2022/12/22
UVERworldが、12月21日に【THE LIVE ~TAKUYA∞生誕祭~】を横浜アリーナで開催した。
7月から12月までライブハウスやアリーナクラスの会場まで、様々な切り口で魅せる全国ツアー【THE LIVE】。12月20日・21日は横浜アリーナ2Daysで、2日目は【TAKUYA∞生誕祭】と銘打ち、この日誕生日を迎えたTAKUYA∞(Vo.)の選曲によるライブが展開された。
前日には彰(Gt./プログラミング)の体調不良で開演10分前に出演が叶わなくなる心配なアクシデントがあったが、果たして今日は? というファンの思いはいい意味で大きく裏切られた。フルキャパシティの熱気の中、モノクロの地球を背景に時を刻むスクリーンの映像、ステージ前方には紗幕に囲まれた立方体。カウントが19時ジャストを示すとSEが流れ、紗幕が落ちると、彰の姿が。彼のギターソロから始まり、メンバーはポップアップで登場するというなんとも彼ららしいスタートを切った。オープニングナンバーは口笛のSEが印象的な「7th Trigger」。アリーナの随所に仕込まれたレーザーが刺さるように放射され、アスリートのような身体能力でメンバー全員が躍動する。誠果(マニピュレーター/Sax.)のブロウが先陣を切る「CORE PRIDE」、“Just do it! Keep your head up!”で声を出すファンも多くいた「ナノ・セカンド」はショートバージョンながら、真太郎(Dr.)が怒涛のツーバスで攻め立てる。
「行けるか? 横浜、ここから俺たちの歴史が始まる!」というTAKUYA∞の叫びはあとから思えばこの日の重大発表のことを指していたのだ。ラテン~ファンクとリズムチェンジにカタルシスを覚える「IMPACT」のあとはTAKUYA∞の「人生が幸せかどうかは収入と関係ない。収入が多くても幸せそうじゃない人をたくさん見てきたから。大事なのは誰と何をやるか。俺たちはあなたたちと会えることで幸せになれそうだ」と、キャリアを重ねてきた今だから歌える人生観を綴る「AFTER LIFE」を歌う。そして、コロナ禍で思うように活動できなかった期間も音楽に絶望することは皆無だったと述べ、「在るべき形」へ繋いだ。これだけ様々な時期の楽曲が並んでもストーリーを作れるのはUVERworldのマインドの一貫性によるものだろう。
彰がいることでこの日は安心感が半端ないと素直に言葉にする克哉(Gt.)。その後、声出しが25%認められたことについて、微妙な喩えが飛び出したが、体を張ったのは信人(Ba.)。張り出したステージに大の字になり、オフマイクで「TAKUYA∞おめでとー!」と叫び、アリーナ全体から大きな拍手が起こった。主役のTAKUYA∞自身は「今日の主役を信人や彰に盗られそう」だと笑っていた。
猛ダッシュした序盤に続いて、通常のマイクとプリズマイザー仕様の白いマイクの使い分けが冴える「AVALANCHE」、シークエンスと生音の両方でヒップホップを消化した「Making it Drive」へ。ブレイクからのサビで竿モノのメンバーが同時にジャンプする様子はもはや漫画的な迫力だ。続く「One Last Time」で見れた、TAKUYA∞のウィスパーと信人のバックビート気味のベースプレイの2ショットはこのバンドの始まりからの歴史を思うとグッとくる。スピーディーな展開で、あっという間に「ENOUGH-1」では信人のアップライトベースが耳を惹いた。
この日はTAKUYA∞選曲ということで「封印してた曲、やっていい?」という声に重なるイントロで歓声が上がる。トライバルなビートと“WE ARE”のコーラスが魂を開放する「WE ARE GO」だ。信人と彰がフロアタムやバスドラを叩いて、ダイレクトに心臓を直撃する。さらなるレア選曲は「誕生日は祝ってくれる人を喜ばせる日だと思う」という言葉から始まった「~流れ・空虚・THIS WORD~」の披露。突き出したステージで歌うTAKUYA∞のもとにメンバーが入れ替わりでプレイをしに来るのも、どんな演出よりバンドの歴史を具体的に見せていた。新しい曲で勝負したいが、リクエストにも応えたい。そんな気持ちから最近人気が高いという「a LOVELY TONE」を披露。R&B寄りのプロポーズソングがファンにとってもリアルな存在になったということなのだろう。
「やる予定なかったけどあの曲、やりたいな」と、その理由をTAKUYA∞が話す。ライブ当日も毎日10kmのランニングをしているTAKUYA∞。昨日一緒に走った人数はなんと1041人。その中に数年で箱根駅伝のシード選手並みのタイムまで早くなったファンがいるという。「イッちゃってる者同士、仲良くしようよって話だよ」と報告し、「THE OVER」を披露。そしてさまざまな人がいて、生きづらいこの時代に自分がとれる態度を真摯に描いた「ピグマリオン」を歌った。
タフな「Massive」のセッションを経て、「行くぜ、後半戦。もっと愛されたいから、売れたいから、歌う!」とUVERworldというバンドの生き方を示す「One stroke for freedom」を遠くまで届くように演奏。さらに冒険の旅に巻き込まれる「Don't Think.Feel」、ファンク×ラガマフィンなビートに乗り、“全部やって確かめりゃいいだろう”と、自分に叫びたくなる「PRAYING RUN」で、アリーナが揺れる。その流れを汲んだ「Touch off」では火柱が上がる中、メンバーがステージの左右に大きく広がるプレイで煽りまくる。
クライマックスはコロナ禍以降の認識を明確にしながらも、信じられるものは自分の価値観だということを畳み掛けるトーキングボーカル、いや、もはやこれは叫びというほかない「EN」。メンバー全員の演奏も“歌う”ようにアリーナを震わせた。この曲を受けて、バンドという生き方に困難をもたらした2年を恨むこともなく、むしろ一緒に考えてくれる人の存在を認識したという。そして「俺らの人生は自分のものだけど、それはあなたの人生でもあるってこと」を歌っている「Theory」を披露。最後にこの楽曲が選ばれたのは、UVERworldというバンドの筋の通し方であり、全編通して腑に落ちる構成だった。
メンバー全員ステージに残る中、映像で初の日産スタジアム2Days公演が発表され、しかも2日目は男性ファン72,000人とメンバー6人が対峙する【男祭り】であることに、ひときわアリーナが湧いた。日本最大級のスタジアムは横浜アリーナのすぐそばだ。まさにこの日、歴史を変える狼煙は上がった。
なお、この【TAKUYA∞生誕祭】はライブ映像作品として2023年3月29日、Blu-ray&DVDでのリリースも決定している。
Text by 石角友香
Photo by 田中和子(CAPS)
◎公演情報
【THE LIVE ~TAKUYA∞生誕祭~】
2022年12月21日(水)
神奈川・横浜アリーナ
【UVERworld premium THE LIVE at NISSAN STADIUM】
2023年7月29日(土)
神奈川・日産スタジアム
◎公演情報
【UVERworld KING’S PARADE 男祭りREBORN at NISSAN STADIUM 6 VS 72000】
2023年7月30日(日)
神奈川・日産スタジアム
◎公演情報
【QUEEN’S PARTY 女祭り LIVE HOUSE TOUR 2024】
2024年春予定(東京、名古屋、大阪、福岡、札幌)
詳細は後日発表
◎公演情報
【QUEEN’S PARTY 女祭りTHE FINAL at HAWAII 2024】
2024年春予定
詳細は後日発表
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