2022/11/01
テイラー・スウィフトの「アンチ・ヒーロー」が1位に初登場した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
今週のアルバム・チャート“Billboard200”でNo.1デビューした『ミッドナイツ』と同日の2022年10月21日にリリースされた「アンチ・ヒーロー」は、ミュージック・ビデオも大きな反響を呼び、以下に続く通算9曲目の首位を獲得した。
2012年「ウィ・アー・ネヴァー・エヴァー・ゲッティング・バック・トゥゲザー」(3週)
2014年「シェイク・イット・オフ」(4週)
2014年「ブランク・スペース」(7週)
2015年「バッド・ブラッド feat. ケンドリック・ラマー」(1週)
2017年「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」(3週)
2020年「カーディガン」(1週)
2020年「ウィロー」(1週)
2021年「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン) 」(1週)
2022年「アンチ・ヒーロー」
上記のうち、1位に初登場したのは「シェイク・イット・オフ」、「カーディガン」、「ウィロー」、「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン)」に続く5曲目で、女性アーティストの記録では同5曲をもつアリアナ・グランデと並び歴代トップに立った。男性アーティストを含めるとトップはドレイクの7曲で、続いてテイラーとアリアナ、BTSの5曲、ジャスティン・ビーバーの4曲が続く。
首位獲得数が9曲を超えたのはテイラーが史上16組目で、女性アーティストでは以下に続く7組目。なお、歴代トップはザ・ビートルズの20曲。
19曲 マライア・キャリー
14曲 リアーナ
12曲 マドンナ
11曲 ホイットニー・ヒューストン
10曲 ジャネット・ジャクソン
9曲 ケイティ・ペリー
9曲 テイラー・スウィフト
Billboard 200(アルバム・チャート)での首位獲得数は『ミッドナイツ』が通算11作目で、過去7年間の最多記録となる。
『フィアレス』 (2008年)
『スピーク・ナウ』 (2010年)
『レッド』 (2012年)
『1989』 (2014年)
『レピュテーション』 (2017年)
『ラヴァ―』 (2019年)
『フォークロア』 (2020年)
『エヴァーモア』 (2020年)
『フィアレス(テイラーズ・ヴァージョン)』(2021年)
『レッド(テイラーズ・ヴァージョン)』(2021年)
『ミッドナイツ』(2022年)
Billboard 200(アルバム)とHot 100(ソング)で同時に初登場1位を獲得したのは、今年の7月2日付でドレイクが『オネストリー、ネヴァーマインド 』(Billboard 200) と「Jimmy Cooks feat. 21サヴェージ」(Hot 100)をデビューさせて以来約4か月ぶりで、テイラー自身の記録としては以下に続く4回目の快挙。
2020年8月8日 『フォークロア』(Billboard 200)「カーディガン」(Hot 100)
2020年12月26日 『エヴァーモア』(Billboard 200)「ウィロー」(Hot 100)
2021年11月27日 『レッド(テイラーズ・ヴァージョン) 』(Billboard 200) 「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン)」(Hot 100)
2022年11月7日 『ミッドナイツ』(Billboard 200)「アンチ・ヒーロー」(Hot 100)
両チャートで同じ週に1位を獲得したアーティストは、その他以下のアーティストがいるが、複数回達成したのはテイラーとドレイクの2組で、4回は史上最多記録となる。
2022年11月5日 テイラー・スウィフト「アンチ・ヒーロー」(Hot 100)、『ミッドナイツ』(Billboard 200)
2022年7月2日 ドレイク「Jimmy Cooks feat. 21サヴェージ」(Hot 100)、『オネストリー、ネヴァーマインド』(Billboard 200)
2022年5月14日 フューチャー「Wait for U feat. ドレイク&テムズ」(Hot 100)、『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』(Billboard 200)
2021年11月27日 テイラー・スウィフト「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン)」(Hot 100)、『レッド(テイラーズ・ヴァージョン) 』(Billboard 200)
2021年9月18日 ドレイク「Way 2 Sexy feat. フューチャー&ヤング・サグ」(Hot 100)、『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』(Billboard 200)
2021年4月3日 ジャスティン・ビーバー「ピーチズ feat. ダニエル・シーザー&ギヴィオン」(Hot 100)、『ジャスティス』(Billboard 200)
2020年12月26日 テイラー・スウィフト「ウィロー」(Hot 100)、『エヴァーモア』(Billboard 200)
2020年12月5日 BTS「Life Goes On」(Hot 100)、『BE』(Billboard 200)
2020年8月8日 テイラー・スウィフト「カーディガン」(Hot 100)、『フォークロア』(Billboard 200)
アルバム『ミッドナイツ』からは、1位に初登場した「アンチ・ヒーロー」の他全20曲が今週のHot 100に初登場し、以下の10曲がTOP10を独占するという史上初の偉業を達成した。
()内には、週間ストリーミング/週間エアプレイ/週間セールスをそれぞれ記載
1位「アンチ・ヒーロー」(5,970万回/320万回/13,500ダウンロード)
2位「ラヴェンダー・ヘイズ」(4,140万回/240万回/2,800ダウンロード)
3位「マルーン」(3,760万回/471,000回/2,900ダウンロード)
4位「スノウ・オン・ザ・ビーチ feat. ラナ・デル・レイ」(3,720万回/615,000回/2,600ダウンロード)
5位「ミッドナイト・レイン」(3,690万回/449,000回/2,200ダウンロード)
6位「ビジュエルド」(3,550万回/160万回/16,100ダウンロード)
7位「クエスチョン…?」(3,100万回/425,000回/21,400ダウンロード)
8位「ユーア・オン・ユア・オウン、キッド」(3,410万回/498,000回/1,500ダウンロード)
9位「カルマ」(3,300万回/190万回/3,400ダウンロード)
10位「ヴィジランティ・シット」(3,220万回/424,000回/6,400ダウンロード)
前述のとおりTOP10を同じアーティストの曲が独占したのはHot 100史上初の快挙で、これまでの最多記録は2021年9月18日付でドレイクが達成した9曲だった。なお、9曲をランクインさせた週にはドレイクも「Way 2 Sexy feat. フューチャー&ヤング・サグ」を1位に初登場させている。TOP5を同じアーティストが独占したのは、そのドレイクと1964年4月4日付チャートで達成したザ・ビートルズに続く史上3組目(3度目)の快挙。
今週10曲が追加されたことで、テイラーはTOP10のランクイン曲数を40曲に更新し、38曲をもつマドンナを抜いて女性アーティストの歴代トップに立った。なお、男性アーティストを含めるとドレイクの59曲が最多記録で、テイラーは歴代2位になる。その他、ランクイン数が25曲を超えるアーティストは以下の13組がいる。
59曲 ドレイク
40曲 テイラー・スウィフト
38曲 マドンナ
34曲 ザ・ビートルズ
31曲 リアーナ
30曲 マイケル・ジャクソン
29曲 エルトン・ジョン
28曲 マライア・キャリー
28曲 スティーヴィー・ワンダー
27曲 ジャネット・ジャクソン
26曲 ジャスティン・ビーバー
25曲 リル・ウェイン
25曲 エルヴィス・プレスリー
なお、 テイラーがHot 100で初めてTOP10入りしたのは「ラブ・ストーリー」がエントリーした2008年10月4日付で、わずか14年間で40曲をランクインさせた。
1枚のアルバムから5曲以上がTOP10にランクインしたのは、2014年~15年にかけて5曲を送り込んだ『1989』に続く2作目で、5曲以上がTOP10入りしたアルバムを2枚輩出したのは、『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』(2021年)と『オネストリー、ネヴァーマインド』(2022年)で達成したドレイクに続く2組目。なお、それを上回るのが『コントロール』(1986年)、『リズム・ネイション1814』(1989年)、『ジャネット』(1993年)の3枚から5曲を輩出したジャネット・ジャクソンで、今週4位に初登場した「スノウ・オン・ザ・ビーチ」には奇遇にもジャネットの「オール・フォー・ユー」(2001年)が歌詞に引用されている。
その「スノウ・オン・ザ・ビーチ」に唯一ゲストとして参加したラナ・デル・レイは、2013年9月に最高6位をマークした「サマータイム・サッドネス」を上回り、Hot 100での自己最高位を更新している。
Hot 100のみならず、テイラーは今週のストリーミング・ソング・チャートとデジタル・ソング・セールス・チャートでもTOP10を独占し、3つのチャートを制した初のアーティストとなった。なお、これまでは2021年9月18日付にドレイクがストリーミング・チャートのTOP10を独占したことがあるが、Hot 100とセールス・チャートを制したのはテイラーが史上初となる。
「アンチ・ヒーロー」は、今週5,970万回を記録して現時点での2022年最大の週間ストリーミング数を更新した。なお、前週までの最高記録は4月23日付でジャック・ハーロウの「ファースト・クラス」が打ち出した5,460万回で、「アンチ・ヒーロー」は昨年9月18日付でドレイクの「Way 2 Sexy feat. フューチャー&ヤング・サグ」が記録した6,730万回以来の高記録を打ち出した。
ストリーミング・ソング・チャートでの首位獲得は通算6曲目で、同6曲をもつジャスティン・ビーバーと並び史上2番目の記録に達した。なお、トップはドレイクで14曲を1位に送り込んでいる。
デジタル・ソング・セールス・チャートでは、Hot 100で7位に初登場した「クエスチョン…?」が1位に初登場し、通算24曲目にNo.1タイトルを更新している。セールス・チャートでは24曲をもつテイラーが歴代トップで、2位のリアーナ(14曲)と大きく差をつけた。「クエスチョン…?」と「ビジュエルド」は、公式ウェブサイトでオリジナル・バージョンとインストゥルメンタル・バージョンの2種が69セントで販売され、その「ビジュエルド」は今週のセールス・チャートで4位に初登場した。
エアプレイ・チャート(総合)では「アンチ・ヒーロー」が13位にデビューしていて、2022年のチャートでは現時点での初登場の最高位を更新した。また、自身の記録としても初登場としては13位が最高位となる。ジャンル別では、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートで11位、アダルト・コンテンポラリー・チャートで13位、ポップ・エアプレイ・チャートで16位にデビューした。
なお、TOP10にランクインした10曲はいずれも初週のストリーミング数が高く、セールスとエアプレイのポイントを除いても全曲がTOP10にランクインしていたことになる。
テイラーと「アンチ・ヒーロー」を共作したジャック・アントノフは、1位を獲得した9曲のうち「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」、「オール・トゥー・ウェル (テイラーズ・ヴァージョン)」の2曲にも携わっていて、プロデューサーとしては3曲目の首位を獲得したことになる。ソングライターとしても、その「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」と、2012年に通算6週をマークしたファン.の「ウィー・アー・ヤング feat. ジャネール・モネイ」に続く3曲目のNo.1タイトルを獲得した。
タイトルに「ヒーロー(Hero)」が含まれる曲がHot 100で1位を獲得したのは、ボー・ドナルドソン&ヘイウッズの「悲しみのヒーロー」、マライア・キャリーの「ヒーロー」に続く史上3曲目で、TOP3にランクインしたのは以下に続く7曲目のタイトルとなる。
1位 テイラー・スウィフト「アンチ・ヒーロー」(2022年)
1位 マライア・キャリー「ヒーロー」(1993~94年 / 4週)
1位 ボー・ドナルドソン&ヘイウッズ「悲しみのヒーロー」(1974年 / 2週)
2位 ティナ・ターナー「孤独のヒーロー」(1985年)
2位 ジョーイ・スキャベリー「アメリカン・ヒーローのテーマ」(1981年)
3位 チャド・クルーガー「ヒーロー feat. ジョシー・スコット」(2002年)
3位 エンリケ・イグレシアス「ヒーロー」(2001年)
テイラーがTOP10を独占したことで、先週1位を獲得したサム・スミス&キム・ペトラスの「アンホーリー」は今週11位にランクダウン。ストリーミングが2,430万回(4%減少)、セールスも11,300(40%減少)にそれぞれ下降したが、エアプレイは23%増加の2,670万回に上昇している。スティーヴ・レイシーの「バッド・ハビット」も2位から12位に急落したが、ポイントに大きな変化はない。
以下、アルバム『ミッドナイツ』から「マスターマインド」が13位、「ラビリンス」が14位、「スウィート・ナッシング」が15位にそれぞれ初登場し、通常盤から13曲全てがTOP15にエントリーを果たした。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは11月4日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「アンチ・ヒーロー」テイラー・スウィフト
2位「ラヴェンダー・ヘイズ」テイラー・スウィフト
3位「マルーン」テイラー・スウィフト
4位「スノウ・オン・ザ・ビーチ」テイラー・スウィフト feat. ラナ・デル・レイ
5位「ミッドナイト・レイン」テイラー・スウィフト
6位「ビジュエルド」テイラー・スウィフト
7位「クエスチョン…?」テイラー・スウィフト
8位「ユーア・オン・ユア・オウン、キッド」テイラー・スウィフト
9位「カルマ」テイラー・スウィフト
10位「ヴィジランティ・シット」テイラー・スウィフト
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