2022/11/21
テイラー・スウィフトの『ミッドナイツ』が返り咲き、通算3週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
11月5日付で1位に初登場した『ミッドナイツ』は、翌12日付の2週をキープした後、3週目の先週(19日付)ドレイクと21 サヴェージのコラボレーション・アルバム『ハー・ロス』にその座を明け渡したが、今週返り咲いて通算3週目の首位を獲得した。その『ハー・ロス』は今週2位にダウンし、週間ユニットも前週から58%減少の170,000に大きく数字を落としている。
『ミッドナイツ』が今週獲得した204,000ユニットの内訳、アルバム・ストリーミングが140,000(19%減少)、アルバム・セールスが60,000 (36%減少) 、トラックによるユニットが4,000 (88%減少)で、週間ストリーミングは1億8,404万回を記録している。
初登場から今週まで獲得した各週のユニット数は以下の通りで、登場4週目で200万ユニットを突破するスピード記録を達成した。
11月5日 1,578,000ユニット
11月12日 342,000ユニット
11月19日 299,000ユニット
11月26日 204,000ユニット
登場から4週連続で週間20万ユニット以上を記録したのは、2015年12月12日~2016年1月16日にアデルの『25』が達成した6週連続以来の記録となる。
3位は、バッド・バニーの『Un Verano Sin Ti』(56,000ユニット / 3%減少)が先週の4位から上昇し、先週3位にランクインしていたリル・ベイビーの『イッツ・オンリー・ミー』 (52,000ユニット / 15%減少)は4位に順位を入れ替えた。
続いて今週5位にはルイ・トムリンソンの新作『フェイス・イン・ザ・フューチャー』がデビューし、2020年2月15日付で9位を記録したデビュー・アルバム『ウォールズ』を上回る最高位更新と、ソロ2作目のTOP10入りを果たした(ワン・ダイレクションとしての記録は除く)。初動ユニット43,000の内訳、アルバム・セールスが37,500、アルバム・ストリーミングが5,500(727万回)で、週間ユニット、セールスいずれも前作『ウォールズ』が初週で獲得した39,000ユニット、セールス35,000を上回っている。
『フェイス・イン・ザ・フューチャー』は、発売日の11月11日にデジタル・ダウンロードとストリーミングの解禁に加え、CD、LP、カセットテープも同時にリリースしたことで、初週の高セールスに繋げた。また、リード・シングルの「ビガー・ザン・ミー」もポップ・エアプレイ・チャートでソロ4曲目のランクインを果たし、アルバムのプロモーションに貢献している。
6位はモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』 (41,000ユニット / 1%減少)、7位もザ・ウィークエンドの『ザ・ハイライツ』 (40,000ユニット / 2%増加)がそれぞれ同位をキープして、8位にはブルース・スプリングスティーンの新作『オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ』が初登場した。
『オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ』は、2020年10月に発表した前作『レター・トゥ・ユー』以来2年振り、通算21作目のスタジオ・アルバムで、以下に続く通算22作目のTOP10入りを果たした。
1975年 『明日なき暴走』(3位)
1978年 『闇に吠える街』(5位)
1980年 『ザ・リバー』(1位)
1982年 『ネブラスカ』(3位)
1984年 『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』(1位)
1986年 『The "Live" 1975-1985』(1位)
1987年 『トンネル・オブ・ラヴ』(1位)
1992年 『ヒューマン・タッチ』(2位)
1992年 『ラッキー・タウン』(3位)
1995年 『グレイテスト・ヒッツ』(1位)
2001年 『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』(5位)
2002年 『ザ・ライジング』(1位)
2005年 『デビルズ・アンド・ダスト』(1位)
2006年 『ウィ・シャル・オーヴァーカム: ザ・シーガー・セッションズ』(3位)
2007年 『マジック』(1位)
2009年 『ワーキング・オン・ア・ドリーム』(1位)
2012年 『レッキング・ボール』(1位)
2014年 『ハイ・ホープス』(1位)
2019年 『ウエスタン・スターズ』(2位)
2020年 『レター・トゥ・ユー』(2位)
2022年『オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ』(8位)
Billboard 200の集計が始まった1956年3月24日から今週まで、TOP10に20作以上を送り込んだアーティストは以下の12組で、ブルース・スプリングスティーンは本作で8番目(ソロ・アーティストとしては6番目)に高い記録を更新した。
37枚 ザ・ローリング・ストーンズ
34枚 バーブラ・ストライサンド
32枚 ザ・ビートルズ
32枚 フランク・シナトラ
27枚 エルヴィス・プレスリー
23枚 ボブ・ディラン
23枚 マドンナ
22枚 ブルース・スプリングスティーン
21枚 エルトン・ジョン
21枚 ポール・マッカートニー / ウイングス
21枚 ジョージ・ストレイト
20枚 プリンス
なお、2005年から2016年にかけては、最新のヒット・ソングを子供がカヴァーするオムニバス『キッズ・ボップ』シリーズも24作がTOP10入りしたが、複数のアーティストが参加した企画盤ということでこの記録には含まれていない。
『オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ』の初動ユニットは39,500で、その内訳アルバム・セールスが36,500、アルバム・ストリーミングが2,000 (287万回) 、トラックによるユニットは1,000をそれぞれ獲得した。アルバムには、コモドアーズの「ナイトシフト」やジミー・ラフィンの「ホワット・ビカムズ・オブ・ザ・ブロークン・ハーテッド」、ダイアナ・ロス&シュープリームスの「またいつの日にか」など、ブルース自身が愛聴していたソウル・ミュージックのカバーが全15曲収録されている。
9位は、ハリー・スタイルズの『ハリーズ・ハウス』 (30,000ユニット / 1%減少)が先週の8位からダウンして、10位にはナズの新作『キングス・ディジーズ 3』が初登場した。初動ユニットは29,000で、その内訳アルバム・ストリーミングが20,000 (2,647万回) 、アルバム・セールスが8,500、トラックによるユニットが500をそれぞれ獲得している。
『キングス・ディジーズ 3』は、2021年12月に発表した前作『マジック』から約1年ぶり、通算16作目のスタジオ・アルバムで、TOP10入りはコンピレーション、コラボレーション・アルバムを含む以下16作目のランクインとなる。また、『キングス・ディジーズ』シリーズとしては3作連続でTOP10入りを果たした。
1位『イット・ワズ・リトゥン』(1996年)
1位『ザ・ファーム by ザ・ファーム』(1997年)
1位『I Am...』(1999年)
7位『ナストラダムス』(1999年)
5位『スティルマティック(2001年)
10位『ザ・ロスト・テープス』(2002年)
5位『ストリーツ・ディサイプル』(2004年)
1位『ヒップ・ホップ・イズ・デッド』(2006年)
1位『アンタイトルド』(2008年)
5位『Distant Relatives with ダミアン・マーリー』(2010年)
1位『ライフ・イズ・グッド』(2011年)
5位『Nasir』(2018年)
10位『ザ・ロスト・テープス 2』(2019年)
5位『キングス・ディジーズ』(2020年)
3位『キングス・ディジーズ 2』(2021年)
10位『キングス・ディジーズ 3』(2022年)
ヒップホップ・アーティストとしては、ジェイ・Zの同16作と並ぶ最多記録で、ナズは『イット・ワズ・リトゥン』(1996年)から『キングス・ディジーズ 3』(2022年)の26年間で、ジェイ・Zは『イン・マイ・ライフタイム Vol.1』(1997年)から『4:44』(2017年)の20年間でそれぞれ16作を首位に送り込んでいる。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは11月25日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ミッドナイツ』テイラー・スウィフト
2位『ハー・ロス』ドレイク&21サヴェージ
3位『Un Verano Sin Ti』バッド・バニー
4位『イッツ・オンリー・ミー』リル・ベイビー
5位『フェイス・イン・ザ・フューチャー』ルイ・トムリンソン
6位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
7位『ザ・ハイライツ』ザ・ウィークエンド
8位『オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ』ブルース・スプリングスティーン
9位『ハリーズ・ハウス』ハリー・スタイルズ
10位『キングス・ディジーズ3』ナズ
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