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2022/12/02 09:00

【2022年 米ビルボード年間アルバム・チャート】バッド・バニー堂々の首位、テイラー・スウィフト2作品をTOP10に送り込む

 2022年の米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard200”は、バッド・バニーの『Un Verano Sin Ti』が年間1位に輝いた。

 『Un Verano Sin Ti』はバッド・バニーにとって4枚目のスタジオ・アルバムで、Billboard 200での首位獲得は前作『El Último Tour Del Mundo』に続く2作目、TOP10には通算5作目のランクインを果たした。全編スペイン語によるアルバムがBillboard 200で1位を獲得するのは、2020年12月12日付でバッド・バニー自身の『El Último Tour Del Mundo』がNo.1デビューを果たして以来約1年半ぶり、史上2作目で、ラテン・アルバムが年間チャートで1位を獲得するのは初の快挙となる。

 2022年5月6日にリリースされた『Un Verano Sin Ti』は、5月21日付で1位に初登場してから10月15日付までの約5か月間で通算13週の首位をマークし、集計期間終了の11月12日付まで26週連続でTOP3にランクインした。英語以外のアルバムが首位を獲得したのは本作が史上16作目だが、そのうち複数週をマークしたのは1964年に通算10週を記録したザ・シンギング・ナン(ラ・スール・スーリール)の『ザ・シンギング・ナン』以来58年ぶり、史上2作目で、それを上回る歴代最長記録も更新した。

 また、1位に初登場した5月21日~9月17日付までの時点で18週連続でTOP2をキープし、ステレオ・アルバムとモノラル・アルバムの集計をひとつにした1963年8月以降でのTOP2最長記録も更新している。各週のユニット数は、5月21日~7月30日付まで11週連続(通算16週)で10万を突破し、集計期間終了までの総ユニット数は2022年最高の297万に達している。

 本作からは、全23曲がソング・チャート“Hot 100”で100位内にランクインして、内4曲が週間チャートでTOP10入りを果たした。また、年間チャートでは以下の7曲が100位内にランクインしている。

6位「Me Porto Bonito with チェンチョ・コルレオーネ」(年間20位)
5位「Tití Me Preguntó」(年間22位)
4位「Moscow Mule」(年間44位)
34位「Efecto」(年間69位)
14位「Party」(年間77位)
6位「Después de la Playa」(年間78位)
26位「Ojitos Lindos with ボンバ・エステレオ」(年間87位)

 今年は、『Un Verano Sin Ti』の他にもStray Kidsの『Oddinary』(4月2日)と『MAXIDENT』(10月22日)、BTSの『Proof』(6月25日)の3作が英語以外で構成されたアルバムとして週間チャートで首位を獲得し、史上16作中1/4の4作を占めたことになる。

 年間チャート2位にランクインしたのはアデルの『30』で、2016年の年間1位を獲得した『25』以来6年ぶり、2011年と2012年の2年連続で1位に輝いた『21』に続く3作連続、通算4回目の年間TOP3入りを果たした。2010年以降、年間アルバム・チャートで3作連続TOP10入りしたのは、テイラー・スウィフト、ワン・ダイレクション、リアーナ、ザ・ウィークエンド、ポスト・マローン、ドレイクに続く7組目で、そのうち3作いずれもTOP3にランクインしたのは、テイラー・スウィフトに続く2組の快挙。

 2021年11月19日にリリースされた『30』は、初登場の2021年12月4日付から2022年1月8日付まで6週連続でトップを維持し、集計期間終了まで51週間ランクインした。週間チャートで初登場からの首位獲得週が6週を上回ったのは、昨年の1月23日~3月27日付まで計10週を記録したモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』以来で、女性アーティストでは2020年8月8日~9月12日付の同6週を記録した、テイラー・スウィフトの『フォークロア』以来、約1年半ぶりのタイトルとなる。

 『30』は、初登場した2021年12月4日付で初動839,000ユニットを記録した後、首位を獲得した12月11日付で288,000、12月18日付で193,000、12月25日付で183,000、2022年1月1日付で212,000、1月8日付で99,000をそれぞれ獲得し、登場12週目の2月12日付で200万ユニットを突破した。

 本作からは、リード・シングルの「イージー・オン・ミー」もソング・チャート“Hot 100”で自己最長タイとなる10週1位を獲得し、今年の年間チャートでは4位にランクインしたこれまでには、2ndアルバム『21』から「ローリング・イン・ザ・ディープ」が2011年の年間1位を、3rdアルバム『25』からは「ハロー」が2016年の年間7位にそれぞれランクインしていて、シングル、アルバムの両チャートで3作連続年間TOP10入りするという大記録も打ち立てた。なお、週間チャートで2曲以上10週以上首位を獲得した曲を輩出したアーティストは、アデルの他にボーイズIIメン、ドレイク(各3曲)、ブラック・アイド・ピーズ、マライア・キャリー、サンタナ、ファレル・ウィリアムス(各2曲)の6組がいるが、シングル、アルバムの両チャートで10週以上首位を獲得したアーティストは、アデルが史上初となる。

 続いて年間3位には、昨年の年間チャートを制したモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』がランクインし、2年連続で年間TOP3入りするという快挙を達成した。また、2018年4月にリリースしたデビュー・アルバム『イフ・アイ・ノウ・ミー』も、2020年の年間チャートで29位、昨年が36位、そして今年も35位に3年連続でTOP40入りし、累計200万ユニットを突破している。

 カントリー・アルバムにカテゴライズされる作品が2年連続で年間TOP10入りしたのは、2020年に10位、2021年に7位となったルーク・コムズの『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』以来で、過去10年間では2013年の9位、2014年の7位にランクインしたルーク・ブライアンの『クラッシュ・マイ・パーティ』、2013年の7位、14年に10位を記録したフロリダ・ジョージア・ラインの『ヒアズ・トゥ・ザ・グッド・タイムズ』の計4作がある。

 『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』が初登場したのは2021年1月23日付で、今年の集計期間終了までのTOP10ランクイン総週は94週を記録した。Billboard 200の集計が始まった1956年3月24日付以降、TOP10のランクイン週が90週を超えたのは本作が史上6作目で、サウンドトラックを除く記録としては、ピーター・ポール&マリーの『ピーター・ポール&マリー』(1962年)が打ち出した85週を大きく上回り、歴代トップに立っている。

Billboard 200(1956年3月24日~)TOP10ランクイン総週記録
(年)は初めてTOP10入りした年

173週 サウンドトラック『マイ・フェア・レディ』(1956年)
109週 サウンドトラック『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年)
106週 サウンドトラック『ウエスト・サイド物語』(1962年)
105週 オリジナルキャスト・サウンドトラック『サウンド・オブ・ミュージック』(1960年)
94週 モーガン・ウォレン『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(2021年)
90週 サウンドトラック『南太平洋』(1958年)

 『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』のようにロングランを経て上位にランクインした作品もあるが、テイラー・スウィフトの『ミッドナイツ』は登場わずか2週で今年の年間4位にランクインするという記録を打ち出している。

 2022年10月21日にリリースされた『ミッドナイツ』は、1位に初登場した11月5日付で今年最大の週間ユニット1,578,000を、2週目をマークした翌11月12日付で342,000をそれぞれ記録して、集計期間中だけで累計192万ユニットを獲得した。初週の週間ユニットは、2015年12月12日付でアデルの『25』が打ち出した3,480,000以来、過去7年間での最高記録で、自身の記録としては最大の週間ユニット数を更新している。

 テイラーは、これでデビュー作『テイラー・スウィフト』から本作『ミッドナイツ』まで、10枚すべてのオリジナル・アルバムを年間TOP10入りさせるという大記録を樹立。そのうち、『スピーク・ナウ』、『レッド』、『1989』の3作も、リリースから集計期間終了までの期間が1か月以内で年間TOP10にランクインさせている。

1st『テイラー・スウィフト』2008年 年間5位
2nd『フィアレス』2009年間1位、2010年 年間7位
3rd『スピーク・ナウ』2010年 年間9位、2011年 年間2位
4th『レッド』2012年 年間4位、2013年 年間2位
5th『1989』2014年 年間3位、2015年 年間1位
6th『レピュテーション』2018年 年間1位
7th『ラヴァー』2019年 年間4位
8th『フォークロア』2020年 年間4位
9th『エヴァーモア』2021年 年間4位
10th『ミッドナイツ』2022年 年間4位

 また、昨年11月に再録版として発表した『レッド(テイラーズ・ヴァージョン)』も年間5位にランクインさせていて、今年はTOP10に2作を送り込んだ。年間チャートでの連続ランクインは多数達成してきているが、同じ年に2作を送り込んだのは今年が初となる。なお、昨年4月にリリースした再録版『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』は同月の週間チャートで1位を獲得したものの、2021年の年間チャートでは33位どまりで、唯一TOP10入りを逃している。

 続いて年間6位にランクインしたのは、昨年11月に公開したディズニー映画『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラック。発売日は映画公開前の2021年11月19日で、同年12月4日付で197位に初登場してから、クリスマス・イブにディズニープラスで独占配信された反響を受け、2022年1月8日付で7位にTOP10入りし、2022年1月15日付で1位に到達。翌22日付で首位の座を明け渡したが、1月29日付で返り咲き、3月19日付まで通算9週をマークした。

 週間チャートでサウンドトラックが1位を獲得するのは、2019年12月14日付でトップに立った同ディズニー映画『アナと雪の女王2』以来約2年ぶりで、9週を超えたのは2014年に13週をマークした前作『アナと雪の女王』以来の快挙。サウンドトラックが年間TOP10にランクインするのは、2018年の4位を記録した『グレイテスト・ショーマン』以来4年ぶりで、アニメーション作品としては2017年の6位を獲得した同ディズニー映画『モアナと伝説の海』以来5年ぶりの作品となる。

 本作からは、「秘密のブルーノ」がソング・チャート“Hot 100”で2022年2月5日付から3月5日付まで通算5週首位をマークし、シングル、アルバムの両チャートを制した。サウンドトラックと収録曲がBillboard 200とHot 100で同時に3週以上首位を獲得したのは、映画『デンジャラス・マインド』のサウンドトラックと、クーリオの「ギャングスタズ・パラダイス feat. L.V.」が記録した1995年以来、約27年ぶりで、その「秘密のブルーノ」は今年の年間チャートで24位にランクインしている。

 7位にランクインしたハリー・スタイルズの『ハリーズ・ハウス』は、1位に初登場した6月4日付で前述の『ミッドナイツ』に次ぐ今年2番目に高い週間ユニット521,500を記録し、集計期間終了まで25週間TOP10に滞在した。ハリー・スタイルズの年間TOP10入りは、2020年の4位をマークした前作『ファイン・ライン』に続く2作目で、ワン・ダイレクションの作品を含めると、以下に続く7作目のランクインとなる。その『ファイン・ライン』も、昨年の年間チャートで16位、今年は33位にランクインし、3年連続でTOP40入りした。

ワン・ダイレクション名義
『アップ・オール・ナイト』2012年 年間5位
『テイク・ミー・ホーム』2013年 年間3位
『ミッドナイト・メモリーズ 』2014年 年間4位
『フォー』2015年 年間10位
『メイド・イン・ザ・A.M.』2016年 年間8位
ハリー・スタイルズ名義
『ファイン・ライン』2020年 年間4位
『ハリーズ・ハウス』2022年 年間7位

 なお、ワン・ダイレクションからは脱退したゼイン・マリク含む他のメンバーのソロ・アルバムが年間TOP10にランクインしたことはなく、ハリーが初の快挙となる。

 『ハリーズ・ハウス』からは、リード・シングルとして4月にリリースした「アズ・イット・ワズ」が通算15週の首位を獲得し、今年の年間チャートで2位にランクインした。2ndシングルの「レイト・ナイト・トーキング」も9月17日付で最高3位まで上昇し、年間チャートでは25位に食い込んだ。

 続いて8位には、昨年の年間2位を獲得したオリヴィア・ロドリゴの『サワー』がランクインして、2年連続のTOP10入りを果たしている。本作は、2021年6月5日付でNo.1デビューした後、7月3日、7月17日、24日、9月4日付の通算5週をマークして、昨年の集計期間終了まで26週連続でTOP10に滞在したが、今年に入ってからも8月末までTOP10に非連続でランクインし、2022年11月12日付の時点で通算77週間TOP30に留まるロングヒットを記録した。

 女性アーティストのデビュー・アルバムが2年連続で年間TOP10入りするのは、2009年の8位、2010年の4位にランクインしたレディー・ガガの『ザ・フェイム』以来12年ぶりで、その前にはキャリー・アンダーウッドのデビュー・アルバム『サム・ハーツ』が2006年の1位、2007年の5位に2年連続でランクインしているが、10代の時点で達成したのはオリヴィアが史上初。また、過去10年間でデビュー作を2年連続ランクインさせたアーティストも、他にはいない。

 デビュー・アルバムではないが、ドレイクの『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』も昨年の年間5位、そして今年は9位に2年連続でTOP10入りさせている。2021年9月にリリースした本作は、同9月18日付から10月2日、10月23日、11月6日付の計5週1位を獲得した後、昨年の集計期間終了までTOP10にランクインし続け、わずか11週で年間5位にランクインした。昨年上位にランクインしたのは、初週に過去3年間での週間最高記録を打ち出したアルバム・ストリーミングの勢いにあったが、今年に入ってからは5月までTOP10に長期滞在したことが上位にランクインした理由として挙げられる。

 ドレイクの年間TOP10入りは、以下に続く6作目、通算8回目のランクインで、過去10年間では前述のテイラー・スウィフトに次ぐ2番目、男性アーティストとしては最多記録となる。

『テイク・ケア』2012年 年間3位
『イフ・ユーアー・リーディング・ディス・イッツ・トゥー・レイト』2015年 年間4位
『ヴューズ』2016年 年間2位
『モア・ライフ』2017年 年間5位
『スコーピオン』2018年 年間2位、2019年 年間6位
『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』2021年 年間5位、2022年 年間9位

 TOP10最後はザ・ウィークエンドの『ザ・ハイライツ』が10位にランクインし、2ndアルバム『ビューティー・ビハインド・ザ・マッドネス』(2016年 年間9位)、3rdアルバム『スターボーイ』(2017年 年間3位)、4thアルバム『アフター・アワーズ』(2020年 年間8位)に続く4作目のTOP10入りを果たした。なお、今年の1月にリリースした5thアルバム『ドーンFM』はTOP10入りを逃したが、年間18位にランクインしている。

 『ザ・ハイライツ』は、過去のヒット曲を網羅したザ・ウィークエンドのベスト・アルバムで、『アフター・アワーズ』から輩出されたモンスター・ヒット「ブラインディング・ライツ」や「セイヴ・ユア・ティアーズ」なども収録されているが、各曲のポイントはその週にアクティビティが多い方に割り当てられるため、「ブラインディング・ライツ」と「セイヴ・ユア・ティアーズ」のユニットが『アフター・アワーズ』ではなく、アクティビティが多かった『ザ・ハイライツ』に加算されたことで上位にランクインし続けたというカラクリがある。

 2021年2月にリリースされた『ザ・ハイライツ』は、同年2月20日付で2位に初登場した後数週間TOP10入りしたが、昨年の時点では『アフター・アワーズ』のアクティビティを上回る回数が少なく、年間チャートでは33位どまりだった。一方、今年はそのポジションが入れ替わり、集計期間終了の2022年11月12日付の時点で6位にランクインするロングヒットを記録。最高位は初登場で記録した2位だが、TOP10滞在週は今年だけでも20週を上回り、年間チャートでは10位にランクインした。

 TOP10入りした作品はバラエティ豊かだったが、11位から20位までは15位にランクインしたエド・シーランの『=(イコールズ)』を除き9作がR&B/ヒップホップにカテゴライズされるアルバムで、今年もストリーミングの強い作品が上位にランクインする傾向となった。

 年間11位を記録したドージャ・キャットの『プラネット・ハー』からは、「キス・ミー・モア feat. シザ」(最高3位)、「ニード・トゥ・ノウ」(最高8位)、「ウーマン」(最高7位)の3曲がソング・チャート“Hot 100”でTOP10入りし、アルバムのヒットに繋げた。本作のリリースは昨年の6月で、最高位は初登場の2位だがTOP10に長期滞在し、2021年の年間チャートで20位、今年は11位に2年連続でTOP20入りを果たしている。

 12位にランクインしたフューチャーの『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』は、初動222,000ユニットを記録して5月14日付で1位に初登場した後、集計期間終了まで28週連続でTOP20にランクインした。1位にデビューした5月14日付ソング・チャートでは、リード・シングルの「Wait for U feat. ドレイク&テムズ」も同1位を獲得し、シングル、アルバムの両チャートを制している。週間チャートでの首位獲得数は本作が通算8作目だが、年間チャートでTOP10入りしたことはなく、これまでの最高位は2017年に『フューチャー』が獲得した15位だった。よって、本作で年間チャートでの自己最高位を更新したことになる。

 年間13位は2022年3月26日付で1位に初登場したリル・ダークの『7220』が、14位は1月22日付で自身2作目のNo.1デビューを飾ったガンナの『DS4EVER』がそれぞれランクインし、フューチャー同様に両者とも年間チャートでの最高位を更新している。16位にランクインしたリル・ベイビーの『マイ・ターン』も、発売年の2020年が2位、2021年は10位に2年連続で年間TOP10入りを果たし、今年で3年連続TOP20にランクインするという凄まじいロングヒット記録を打ち立てた。

 一方、年間チャートの上位常連であるエド・シーランは、シンボル・シリーズの『x(マルティプライ』(2015年 年間2位)、『÷(ディバイド)』(2018年 年間5位、2017年 年間4位)に続く3作連続のTOP10入りは果たせず、5月28日付で1位に初登場したケンドリック・ラマーの 『ミスター・モラル&ザ・ビッグ・ステッパーズ』も、年間チャートでは17位どまりだった。上位常連のビヨンセも、8月13日付でNo.1デビューを飾った『ルネッサンス』が年間チャートでは21位で、TOP20入りすら逃している。

 前述のとおり、上位にランクインした作品はいずれもアルバム・ストリーミング数が高く、高セールスを記録して週間チャートで1位を獲得したアルバムの中にも、年間チャートではTOP40にすらランクインできなかった作品がある。とはいえ、数種類のパッケージやCD、LP、カセットテープでのフィジカル・リリースによる効果は大きく、発売日をずらして再TOP10入りを狙うアーティストも多かった。また、例年通り新曲を追加したデラックス盤を後にリリースし、リエントリーさせるケースも継続されている。


Text:本家一成

◎【Billboard 200】2022年年間チャートTOP10
1位『Un Verano Sin Ti』バッド・バニー
2位『30』アデル
3位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
4位『ミッドナイツ』テイラー・スウィフト
5位『レッド(テイラーズ・ヴァージョン)』テイラー・スウィフト
6位『ミラベルと魔法だらけの家』サウンドトラック
7位『ハリーズ・ハウス』ハリー・スタイルズ
8位『サワー』オリヴィア・ロドリゴ
9位『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』ドレイク
10位『ザ・ハイライツ』ザ・ウィークエンド

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