2022/11/24
英ブルース・ロック・バンド、ドクター・フィールグッドのギタリストとして長年活躍したウィルコ・ジョンソンが75歳で死去した。2022年11月23日にジョンソンの家族が彼の死を認め、「これは私たちが決して行いたくなかった発表であり、非常に重い心境で行います。ウィルコ・ジョンソンが亡くなりました。11月21日の月曜日に自宅で息を引き取りました。このとても悲しい時に、家族のプライバシーを尊重していただきましてありがとうございます。RIP Wilko Johnson」と綴った。
ジョン・ウィルキンソンとして1947年に生まれたジョンソンは、英テムズ川河口にある殺風景な工業石油都市キャンビー・アイランドで育ち、学校の教師として働いたあとに、ザ・ピッグボーイ・チャーリー・バンドとして活動していた同郷の友人たちとグループを結成した。バンド名をドクター・フィールグッドに改名後(敬愛するジョニー・キッド&ザ・パイレーツによるピアノ・レッドのブルース・スタンダードのカバーが元ネタ)、1971年にライブ活動を始め、ジョンソンがフィンガーピッキングでザクザクと繰り出す独特のカッティング・スタイルとボーカリストの故リー・ブリローの唸るようなボーカルが特徴の「Roxette」や「Back in the Night」などの人気曲や、ブルースのスタンダード曲「Bonie Moronie」や故ウィリー・ディクソンの「You'll Be Mine」のカバーなどで初期の頃に称賛を得た。
ドクター・フィールグッドは“パブ・ロック”と呼ばれることを嫌ったが、騒々しくエネルギッシュなパフォーマンスで知られ、その様子は1976年の全英1位のライブ・アルバム『Stupidity』(当時の邦題は『殺人病棟』)で最もよく捉えられている。バンドは、これまでに十数枚のアルバムをリリースしている。主にカバーやブルースのスタンダード、ジョンソンが在籍していた頃には彼が書いていたオリジナル曲を織り交ぜた内容で、彼は最初の3枚のスタジオ・アルバム(1975年の『ダウン・バイ・ザ・ジェティ』と『Malpractice』[当時の邦題は『不正療法』]、1977年の『スニーキン・サスピション』)と『Stupidity』にのみ参加し、シンガーのブリローとの対立が報じられ1977年にグループから脱退している。
その後、ソリッド・センダースやウィルコ・ジョンソン・バンドを結成し、1980年には英パブ・パンク・ロッカーの故イアン・デューリー率いるザ・ブロックヘッズに短期間参加した。彼は2000年代まで自身の名を冠したバンドで演奏とレコーディングを続け、12枚以上のアルバムとEPをリリースする一方、世界的人気ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の4エピソードで口がきけない処刑人サー・イリーン・ペイン役を演じるなど、時には俳優としても活躍した。指で弾くために血が吹き出すこともあった特徴的なカッティング・スタイルと、無表情で目を見開くステージ・パフォーマンスで、セックス・ピストルズ、ギャング・オブ・フォー、ザ・ジャム、ザ・クラッシュなど、英国のパンクやポスト・パンクのバンドマンたちに影響を与えたと言われており、ステージ上の表情や風変わりなスタイルを真似されることもしばしばだった。
2012年11月に体調不良で公演を直前にキャンセルしたジョンソンは、2013年1月に末期の膵臓がんと診断されたと発表した。医師から余命1年未満と告げられたため化学療法を見送ることを選択したと明かした彼は、2014年3月にザ・フーのロジャー・ダルトリーと“最後の”とされるアルバム『ゴーイング・バック・ホーム』をリリースした。その後、実は誤診されていたことや、同年末に腹部にあった巨大な腫瘍を取り除く長時間の手術を受け、がんではなくなったことを報告した。
ジョンソンは亡くなる数週間前までライブ活動を続けていた。報道時点では死因は明らかにされていない。
This is the announcement we never wanted to make, & we do so with a very heavy heart: Wilko Johnson has died. He passed away at home on Monday 21st November. Thank you for respecting the family's privacy at this very sad time. RIP Wilko Johnson.
— Wilko Johnson (@wilkojohnson) November 23, 2022
(Image: Leif Laaksonen) pic.twitter.com/1cRqyi9b9X
I’m sad to hear today of the passing of Wilko Johnson, the Dr Feelgood guitarist and singer/songwriter.
— Jimmy Page (@JimmyPage) November 23, 2022
I saw Wilko perform at Koko in Camden in May 2013 and the atmosphere was electric. This show was originally billed as his farewell tour pic.twitter.com/M1sQIEe4mm
Wilko Johnson was a precursor of punk. His guitar playing was angry and angular, but his presence - twitchy, confrontational, out of control - was something we'd never beheld before in UK pop. Rotten, Strummer and Weller learned a lot from his edgy demeanour. He does it right RIP pic.twitter.com/ukoJ69r41h
— Billy Bragg (@billybragg) November 23, 2022
RIP @wilkojohnson
— Cʜʀɪs Sᴛᴇɪɴ (@chrissteinplays) November 23, 2022
I frequently remind people how Dr Feelgood was an influence on the early New York and CBGBs music scene. Great guitarist and performer pic.twitter.com/ZifSnoPA7U
Very sad to hear Wilko Johnson has died. His unique, wired playing & stage presence thrilled & inspired many guitarists, myself included. When I interviewed him a few years ago, he was bright, thoughtful & an astonishing story teller. His presence will be felt for many more years pic.twitter.com/x6ZzQWojXp
— Alex Kapranos (@alkapranos) November 23, 2022
Goodbye Wilko and thank you. #wilkoJohnson pic.twitter.com/8gvHpYhWLW
— Gary Kemp (@garyjkemp) November 23, 2022
Throwback Wednesday: For obvious sad reasons, a day early this week. Following today’s awful news of the passing of the legendary RnB guitar hero Wilko Johnson, here he is with his old friend & flatmate JJ a few years ago. Fly straight Wilko, fond adieu RIP x pic.twitter.com/bKmbxNhmuM
— The Stranglers (Official) (@StranglersSite) November 23, 2022
Rest in Power Mr Wilko Johnson - you fought the good fight, and had a damn good run. when they said it was over, you came back stronger. cheers mate pic.twitter.com/3vXuT8ixtk
— anton newcombe (@antonnewcombe) November 23, 2022
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