一つになります。これからもみんなで一つになってパフォーマンスし続けていくので、これからも温かく見守ってくれたら嬉しいです」と続け、観客に向けて全員で深々と頭を下げた。そして、ステージ中央で円になって手を繋ぎ、目と息を合わせると、「One Day」の冒頭をアカペラの多重コーラスで届け、ドラマチックにパワフルに歌い上げると、オーディエンスからは大きな拍手がわきおこった。
ここで、場内が暗転し、この日までの軌跡を追ったダイジェスト映像が流れ、最後に「2023年4月19日 メジャーデビュー決定」の文字が映し出されると、フロアからは歓声が上がった。お揃いのスタジャンを着て再登壇したメンバーを代表して、リーダーのリオンが「決してここがゴールだとは思っていません。ここからが本当のスタートだと思ってます」と決意を新たにし、メジャーデビュー曲「EMO」を初披露。タイラが「明るくて元気でめちゃめちゃ楽しい。ZILLIONらしい、スタートにぴったりな曲になってます」と解説した通り、円陣に加えて、TikTokで真似して踊りたくなるような手振りが印象的なファンクやディスコをベースにしたダンサブルなナンバーとなっていた。
フィナーレに向けて、ケイジが「フレッシュかつエネルギッシュなパワーをお届けします。これからも皆さんをZILLION色に染めて、どんどん進んでいきたい」と意気込むと、ルナは会場に集まってくれたオーディエンスに向けて愛と感謝の気持ちを伝え、リオンは再びこの1年を振り返り、「正直、もう無理かもって思うことがあ
りました」と涙を流しながらも、「でも、今日、この景色を見て、絶対に売れたい、売れてみせると心の底から思いました。大きなグループになるので応援をよろしくお願いいたします」と声を上げた。そして、ルナが「私たちのはじまりの曲です」と語り、最終審査の課題曲でもあった「Timeless」で、オーディションからデビュー決定に至る現在までの集大成といえるショーケースは幕を閉じた。
Z世代を牽引する10億分の1の才能(One in a Billion)として選ばれ、果てしない可能性とスケールを持って羽ばたいてほしいという願いが込められたZILLION。男女混成グループであることに加えて、日本のダンスシーンの急先鋒であるGANMIを率いるSotaによるストーリー性のあるコレオグラフや複雑で立体的なフォーメーションを体現し、既存のダンスヴォーカルグループとは一線を画すオルタナティブな存在感を発揮する彼らが今後どんな道を歩んでいくのか、大きな期待を胸に見守っていきたい。
Text:永堀アツオ
Photo:Yuto Ishikawa
◎リリース情報
シングル『EMO』
2023/4/19 RELEASE
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