2022/09/27 10:16
ハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」が通算15週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
1位に初登場した4月16日付から今週10月1日付まで、25週間連続でTOP3にランクインして通算15週目の首位をマークした「アズ・イット・ワズ」。初登場からTOP3にランクインした記録としては史上最長、初の快挙を達成して、初めて首位を獲得した週(4月16日)から最後に獲得した今週(10月1日)までのブランク記録としても、ホリデー・ソングを除く歴代最長記録を塗り替えた。なお、ホリデー・ソングではマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」(2019年12月21日~2022年1月8日付)が2年3週間、チャビー・チェッカーの「ザ・ツイスト」(1960年9月19日~1962年1月20日付)が1年4か月という記録を達成している。
「アズ・イット・ワズ」は、今週の集計期間中(9月16日~22日)、エアプレイが6,600万回(2%減少)、ストリーミングが1,350万回(6%減少)、セールスが3,000(13%増加)をそれぞれ記録して、エアプレイ・チャートでは7週目の首位をキープした。ストリーミング・ソング・チャートでは6位から9位に順位を下げたが、デジタル・ソング・セールス・チャートでは24位から15位に、再びTOP20入りを果たしている。
エアプレイ・チャートでは、初めて首位を獲得した週(5月21日付)から今週(10月1日付)までのブランクを20週間に塗り替え、1998年にグー・グー・ドールズの「アイリス」が記録した19週を上回り、歴代2位に浮上した。なお、トップはザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」(2020年)が打ち出した28週間。
Hot 100の集計がはじまった1958年8月4日付以降、首位獲得週が15週を上回ったのは、2019年4月~8月に歴代最長の19週という記録を打ち立てたリル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード feat.ビリー・レイ・サイラス」以来約3年ぶりで、ゲストを含まないソロ・アーティスト単体の曲としては史上最長記録を達成した。
()内は初めて首位を獲得した週
19週 リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」(2019年4月13日)
16週 マライア・キャリー&ボーイズⅡメン「ワン・スウィート・デイ」(1995年12月2日)
16週 ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー「デスパシート feat.ジャスティン・ビーバー」(2017年5月27日)
15週 ハリー・スタイルズ「アズ・イット・ワズ」(2022年4月16日)
14週 ホイットニー・ヒューストン「オールウェイズ・ラヴ・ユー」(1992年11月28日)
14週 ボーイズⅡメン「メイク・ラヴ・トゥ・ユー」(1994年8月27日)
14週 ロス・デル・リオ「マカレナ」(1996年8月3日)
14週 エルトン・ジョン「キャンドル・イン・ザ・ウインド」(1997年10月11日)
14週 マライア・キャリー「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(2005年6月4日)
14週 ブラック・アイド・ピーズ「アイ・ガッタ・フィーリング」(2009年7月11日)
14週 マーク・ロンソン&ブルーノ・マーズ「アップタウン・ファンク」(2015年1月17日)
同時に、英国(イギリス)出身のアーティストとしても、エルトン・ジョンの「キャンドル・イン・ザ・ウインド」とマーク・ロンソンの「アップタウン・ファンク」を上回り、史上最長記録を達成したことになる。以下は10週を超えたタイトルで、「ワン・ダンス」はカイラ、「ウィ・ファウンド・ラヴ」はカルヴィン・ハリスが、それぞれ英国出身のゲストとしてカウントしている。
()内は初めて首位を獲得した週
15週 ハリー・スタイルズ「アズ・イット・ワズ」(2022年4月16日)
14週 エルトン・ジョン「キャンドル・イン・ザ・ウインド」(1997年10月11日)
14週 マーク・ロンソン&ブルーノ・マーズ「アップタウン・ファンク」(2015年1月17日)
12週 エド・シーラン「シェイプ・オブ・ユー」(2017年1月28日)
10週 アデル「イージー・オン・ミー」(2021年10月30日)
10週 ドレイク「ワン・ダンス ft. ウィズキッド & カイラ」(2016年4月23日)
10週 アデル「ハロー」(2015年11月14日)
10週 リアーナ「ウィ・ファウンド・ラヴ feat. カルヴィン・ハリス」(2011年11月12日)
10週 オリビア・ニュートン=ジョン「フィジカル」(1981年11月21日)
先週末は、自身が出演した映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』が9月23日に全米で公開され、オープニングの興行収入が3日間で1,920万ドルを獲得し初登場1位に輝くという映画での功績も残したハリー・スタイルズ。映画と音楽の両チャートを同じ週に制したのは、1984年に「ビートに抱かれて」(Hot 100)と『パープル・レイン』(映画)で達成したプリンス、2002~03年に「ルーズ・ユアセルフ」(Hot 100)と『8 Mile』(映画)でトップに立ったエミネムに続く史上3人目の快挙で、その他には映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)にカメオ出演したヒューイ・ルイスの「パワー・オブ・ラヴ」(Hot 100)がある。
チャートに戻り、2位は今週もスティーブ・レイシーの「バッド・ハビット」が同位をキープして、4週連続でTOP2にランクインした。主要チャートの上昇率も良く、エアプレイ・チャートでは3,780万回(10%増加)を記録して13位から8位に上昇。ストリーミング・チャートでは1,960万回(先週同率)を記録して2位から1位に、5週目の首位を獲得し、セールス・チャートでは2,000(39%増加)を売り上げて37位にデビューしている。また、ロック&オルタナティブ・ソング・チャート、ロック・ソング・チャート、オルタナティブ・ソング・チャートでそれぞれ5週目、R&Bソング・チャートとR&B/ヒップホップ・チャートではそれぞれ4週目の首位を獲得して、5つのチャートで1位を獲得した初のタイトルを4週目に更新した。
3位は、ポスト・マローンの「アイ・ライク・ユー(ア・ハピアー・ソング)with.ドージャ・キャット」が先週の5位から上昇し、最高位を更新。4位は先週に続きニッキー・ユーア&デイジーの「サンルーフ」が同位をキープして、先週3位に再浮上したニッキー・ミナージュの「スーパー・フリーキー・ガール」は5位にランクダウンした。なお、「スーパー・フリーキー・ガール」はラップ・ソング・チャートで6週目の首位を獲得している。
ミュージック・ビデオの公開により先週6位にTOP10入りしたモーガン・ウォレンの「ユー・プルーフ」は、今週も同位をキープしてカントリー・ソング・チャートでは6週目の首位をマークした。映画『トップガン マーヴェリック』に提供したワンリパブリックの「アイ・エイント・ウォーリード」は、先週の8位から7位に最高位を更新している。
続いて今週8位には、先週の14位からルーク・コムズの「ザ・カインド・オブ・ラヴ・ウィ・メイク」が上昇し、2020年11月に最高2位を記録した「フォーエバー・アフター・オール」以来約2年ぶり、2曲目のTOP10入りを果たした。主要チャートでも、エアプレイが5%増加の3,270万回、ストリーミングが13%増加の1,390万回、セールスも8%増加の3,000にそれぞれ数字を伸ばしている。
「ザ・カインド・オブ・ラヴ・ウィ・メイク」が上昇したことで、今週はTOP10にモーガン・ウォレンの「ユー・プルーフ」と同曲の2曲がカントリー・ソングとしてランクインしたことになる。カントリー・ソング・チャートでは、前述のとおり「ユー・プルーフ」が6週目の首位をマーク、「ザ・カインド・オブ・ラヴ・ウィ・メイク」は4週目の2位をキープした。
Hot 100のTOP10にカントリー・ソングが2曲同時ランクインしたのは、昨年の11月27日付でテイラー・スウィフトの「オール・トゥー・ウェル」(1位)とウォーカー・ヘイズの「ファンシー・ライク」(10位)がランクインして以来約9か月ぶりで、過去2年間では4回達成しているが、2000年以降では5回目で、2000年5月13日付から2020年8月29日付までは20年以上ブランクがある。
2022年10月1日 モーガン・ウォレン「ユー・プルーフ」(6位) / ルーク・コムズ「ザ・カインド・オブ・ラヴ・ウィ・メイク」(8位)
2021年11月27日 テイラー・スウィフト「オール・トゥー・ウェル」(1位) / ウォーカー・ヘイズ「ファンシー・ライク」(10位)
2020年11月7日 ルーク・コムズ「フォーエバー・アフター・オール」(2位) / ギャビー・バレット「アイ・ホープ feat.チャーリー・プース」(6位)
2020年8月29日 モーガン・ウォレン「7サマーズ」(6位) / ギャビー・バレット「アイ・ホープ feat.チャーリー・プース」(10位)
2000年5月13日 フェイス・ヒル「ブリーズ」(3位) / ローンスター「アメイズド」(10位)
なお、前4回にランクインしていた「オール・トゥー・ウェル」、「ファンシー・ライク」、「アイ・ホープ」、「ブリーズ」、「アメイズド」は、いずれもカントリー以外のラジオ・プロモーションがあったが、今週ランクインした「ユー・プルーフ」と「ザ・カインド・オブ・ラヴ・ウィ・メイク」は、ポップ/アダルト・エアプレイのプロモーションなしでTOP10にランクインしている。両曲は、今週のストリーミング・チャートで前者が5位、後者が7位、カントリー・エアプレイ・チャートで前者が3位、後者が2位にランクインしている。
以下、リゾの「アバウト・ダム・タイム」が先週の7位から9位にランクダウンして、先週再TOP10入りしたフューチャーの「Wait for U feat. ドレイク&テムズ」は同位をキープした。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは9月30日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「アズ・イット・ワズ」ハリー・スタイルズ
2位「バッド・ハビット」スティーヴ・レイシー
3位「アイ・ライク・ユー(ア・ハピアー・ソング)」ポスト・マローン with ドージャ・キャット
4位「サンルーフ」ニッキー・ユーア&デイジー
5位「スーパー・フリーキー・ガール」ニッキー・ミナージュ
6位「ユー・プルーフ」モーガン・ウォレン
7位「アイ・エイント・ウォーリード」ワンリパブリック
8位「ザ・カインド・オブ・ラヴ・ウィ・メイク」ルーク・コムズ
9位「アバウト・ダム・タイム」リゾ
10位「Wait for U」フューチャー feat. ドレイク&テムズ
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