2022/11/22 10:00
テイラー・スウィフトの「アンチ・ヒーロー」が4週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
初登場から4週連続で首位をキープした「アンチ・ヒーロー」は、今週の集計期間中(11月11日~11月17日)ストリーミングが前週から12%減少の2,730万回、セールスも91%減少の29,000にそれぞれ下降したが、全体数としては高く、ストリーミング・ソング・チャートで11位から2位に上昇し、デジタル・ソング・セールス・チャートでは2週目の首位を獲得。エアプレイ・チャートでも14%増加の5,860万回を記録して、9位から4位に最高位を更新している。
なお、先週は7つのリミックスによるリリース効果でセールスが1,793%増加の327,000に跳ね上がったが、今週はその反響が落ち着き、91%減少の29,000に大きく数字を落としたという経緯がある。
テイラーにとってHot 100での首位獲得週が4週を超えたのは、2014年に同4週を記録した「シェイク・イット・オフ」以来約8年ぶりで、同年7週をマークした「ブランク・スペース」に次ぐ2番目の記録となる。
2012年「ウィ・アー・ネヴァー・エヴァー・ゲッティング・バック・トゥゲザー」(3週)
2014年「シェイク・イット・オフ」(4週)
2014年「ブランク・スペース」(7週)
2015年「バッド・ブラッド feat. ケンドリック・ラマー」(1週)
2017年「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」(3週)
2020年「カーディガン」(1週)
2020年「ウィロー」(1週)
2021年「オール・トゥー・ウェル (テイラーズ・ヴァージョン) 」(1週)
2022年「アンチ・ヒーロー」(4週)
Hot 100で1位に初登場した曲としては「アンチ・ヒーロー」が史上64曲目で、そのうち初登場からの首位獲得週が4週を超えたのは、2021年6月~7月に7週を記録したBTSの「Butter」(通算記録は10週)以来1年4か月ぶり、通算14曲目の快挙となる。
「アンチ・ヒーロー」が収録されたアルバム『ミッドナイツ』も、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で返り咲き、通算3週目の首位を獲得した。一方、先週1位に初登場したドレイクと21サヴェージのコラボレーション・アルバム『ハー・ロス』は今週2位にダウンし、先週TOP10にランクインさせた8曲も今週は半数の4曲に減少した。
2位「Rich Flex」(先週2位)
6位「Major Distribution」(先週3位)
9位「Spin Bout U」(先週5位)
10位「On BS」(先週4位)
「Rich Flex」は、前週から39%減少の3,610万回に数字を落としたもののストリーミング・チャートでは2週目の首位をキープし、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでも同2週目の首位を獲得した。
『ハー・ロス』の収録曲が半減したことで、サム・スミス&キム・ペトラスの「アンホーリー」が先週の10位から3位に再浮上。エアプレイ・チャートでは、17%増加の6,630万回(今週のAirplay Gainer)を記録して5位から1位に上昇し、サム・スミスは「ステイ・ウィズ・ミー」(2014年 / 6週)、「ダンシング・ウィズ・ア・ストレンジャー with ノーマニ」(2019年 / 2周)に続く3曲目、キム・ペトラスは自身初のNo.1タイトルを獲得した。また、今週のポップ・エアプレイ・チャートでも首位に立ち、サム・スミスは「ステイ・ウィズ・ミー」(2014年 / 2週)に続く2曲目、キム・ペトラスは初の首位を獲得している。
4位は、先週の13位からスティーヴ・レイシーの「バッド・ハビット」がTOP10に返り咲き、ロック&オルタナティブ・ソング・チャート、ロック・ソング・チャート、オルタナティブ・ソング・チャートでそれぞれ13週目、R&Bソング・チャートでは11週目の首位を獲得した。
5位は、4月~10月まで通算15週間首位をマークしたハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」が先週の17位からジャンプアップし、前述の「Major Distribution」を6位に挟んで、7位には先週の20位からデヴィッド・ゲッタとビービー・レクサのコラボレーション・シングル「アイム・グッド(ブルー)」がTOP10入りを果たしている。
デヴィッド・ゲッタは、2015年に最高8位を記録した「ヘイ・ママ feat. ニッキー・ミナージュ、ビービー・レクサ&アフロジャック」以来約7年ぶり、通算7曲目のTOP10入りで、2000年代、2010年代、2020年代の3年代でのランクインを達成させた。ビービー・レクサは、その「ヘイ・ママ」、「ミー・マイセルフ&アイ with Gイージー」(2016年 / 最高7位)、「メント・トゥ・ビー with フロリダ・ジョージア・ライン」(2018年 / 最高2位)に続く自身4曲目のTOP10入りを果たしている。
「アイム・グッド(ブルー)」は、今週の集計期間中エアプレイが5,290万回(18%増加)、ストリーミングが1,090万回(2%減少)、セールスが6,000(4%減少)をそれぞれ記録して、ダンス/エレクトロニック・ソング・チャートでは9週目の首位をマークした。
同曲には、イタリアのダンス・トリオ=エッフェル・65の「ブルー(ダ・バ・ディ)」がサンプリングされていて、原曲も2000年に最高6位を記録したため間接的に2度目のTOP10入りを果たしたことになる。同様のケースでは、今年の4月23日付で1位に初登場したジャック・ハーロウの「ファースト・クラス」も、サンプリング・ソースとして使われたファーギーの「グラマラス feat. リュダクリス」(2007年 / 1位)が間接的に2度目のランクインを果たしている。
「アイム・グッド(ブルー)」は約5年前に制作された楽曲で、デヴィッド・ゲッタがフェスで披露した映像を誰かがYouTubeに投稿したことで話題になった。また、TikTokでのバイラル・ヒットには人気ゲーマーが絡んだということも理由として挙げられる。
続いて8位には、先週の22位からリアーナの「リフト・ミー・アップ」が再浮上。11月12日付で2位に初登場した後、先週は『ハー・ロス』の収録曲に押され急落したが、今週の集計期間中11日に同曲が起用された映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』が公開されたため、映画の反響を受け各ポイントが上昇しTOP10に返り咲いた。エアプレイは8%増加の4,120万回、ストリーミングは5%増加の1,250万回、セールスは16%増加の8,000に数字を伸ばして今週のSales Gainerを獲得している。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは11月25日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「アンチ・ヒーロー」テイラー・スウィフト
2位「Rich Flex」ドレイク&21サヴェージ
3位「アンホーリー」サム・スミス&キム・ペトラス
4位「バッド・ハビット」スティーヴ・レイシー
5位「アズ・イット・ワズ」ハリー・スタイルズ
6位「Major Distribution」ドレイク&21サヴェージ
7位「アイム・グッド(ブルー)」デヴィッド・ゲッタ&ビービー・レクサ
8位「リフト・ミー・アップ」リアーナ
9位「Spin Bout U」ドレイク&21サヴェージ
10位「On BS」ドレイク&21サヴェージ
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