2013/04/23 13:00
ともに80年代初めから活躍し、交流も深かったふたり。今回は大澤が山下に声をかけ、これまで提供してきた楽曲を中心に、新たに制作したアルバム『& Friends』の発表に合わせて4月19日にビルボードライブ大阪のステージに立った。
アットホームなムードのなかで始まったステージは、それぞれの楽曲の制作時、あるいは今作レコーディング時のエピソードなどを交えて、ゆったりと進行していった。
序盤の3曲を新作と同じ順で続けたあと、大澤が31年前を振り返って話す。バンドを解散し、作家として活動を始めた頃、「スタンダードをつくれ」と励まされてできたのが「時代遅れの恋心」。当時、山下に提供した名曲だが、自身でも思い入れが強いと言う。この曲をふたりで披露したあとは、同じく新作にも収録されている「Lover Man」を山下ボーカルで。いずれも"大人のラブソング"と呼ぶのにふさわしい秀逸なバラードだが、発表したのは20代前半の頃。両者の早熟ぶりに驚かされるが、それなりの年齢を重ねてきて今夜、改めて接したリスナーには、より深い響き方をしたのではないか。
中盤から終盤にかけては、各々の"代表曲"が並んだ。それぞれの"聴かせ方"に工夫をみる。「赤道小町ドキッ」はスローなボサノヴァ・バージョンで、山下もしっとりとした歌声でアプローチ。かたや「そして僕は途方に暮れる」は、原曲に忠実な形。オリジナルがすでにある種の諦念を滲ませていたからだろうか。これはこれで今も十二分にしっくりくる。ただ、そのあとに続けて歌った「This Old Heart Of Mine」(アイズレー・ブラザーズのカバー)、これが熱かった。歌い上げるのでなく、シャウトを身上とするソウルシンガー・大澤誉志幸の面目躍如である。
もともとバンド(クラウディ・スカイ)の一員として世に出た大澤は、いくらプロデュース業に長けていたとしても一向に裏方っぽくならない。同様に、女性ボーカリストが"歌姫"や"ディーバ"と浮き世離れした例えで呼ばれるようになる前にこの道を切り拓いた山下は、いつまでも"ロックなお嬢"である。そんな風に、"らしさ"を蹴飛ばすようにして歌ってきたふたりだから、この稀有な共演が実現できるのかもしれない。 終盤、そしてアンコールでの"総立ち"の客席をみながら、強くそう感じた。
Text:大内幹男(2013.4.19 2nd stage)
Photo:大内幹男
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
1
櫻坂46、谷口愛季が座長を務める【BACKS LIVE!!】閉幕「私たちを推して損はさせません。これからもついてきてください」
2
<イベントレポート>藤井フミヤ、公式アンバサダーを務める没入型展覧会【クリムト・アライブ】に登場「もっと日本の人に知ってもらいたい」
3
<ライブレポート>BAND-MAID、ファンと共に創り上げた渾身のツアーファイナルを経て世界へ
4
BE:FIRST、Oguri(s**t kingz)&SOTAが振り付け「街灯」ダンスパフォーマンス映像を公開
5
【Hot Shot Songs】Number_i「LAVALAVA」首位、シャキーラ“洋画歴代2位”『ズートピア2』劇中歌の広がりに注目
インタビュー・タイムマシン
注目の画像


大澤誉志幸&山下久美子 『& Friends』 インタビュー
スピッツ 2年8か月振り待望のシングルから最新MV解禁
“初恋ソングランキング” TOP2に福山雅治、中島美嘉
長渕 剛 15年ぶり連続ドラマ主題歌決定 仲間由紀恵絶賛













