2013/04/24
ビーイングによる全国オーディションでグランプリ受賞し、4月17日に1stシングル『ゆれるユレル』をリリースした現役女子高生シンガーソングライター 新山詩織。その翌日 渋谷WWWにてデビューイベントを開催した。
<現役女子高生の現実が生んだブルースと……>
まず会場では、オーディションからメジャーデビューまでの軌跡を追いかけるドキュメンタリーフィルムの完成版を上映。学校という閉塞的なコミュニティの中で、少しでも嫌な想いをしないように、言いたいことも言えず、モヤモヤしていた少女が、自らが奏でる音楽の力によって希望を見出していく。そのリアルストーリーにおける新山詩織の素顔に、誰もが固唾を飲んで見入っていた。
そして、満を持してひとりステージに登場した彼女は、人生で初めて作ったという楽曲「だからさ」を披露。学校ですごく嫌なことがあり、そこで芽生えた気持ちを吐き出すように書き上げたブルースが静かに、けれども確かに心を奮わせている声で放たれていく。すると、そこにバンドメンバーがひとり、またひとりと音を重ねていき、すべてを大空へと解き放つような声で、映画『絶叫学級』主題歌「Don't Cry」が響き渡る。先までの孤独感はどこへやら。会場を埋め尽くした観客の目線と、色彩豊かなバンドサウンドに包まれながら、新山詩織はしゃかりきにギターを掻き鳴らし、音楽を楽しんでいた。
<THE GROOVERS藤井一彦とご機嫌なロックンロールを>
また、ライブ後半には、彼女の父親世代とも言えるロックバンド THE GROOVERSより藤井一彦(vo,g)を招き入れ、彼らの代表曲「現在地」を披露。数年前まで学校の片隅で悶々としていた少女が、ご機嫌なロックンロールを尊敬するミュージシャンと共に歌い飛ばしている事実は、観客を十分に興奮させた。そして最後に彼女は「これからもたくさん皆さんに歌を届けたい」と、その始まりの歌となるメジャーデビューシングルにして、自らの人生そのものとも言える「ゆれるユレル」をエモーショナルに歌い届ける。
繊細で臆病ゆえに鋭く心を刺す歌。音楽に救われた女子高生だからこそ生み出せる音楽は、これからどれだけの人の心に寄り添うのか。2013年音楽シーンの最重要新人に今後も注目してほしい。
取材&テキスト:平賀哲雄
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