2022/09/07 11:45
ハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」が通算12週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
4月16日付で1位に初登場してから、登場22週目の今週で通算12週目の首位をマークした「アズ・イット・ワズ」。Hot 100で首位獲得が12週を上回ったのは、2019年4月~8月にかけて歴代最長の19週連続という記録を打ち立てたリル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」以来、約3年ぶりで、2020年代のチャートでは、2020年1月~3月にかけて11週を記録したロディ・リッチの「ザ・ボックス」を上回り、単独トップに立った。その他、2020年代で8週を上回ったタイトルは以下の6曲がある。
()は初めて首位を獲得した週
12週 ハリー・スタイルズ「アズ・イット・ワズ」(2022年4月16日)
11週 ロディ・リッチ「ザ・ボックス」(2020年1月18日)
10週 アデル「イージー・オン・ミー」(2021年10月30日)
10週 BTS「Butter」(2021年6月5日)
8週 オリヴィア・ロドリゴ「ドライバーズ・ライセンス」(2021年1月23日)
8週 24kゴールデン「ムード feat. イアン・ディオール」(2020年10月24日)
なお、上記6曲のうち「ザ・ボックス」(アトランティック・レコード)、「ドライバーズ・ライセンス」(インタースコープ・レコード)を除く4曲はコロムビア・レコードからリリースされた曲だった。
1位に初登場した4月16日付からの順位変動は以下のとおりで、22週中、8月13日付の3位を除く21週間TOP2にランクインした。また、初めて首位を獲得した週から最後に獲得した週までのブランク記録では、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」(2019年12月21日~2022年1月8日付)が今年打ち出した2年3週間、チャビー・チェッカーの「ザ・ツイスト」(1960年9月19日~1962年1月20日付)の1年4か月に続く史上3番目の記録(22週間)を更新している。
4月16日 1位
4月23日 2位
4月30日 1位
5月7日 1位
5月14日 2位
5月21日 2位
5月28日 2位
6月4日 1位
6月11日 1位
6月18日 1位
6月25日 1位
7月2日 2位
7月9日 1位
7月16日 1位
7月23日 1位
7月30日 2位
8月6日 2位
8月13日 3位
8月20日 2位
8月27日 2位
9月3日 1位
9月10日 1位
21週は今年の4月16日付で同21週ランクインしたジャスティン・ビーバー&ザ・キッド・ラロイの「ステイ」と並ぶ歴代最長記録で、TOP2のランクイン総週が16週を上回ったタイトルは、その他以下の9曲がある。
21週 ハリー・スタイルズ「アズ・イット・ワズ」(1位が12週 / 2位が9週)
21週 ジャスティン・ビーバー&ザ・キッド・ラロイ「ステイ」(1位が7週 / 2位が14週)
19週 リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」(1位が19週)
18週 マーク・ロンソン「アップタウン・ファンク feat. ブルーノ・マーズ」(1位が14週 / 2位が4週)
17週 ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」(1位が16週 / 2位が1週)
16週 エド・シーラン「シェイプ・オブ・ユー」(1位が12週 / 2位が4週)
16週 ブラック・アイド・ピーズ「アイ・ガッタ・フィーリング」(1位が14週 / 2位が2週)
16週 マライア・キャリー「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(1位が14週 / 2位が2週)
16週 マライア・キャリー&ボーイズIIメン「ワン・スウィート・デイ」(1位が16週)
「アズ・イット・ワズ」は今週の集計期間中(8月26日~9月1日)、エアプレイが6,990万回(3%減少)、ストリーミングが1,540万回(2%増加)、セールスは4,000(9%増加)をそれぞれ記録していて、エアプレイ・チャートでは2位をキープ、ストリーミング・ソング・チャートでは6位から7位にダウンして、デジタル・ソング・セールス・チャートでは22位から19位に上昇した。
主要チャートの他、アダルト・コンテンポラリー・チャートでは先週の4位から1位に浮上し、2020年8月から10週を記録した「アドア・ユー」に続く2曲目のNo.1タイトルを獲得している。その他、これまでにはアダルト・ポップ・エアプレイ・チャートで8週、ポップ・エアプレイ・チャートで7週、ダンス/ミックスショー・エアプレイ・チャートで2週間1位をそれぞれ獲得した。
チャートに戻り、先週3位に浮上したスティーヴ・レイシーの「バッド・ハビット」は今週2位に上昇し、自己最高位を更新。週間2,030万回(2%減少)を記録してストリーミング・チャートで3週目、ロック&オルタナティブ・ソング・チャート、ロック・ソング・チャート、オルタナティブ・ソング・チャートでそれぞれ2週目、R&Bソング・チャートとR&B/ヒップホップ・チャートではそれぞれ1位に最高位を更新し、これらの5つのチャートを同じ週に制した初の楽曲となった。
「バッド・ハビット」はエアプレイも好調で、前週から18%増加の2,750万回を記録してエアプレイ・チャート(総合)で24位から19位にTOP20入りを果たしている。その他、ジャンル別ではポップ・エアプレイ・チャートで11位から10位にTOP10入りを果たし、リズミック・エアプレイ・チャートで20位から19位、アダルト・オルタナティブ・エアプレイ・チャートで27位から19位、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートで33位から28位にそれぞれ最高位を更新した。
先週2位に再浮上したリゾの「アバウト・ダム・タイム」は、今週3位にダウン。ケイト・ブッシュの「神秘の丘/Running Up That Hill (A Deal With God)」(1985年)は、CDシングルの再リリースと値下げ効果を受けてセールスが上昇(7,000枚 / 72%増加)。今週のSales Gainerを獲得して4位をキープした。先週6位に上昇したニッキー・ユーア&デイジーの「サンルーフ」は今週5位に、それぞれの自己最高位を更新している。
続いて今週6位には、8月26日にリリースしたエルトン・ジョンとブリトニー・スピアーズのコラボレーション・シングル「ホールド・ミー・クローサー」が初登場。初週2,090万回を記録して、エアプレイ・チャートで31位、1,110万回を記録してストリーミング・ソング・チャートで17位、48,000を売り上げてデジタル・ソング・セールス・チャートでは1位にそれぞれデビューした。セールス・チャートでの首位獲得は、エルトン・ジョンが2曲目、ブリトニーは通算8曲目のタイトルとなる。また、ダンス/エレクトロニック・ソング・チャートでも今週1位に初登場し、両者いずれも2曲目のNo.1タイトルをそれぞれ更新した。
Hot 100でのTOP10入りは、エルトン・ジョンにとって今年の1月に最高7位を記録したデュア・リパとのコラボレーション「コールド・ハート(プナウ・リミックス)」に続く通算29曲目のランクインで、28週で並んでいたマライア・キャリー、スティーヴィー・ワンダーを上回り歴代7位(男性ソロ・アーティストでは3位)に浮上した。
54曲 ドレイク
38曲 マドンナ
34曲 ザ・ビートルズ
31曲 リアーナ
30曲 マイケル・ジャクソン
30曲 テイラー・スウィフト
29曲 エルトン・ジョン
28曲 マライア・キャリー
28曲 スティーヴィー・ワンダー
27曲 ジャネット・ジャクソン
最高位としては、1997年10月から1998年1月まで計14週1位をマークした「キャンドル・イン・ザ・ウインド」以来、約25年ぶりの記録更新となる。
エルトン・ジョンがHot 100に初めてTOP10入りしたのは「僕の歌は君の歌」がランクインした1971年1月23日付チャートで、今週までの期間を51年7か月3週間に更新した。初めて首位を獲得してから最後に獲得した週までの歴代最長記録は、アンディ・ウイリアムスの「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」が今年更新した62年3か月だが、ホリデー・ソングでの功績を除くと、今週エルトン・ジョンが打ち出したブランク記録が歴代トップとなる。
一方、同曲で復帰を果たしたブリトニー・スピアーズは、ウィル・アイ・アムとのコラボレーション「スクリーム&シャウト」が最高3位を記録した2013年以来約9年ぶり、通算14曲目のTOP10入りを果たし、Hot 100には2016年12月10日付以来、5年9か月ぶりにランクインした。
ブリトニーが初めてTOP10入りしたのは、日本でも大ヒットしたデビュー曲「ベイビー・ワン・モア・タイム」が9位にランクインした1998年12月12日付で、今週「ホールド・ミー・クローサー」が6位を獲得したことで、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の4つの年代でTOP10入りするという記録も打ち立てた。年代はそれぞれ異なるが、4つの年代でTOP10入りしたアーティストはエルトン・ジョン、ブリトニー・スピアーズを含む以下のアーティストがいる。
マイケル・ジャクソン 70年代、80年代、90年代、00年代、10年代
マライア・キャリー 90年代、00年代、10年代、20年代
ジェイ・Z 90年代、00年代、10年代、20年代
スヌープ・ドッグ 90年代、00年代、10年代、20年代
アンディ・ウィリアムス 50年代、60年代、70年代、20年代
ホイットニー・ヒューストン 80年代、90年代、00年代、10年代
マドンナ 80年代、90年代、00年代、10年代
エアロスミス 70年代、80年代、90年代、00年代
シェール 60年代、70年代、80年代、’90年代
バーブラ・ストライザンド 60年代、70年代、80年代、90年代
エルトン・ジョン 70年代、80年代、90年代、20年代
ブリトニー・スピアーズ 90年代、00年代、10年代、20年代
デュエット曲としてTOP10入りしたのは、エルトン・ジョンがジョージ・マイケルとの「僕の瞳に小さな太陽」(1992年 / 1位)、キキ・ディーとの「ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート(恋のデュエット)」(1976年 / 1位)、デュア・リパとの「コールド・ハート(プナウ・リミックス)」(2022年 / 7位)に続く4曲目、コラボレーションを含むと、ディオンヌ・ワーウィック、スティーヴィー・ワンダー、グラディス・ナイトと共演したディオンヌ&フレンズ 名義の「愛のハーモニー」(1986年 /1位)に続く5曲目のランクインとなる。
一方、ブリトニー・スピアーズは、コラボ曲では、ニッキー・ミナージュ&ケシャをフィーチャーした「ティル・ザ・ワールド・エンズ」(2011年/ 3位)、リアーナとの「S&M」(2011年 / 1位)、そしてウィル・アイ・アムとの「スクリーム&シャウト」(2013年 / 3位)に続く4曲目のTOP10入りを果たした。
「ホールド・ミー・クローサー」には、エルトン・ジョンの代表曲「タイニー・ダンサー(可愛いダンサー)」(1971年)、「ザ・ワン」(1992年)キキ・ディーとのデュエット「ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート(恋のデュエット)」(1976年)の要素が組み合わされていて、間接的ではあるが、「タイニー・ダンサー」が1972年4月に記録した41位、「ザ・ワン」が1992年9月に記録した9位をそれぞれ上回った。「ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート」は、1976年4月7日~28日付の4週間1位を獲得しているため、現時点で最高位は上回っていないが、初登場の順位としては「ホールド・ミー・クローサー」が今週最高位を更新したことになる。
なお、「タイニー・ダンサー」は2000年に映画やカントリー・シンガーのティム・マグロウがカバーしたことで再注目を集め、「ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート」は1994年にルポールとデュエットしたバージョンをリリース、2010年には人気ドラマ『glee/グリー』に起用されたことで50位に再ランクインしたことがある。「ザ・ワン」はカバーなど別の形で注目されたことはないが、「コールド・ハート」同様、曲を引用したことで間接的に2度目のTOP10入りした5曲目のタイトルとなる。
チャートに戻り、7位はニッキー・ミナージュの「スーパー・フリーキー・ガール」が同位をキープ。ラップ・ソング・チャートでは3週目の首位をマークした。前週から51%増加の1,390万回を記録して、今週のAirplay Gainerも獲得している。
以下、8位はポスト・マローンの「アイ・ライク・ユー(ア・ハピアー・ソング)with ドージャ・キャット」が先週の10位から上昇し、最高位を更新。ビヨンセの「ブレイク・マイ・ソウル」は先週の5位から9位に、フューチャーの「Wait for U feat. ドレイク&テムズ」も8位から10位にそれぞれダウンした。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは9月7日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「アズ・イット・ワズ」ハリー・スタイルズ
2位「バッド・ハビット」スティーヴ・レイシー
3位「アバウト・ダム・タイム」リゾ
4位「神秘の丘」ケイト・ブッシュ
5位「サンルーフ」ニッキー・ユーア&デイジー
6位「ホールド・ミー・クローサー」エルトン・ジョン&ブリトニー・スピアーズ
7位「スーパー・フリーキー・ガール」ニッキー・ミナージュ
8位「アイ・ライク・ユー(ア・ハピアー・ソング)」ポスト・マローン with ドージャ・キャット
9位「ブレイク・マイ・ソウル」ビヨンセ
10位「Wait for U」フューチャー feat. ドレイク&テムズ
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