2022/10/07 23:15
スリップノットが3年ぶりとなるアルバム『ジ・エンド、ソー・ファー』をリリースした。本作は通算7作目のアルバムとなり、スリップノットとプロデューサーのジョー・バレシが共同プロデュースした作品。2022年10月5日公開のBillboard JAPAN総合アルバム・チャート“HOT Albums”では初登場9位を記録した。
今回リーダーのショーン “クラウン”クラハンのインタビューが到着。クラウンによる『ジ・エンド、ソー・ファー』の解説や、スリップノット解散説について、さらに2023年4月に決定している【KNOTFEST JAPAN】での来日についてなど、前篇・中篇・後篇と3部に分けて紹介する。
■“ジ・エンド、ソー・ファー”という意味深長なタイトルについて。
アルバムが完成する前からこのタイトルが決まっていたわけではない。完成後に命名したというわけではないけど、コリィ・テイラーがこのタイトルを思いついて共有してくれたのは制作の最終段階あたりだった。このタイトルは人によって異なった意味を持つはずだと俺は考えている。そして俺としては、コリィにとって以上に俺自身にとってより深くて感情的な意味合いを持っていると感じている。
彼がこのタイトルの意味を教えてくれなくても俺にはそれがわかっている。俺にとっては「これまでのことの終わり」を意味しているんだ。俺は物事を文字通りに受け止めるタイプだし「世界の終わり」というものを信じているんだ。誰もが早かれ遅かれ自分の死と向き合い、自分がこの世界で何をしてきたのか、それで良かったのか、何かを変えることができたのか、充分に成果をもたらすことができたのか、と考えることになる。俺は今、人生におけるそうした地点にいるんだ。ただ、そういう意味があるということを他のみんなに押し付けるつもりはないし、それぞれの解釈があっていい。だからこそ議論というものが起きるんだろうね。明るい意味で受け止める人もいれば、暗いものだと感じる人もいる。それが現実の美しさだと思う。
■一部で囁かれている解散説について。
このアルバムのタイトルが示唆するのがそれではないとは言い切れないね。このバンドに占い師は一人もいないし、俺たちは時間を所有しているわけでも買い取ることができるわけでもない。将来何が起きるのかはわからないよ。俺は残りの人生をスリップノットとして過ごすつもりなのか? もちろんそうだ。でも、今は「ひとまず終わり」という時期でもある。すでに亡くなってしまった仲間達もいる。今のところはこれで終わり、そして、それを乗り越えていくってことなんだ。バンドがいつまで存続していくかなんて誰にもわからないし、それこそ人生と同じことだ。これが「とりあえずの終わり」ではなく「永遠の終わり」かもしれないとなれば、きっと今そこにある現実に大いに感謝することになるだろう。そしてそのまま夢を追い続け、そこから目覚めることなく夢想の中で生き続けられるかもしれない。
このバンドは7枚ものアルバムを制作してきたが、この先の未来については未知だ。何故かといえば、そんなのはどうでもいいことだからだ。重要なことではない。また同じレコード会社と契約するかもしれない、そうじゃないかもしれない。このタイトルは四半世紀をスリップノットに捧げてきた俺の人生だともいえる。人々がそれを気に入るかどうかはわからないが「これまでの流れの終わり」がここにあるということだ。
■現地点がひとつの“END”だとすれば、バンドはすでに“次”に向かう段階にあるのか?
スリップノットのアート、スリップノットの生き方というのは、本当に難しいものだ。でも今の俺に言えるのは、四半世紀にわたって俺たちが成し遂げてきたこと、やってきたことをとても誇りに思っているということだ。自分たちに起こることすべてに理由があり、すべてを自分たちのためにやらなければならない。自分たちのためにやれば、ファンも応援してくれるし、もっと愛してくれるはずだ。俺たちはアートを作っているわけで、たまたまその機会に恵まれて、それがうまくいった。それは俺がずっと望んでいたことなんだ。
スリップノットはこれからどこに行くのか? 今の気分は最高だよ。人生はチャレンジングであり、俺はこれまでの自分をすべて捨て、この4年で違う人間になった。だからこの『ジ・エンド、ソー・ファー』というアルバムにとても興奮している。深呼吸して、これから進むべき道を決めるということだな。俺は挑戦することが好きで、新しい冒険が好きなんだ。
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